皆様に大変ご好評をいただき、ご質問が殺到しています。

回答が追いついておりません。お坊さんから丁寧にご回答いただくため質問受付数を制限させていただいております。大変申し訳ございません。

祖母の認知症が辛い

数ヶ月前に、祖母が認知症になりました。前々から兆候はあったのですが、骨折で入院し、帰ってきた時から少しずつ進行しているようです。

私は、そんな祖母の行動にすごくイライラしてしまいます。毎回同じ話をするのは老いているから仕方ないのでまだ堪えられますが、毎分毎分、特に用事もないのに私の名前を呼ぶのが嫌で嫌でたまらないんです。
こんな事はイライラする事でもない、と落ち着いている時なら思えるのですが、いざその時になるとイライラを堪えきれず、つい大声で反論してしまいます。
祖母はよく認知症らしい事件を起こしていました。私は毎回イライラしてしまい、しまいには、ふとした瞬間に祖母の死について考えてしまうまでになってしまいました。

祖母は、たまにいつもの祖母に戻ってくれます。その時に「怖いねえ、怖いねえ、寂しい」と言っているのを聞くと、言いようのない罪悪感に苛まれます。その度に、祖母も自分も嫌うこんな自分を変えたいと思うのですが、上手くいかず、どうしても後悔する結果になってしまいます。

どんな心の持ち方をしたら、優しく、心の広い人になれるのでしょうか。アドバイスをよろしくお願いします。

老い・介護・看病・病気
有り難し 36
回答 3
回答は各僧侶の個人的な意見であり仏教教義や宗派見解と異なることがあります。答えは一つとは限りません。多くの回答(法施)からあなたの人生を探してみてください。

無常を観ずる

 お祖母様の御病気、そして病気の症状、病気からくる行動、つらいですね。残念ながら、この先病状は進行すると思います。そして、消化器系、循環器系、呼吸器系、いずれかの機能が低下していきますし、すべての機能が低下していきます。そして、いずれは御臨終の時を迎えると思います。
 病状の進行は個人差がありますし、老化の進行も個人差があります。お祖母様があと何年何か月生きられるか私にはわかりませんが、辛い現実であっても、それから目をそらさず、お祖母様の人生を最期まで見守りお祖母様に寄り添ってあげてください。

 仏教では諸行無常という教えを説きます。タイトルに「無常を観ずる」と書きました。これは道元禅師が書かれた『学道用心集』(修行の心得を説いた書物)にある「ただ世間の生滅無常を観ずる心もまた菩提心と名づく」という言葉をお伝えしたくて、「無常を観ずる」と書きました。
 人はおぎゃあとこの世に生まれ、すくすく成長し、同時に老化も進行し、いずれ成長の時期が止まり老化だけが進行し、最期の時を迎えます。こういう現象のことを生滅と言います。快晴の空が雲の流れによって、真っ暗になりどしゃ降りとなるように、今ここにある現象も今ここにある現実も時々刻々変化していきます。それを諸行無常と言います。「無常を観ずる」とは、諸行無常という道理をしっかりと理解し、諸行無常の現実をしっかり観察することです。

 数年前に三冠王を獲得した強打者が今年引退の時を迎えます。十数年前に若手漫才師として登場したお笑い芸人がテレビ界を代表するMCとなる一方で、数年前のトップアイドルがテレビ界から消えている。一つの物事を成し遂げたとしても、それは永遠のものではなく、時々刻々変化していきます。諸行無常の道理を知って、人は今という時の大切さを知ります。そして、今まで過ごしてきた時間も実に尊いものであったことに気付きます。

 菩提心とは「正しい生き方と正しい道を求める心」という意味です。お祖母様の病状を見るにつけ、人が生きるのは辛く苦しいものだと思うのでしょう。人が元気でいられる時間には限りがあると気付くと思います。それだけに、お元気な時にあなたや御家族のためにいろいろと頑張って下さった時間は尊いものです。

 お祖母様の病状を見つめながら、人生という時の大切さを知り、あなたの人生をどう生きるかしっかり考えて下さい。

受け流す力を!

いなかもんさん、こんにちは。

祖母が認知症とのこと。つらいですね。
でも人は必ず老わなければなりません。私もあなたもいつか老いて、そして認知症になるかも知れないです。そして、老いた時には、もう何も対策を打つことができません。今から、若いうちから、老いを想定して生きていくことが大切です。私もそれがだんだん分かってきましたから、今から老い対策をしています。いなかもんさんも今はわかりませんが、25歳を越えると分かってきます。そして今までの行き方が老いに現れます。

さて、認知症との付き合いで一番大切なのは、言葉や行動に対して、そのまま受けないということです。そのまま受けるとイライラしてしまいます。当然です理性で動いているわけではないので、行動の意味を伴っていないからです。
大切なのは受けて流すということ。受けて意味を考えてはいけません。受けて流すのです。たとえば、いなかもんさんを何十回も読んでも、それが意味のない呼びかけであれば、鳥の鳴き声を聞くように自然に気にしなければいいのです。

まだまだ、若いから受け流すのは難しいかも知れませんが、これも社会人・大人になるための修行だと思つて対応してください。そして祖母の生き方を通して自分の生き方を見つめてください。

生きることは大変なことであり、そして毎日の小さな努力が大切なことなのだと。同級生よりも早い人生の勉強です。あなたは他の友達より早く大人になれるのです。合掌

回答僧

願誉浄史

認知症サポーターになろう

全国の自治体で、認知症の人々を地域で見守る存在、「認知症サポーター」を養成する講習を開いています。
認知症サポーターになると、オレンジリング(腕輪)がもらえます。
せいぜい2時間くらいの講習だと思います。
機会があれば受けてみてはどうでしょうか。

認知症高齢者の平均介護期間は6年だと聞いたことがあります。(最新データでは違うかも)
大人になると、6年なんてあっという間です。貴重な6年です。
認知症について理解が深まれば、怒りはマシになるかもしれません。

あとは、人間、どうせできることしかできないのだから、できることをすれば良いのです。
自分に対しても、他人に対しても、「できることしかできない」と見守り、
車と車が、あおらず急かさず追い越さず、適度な車間距離を保ったまま全体的にスムーズに移動している感じで行きましょう。
1台だけ無理にスピードを上げても、どこかで前の車にぶつかりかけて急ブレーキを踏むことになりますからね。


質問者からの有り難し - お礼

皆さん、回答ありがとうございます。今はまだ老いも諸行無常も受けとめることができませんが、そういう考え方があることを知り、少し気持ちが楽になれた気がします。
皆さんのアドバイスを参考に、祖母の認知症と向き合いたいと思います。本当に、回答ありがとうございました。

関連する問答
このページの先頭へ