老いに対する恐怖
こんにちは。現在中学3年生の者です。
タイトル通り、自分は老いが怖いです。
よく、老いることと一緒に質問される「死」についてはあまり怖くありません。
もし生まれ変わりというものがあるならば、そのまま悪行を行わないようにして、また生まれ変わり、一方でもしないのであればそれを認識する術もないわけですから、特に恐怖というものは出てきません。
しかし、老いることだけはどうしても怖いんです。
僕は2004年生まれなので、もし80歳まで生きれるとしたら
その時は2084年です。僕はその時、おそらくこの時代の中学生や高校生の「若さ」を羨望するでしょう。
一つ目の質問ですが、皆さんは10年前,20年前の自分、もしくはその年齢の人を「若さ」で羨むことはあるのでしょうか。
そして、二つ目の質問に関してですが、1年前、国語の授業で
「無常観」について習いました。
自然を対象とした無常観というのは、非常に美しく素晴らしい考え方だと思いました。しかし、人間関係や自分の老いに関する無常観は「儚い」という一言で表せると思ったのですが、
その「儚い」が怖いんです。
例えば、今は両親や祖父母が生きていますが、いずれ、どの順番かはわかりませんが、亡くなり、お別れが来ます。
また、今自分は「若い」という部類に入り、体力もある時期なので基本いろんなことができます。しかし、そんな自分もいつかは衰え、できることが少なくなると思うとどうしてもなんともいえない気持ちになります。
二つ目の質問なのですが、皆さんはこの「老い」についてどう思いますか、またはどう考えますか。そして、もし仏教にそれに関する教えがあるのでしたら、教えてくださると幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
時の流れの中で
1、
①、若い頃は視力だけは良かったのですが、30代後半から老眼になり、常時眼鏡が必要になりました。
②、最近、テレビを見る時の音量が大きくしています。少し、耳が遠くなってきました。
③、医師の勧めで10年間から成人病の薬を飲むようになりました。
④、だんだんと記憶力が低下してきました。
⑤、若い時、にきびや吹き出物で困ったことはありません。まあ、女性なら「綺麗なお肌ですこと。」と褒められるでしょうけど、私は男ですから何の自慢にもなりません。そういうきれいな肌でも、40代以降シミが出たり皴が増えたりします。
⑤、だんだんと論理的な思考力も低下してきました。若い時に学術論文をいくつか書いたことがありましたが、今は書けないかも。
若さが無くなってきたことは痛感します。記憶力が良くて、トレーニングすればそれなりに体力が向上していた時代が懐かしいですね。でも、羨ましいとは思いません。若い時と同じように出来ないことは当たり前のことです。その年齢に合った過ごし方、その年齢に合った生き方を模索していくことが、生きていくことの大事な意義なんじゃないかな。
2、私は曹洞宗の僧侶ですが、道元禅師様は「無常を観ずる」という教えを説かれています。諸行無常という道理をしっかりと観察せよ、ということです。さすれば、自分の命が限りあるものであることを自覚し、ちっぽけなエゴを捨て去り、今という時を大事に精進し、正しい道を歩き続けられるのです。無常なるが故に、儚いと感じることもあるでしょう。儚い命だからこそ、スポーツで鍛えられる時にはしっかり鍛え、勉学に励める時にはしっかりと学ぶべきなのです。「無常を観ずる」については、以前他の方の質問に回答しておりますので、そちらをご参照ください。https://hasunoha.jp/questions/14083
記憶力が低下することは既に述べましたが、新たに知識を吸収することは確かに難しくなります。但し、昔のことは結構しっかりと覚えています。多少日時や設定等の記憶が怪しくなることも多いですが、最近はパソコンやスマホにキイワードを打ち込んで検索すると、記憶力の低下を結構カバーできます。歴史を生きてきた実体験はそれなりに大きな財産になりますよ。老いるということは、経験を重ねていくということです。いいことだらけなんて無いけど、悲観する必要も無いですよ。
老は四苦の一つです
大変深いことを考えておられますね。
1つめの質問について
私は今59歳です。確かに20代と比べると著しく体力の衰えを自覚しています。若い人のことを羨ましく思うことはあります。しかし、物事の理解の仕方については経験をとおして、より深く理解できるようになったと思っています。
さだまさしさんの「人生の贈り物」の歌詞を読んでみて下さい。
http://j-lyric.net/artist/a0004ab/l0102b5.html
さて、105歳でなくなられた聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんは、100歳を超えても来年の講演予定を入れておられました。若宮正子さんは81歳でiOSアプリを開発されました。知人にも、音楽とは一切無縁で生きてこられたにもかかわらず、90歳で作曲を始めた人もいました。
加齢は個人差が大きく、すべての人が能力が衰えるわけではありません。
2つめの質問について
お釈迦様は生、老、病、死という4つの、自分の力では自由にできないことからは決して逃れられないと仰いました。これを四苦と言います。これに親愛な人と別れなければならない「愛別離苦(あいべつりく)」、憎んでいる人と会わなければならない「怨憎会苦(おんぞうえく)」、求めても手に入らない「求不得苦(ふぐとっく)」、人間である以上根源的に持っている苦しみとしての「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」の4つを加えて八苦と言います。 四苦八苦とはこのことです。人生はこうした苦からは逃れられないと知ったうえで、よりよく生きることを目指しなさいと仰ったのです。
命は「儚い」からこそ美しく、大切なのではないでしょうか。
質問者からのお礼
素晴らしい御回答有り難うございます。自分にもいつか来る苦に備え、前を向けるように
生き方を考えながら、そして他人と比較をしない幸せを追求していきていきたいと思います。