hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

お寺に嫁いだ嫁の家族。立場は1番下。

回答数回答 6
有り難し有り難し 150

先日、住職である義父が亡くなりました。
通夜には当然私の家族も参列したのですが、翌日に坊守である義母から呼び出されました。内容は

・私の家族が座った位置
・役員さんが帰る際、通りすがった母もお見送りをした事

を指摘されました。
お寺では1番は住職、その次に家族、親族、役員さん方が来て嫁の家族は1番下だとはっきり言われました。
なので座る位置も1番後ろ、表立ってお見送りするのはもってのほかとの事。
そしてそれは常識だと言われました。
役員さんに文句を言う人もいて経営に差し障ると困ると叱られました。

知らなかった私たちも悪かったと思いますが、これは常識なんでしょうか?
寺では常識かもしれませんが一般常識では無いと思います。
ちなみに、副住職である主人は知らなかったそうです。

そして見送りをしていた母に義母は
「しゃしゃり出て」
と言い放ちました。本当に常識がある方はこの様な言動するでしょうか?

席順も私の家族は誰かに席を譲られたそうで流れで座ったので悪意も全く無かったと話しても義母は聞く耳持たずです・・・

住職様方にお聞きしたいのはこの扱いはどのお寺でも当然なのか否かです。

2日間夜遅くまで手伝いに来てくれた母が不憫になり質問をさせていただきました。
長々と失礼しました。回答をよろしくお願いします。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 6件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「何が正しいか」も大事だが「目の前の人とどうしていくか」も

ご相談拝読しました。

大事なのはあなたとお義母様とどちらが正しかったのかということでなく、今回の件を踏まえてこれからどうしていくのかということでしょう。

そして何より、あなたは今回あなたのお母様が不憫な思いをしてしまったであろうことが悲しかったし悔しかったのですよね。

今後そのようなことがないように考えていきましょうね。

さて、お尋ねの

>この扱いはどのお寺でも当然なのか否か

については正直分かりません。宗派・地域・世代・個人で考え方も風習も様々でしょう。また、そもそもの問題ですが、それらが他ではどうなっているか、どういうパターンが一番多いのかということがあったとしても、現実に目の前のお義母様(坊守様)がどう考えているかということを無視することはできないでしょう。

それはお義母様に従いなさいということではありません。事前にお義母様の考え、お寺の方針を確認し、場合によってはあなたの考えも伝え、相互理解の元で協力して事を進められるようになる必要があるという事です。

今回は葬儀という事、まだ慣れていないという事もありバタバタしたのでしょう。でもそういうまたとない機会だからこそお義母様はお寺として失礼のない振る舞いを全体でしたいという思いがあったのでしょう。

もちろん、私としてもあなたからお聞きするお義母様の言動に全く問題がないとは思いません。
しかしあなたがその人と今後も上手くやっていかなければいけないのは事実でしょう。ここで他のお坊さんからの情報をお義母様と闘うための武器として持つのは得策ではありません。

他の意見を参考にするのはかまいませんが、あなたとお義母様が話し合える関係が築かれることこそが大切です。

お寺の内部に入ると想像以上にドロドロしていたり、古い因習があったりと残念に思う事も多いのかもしれません。今回の様に仏教の教えと矛盾するような世俗的な事柄に振り回されることもあるでしょう。

しかし、どうかそうしたことで仏教自体を毛嫌いしてしまうのでなく、仏教を大切にするためにも世俗的な事を上手くやっていける知識・忍耐・手段を身に付けて欲しいと願います。

お母様のケアはあなたとご主人とで話し合って十分になさってください。そしてお義母様との関係もご主人やお寺の役員の皆様などと上手く相談しながらバランスを探っていってくださいね。

{{count}}
有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
このお坊さんを応援する

お寺の常識、世間の非常識。

あくまで個人的な意見ですが、悪意ではない不注意のようなものであれば、私なら後で個人的に呼んで「これはこうしないといけない、こうしてほしい。」というような伝え方をするでしょう。
挑発的な単語を使う必要は全く無いどころか、かえって今度はこちらの品格を下げてしまいます。
お寺といえども一人の大人、社会人同士の付き合い方や処し方というものがあると思います。

今回は勉強になったなと前向きに捉えていきましょう。

{{count}}
有り難し
おきもち

一般家庭から真言宗のお坊さんとなりました。 お寺はありませんので普段は普...
このお坊さんを応援する

仏法をあるじとし、世間を客人とせよ

葬儀の場ですよね?
だったら、席次や立ち振舞をよく弁えるべきだったのでは?
義母さんはお寺の坊守様という事になると思いますが、ということは、義母さんには義母さんの特別な責任があり、義母さんの補佐をしても義母さんを飛び越えたような立ち振舞はタブー中のタブーです。

”寺では常識かもしれませんが一般常識では無いと思います”
そんなことはありません。これこそ一般常識です。
あなたのご友人の結婚式や披露宴は、席次はテキトーでしたか?
スピーチや挨拶の役割分担はテキトーでしたか?

【仏法をあるじとし、世間を客人とせよ】
浄土真宗中興の祖・蓮如上人はこのように教えてくださいました。
仏教は万人に対して平等に開かれていますが、だからといって世間のルールに従わなくてもよいという意味ではありません。

”副住職である主人は知らなかったそうです”
そんなことでは困ります。しっかりと勉強してください。

{{count}}
有り難し
おきもち

【公認心理師】 【レンタルお坊さん】活動中。 とりあえず何でも相談して...
このお坊さんを応援する

お寺だけが特別というわけでは無いと思います

嫁の家族は1番下

こういう言われ方したら、確かに気分が悪いですね。夫である住職がお亡くなりになり、悲しいけれどもきちんと葬儀を務めなければならない。そういう状況下で、気になることがあったので、苛立ってしまったのだと思います。

 本来、この点に一番注意を払うべきは喪主である副住職でしょう。でも、住職が亡くなったとなると、御寺院様への対応で忙殺されることも多いので、気が回らないことも多いと思います。
 そうなると、坊守である母にその辺の差配を委ねるしかないと思います。あなたも嫁として忙しかったと思います。忙しいけれど、事前に「自分の親族はどの辺に座るようにすれば、良いですか?」と義母に相談した方が良かったと思います。

 一般にその家の世帯主が亡くなった場合、葬儀に参列するとなりますと、概ね下記のような席順になるのではないでしょうか?故人との血の繋がりの近い方からの順と考えるのが一般的だと思います。

1、喪主(夫)
2、義母
3、喪主の妻、子供
4、喪主の兄弟とその家族
5、故人の兄弟
6、義母の兄弟
7、故人の従兄弟
8、故人・義母の甥姪

 「一番下」という義母の言い方は感心しませんが、血縁の近い遠いを考慮すればあまり前の方の位置とは考え難いですね。葬儀において、亡くなられた方の血縁関係は其の時其の時で変わります。あなたのお母様は、今回の葬儀では親戚の中でも血縁的には遠い立場にはあったと思います。ただ、娘のことを思っていろいろとお手伝いくださったのですね。ありがたいことですね。但し、お手伝いするにしても、裏方に徹せざるを得ないと思います。あまり表立つのは賢明とは言えません。

 「しゃしゃり出る」と言われれば不愉快かと思います。でも、集まっている親族の中で、自分の立ち位置を弁え、どう振舞うべきか空気を読むことも必要です。同じ言うにしても、義母もお手伝いいただいたことに感謝しお礼の気持ちを伝えた上で、指摘すべきだったと思います。

 葬儀は経験してみないとわからないことが多いです。義母の言い方はさておいて、とりあえずは自分自身が知らなかったことお詫びしておきましょう。今後も義父の法要が続くと思います。今は「今後のためにも、教えてください。」という気持ちで接していきましょう。同時に、夫にも「あなたが一番配慮しなきゃ。」と釘をさしておきましょう。

{{count}}
有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
このお坊さんを応援する

お寺の世界はそういうものです。

もし在家から嫁がれていたら、たしかにお寺の世界のしきたりは、よく理解できないこともあるかもしれませんが、それは、それで長い間の、宗派、地域、風習などで育まれてきた世界です。同じ宗派内でも、地域が変われば、こんなに違うものかと思うことは常です。
知らなかったで通る場合と、大変失礼をしていることも多々あるかもしれません。
ここは、郷に入っては郷に従えです。当然、これから多くの寺院の方とお付き合いされていくことでしょうから、副住職も合わせて学んでいくしかありません。
お寺の常識とは、私もよく分かりませんが、それがお寺というものでしょう。

{{count}}
有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにも...
このお坊さんを応援する

気にする人がいるのは事実

義母さんや檀家さんの中に、実際に気にする人がいるのは事実だと思います。
実際に不快に思う人がいるならば、それを防ぐ対応をするのが現時点です。
お寺は宗教法人ですよね。
宗教法人の構成員は、まずは檀家信徒です。お坊さんや寺族(住職の家族)も、役員・職員という立場ですがやはり信徒の一部です。
住職の葬儀を宗教法人の構成員が中心となって執り行うのですから、そこに構成員ではない人が出てくる場合には、やはり気をつける必要があります。
紅白歌合戦の舞台の真ん中に歌手のお母さんが出て来て和田アキ子と肩を組んで歌っていたり、「皆さん良いお年を」と司会者並みに仕切っていたら、視聴者から「誰だあんた」「目立ちすぎだろ」と言われるでしょう。
それと同じです。
宗教法人の構成員のイベントに、構成員以外の人が来ている。エキストラみたいなものです。
エキストラがなくては映画はできませんが、エキストラが主役並みに目立つと監督から怒られるのではないでしょうか。

{{count}}
有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

早急にお答えいただき、ありがとうございました。他のお寺の住職様とお話する機会がまだないためご意見を拝見する事が出来て良かったです。
義母から注意された後、義母から主人が冗談で周囲に離婚を仄めかすことを言っていたと聞かされ落ち込むと同時にそこまで言われる様な事をしてしまったのかと疑心暗鬼になり今回質問をさせていただきました。
貴重なご意見を参考にしながら今後どうして行くのかを考えていきたいと思います。お陰で冷静になれました。ありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ