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天道は目標ではないのですか?

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有り難し有り難し 19

お世話になっております。
柴田秋です。

私は10年ほど前に自殺に失敗しました。
複数回の失敗の上、死ぬのは少なくとも生きることと同じくらいには面倒で疲れることだと感じたため、久しく実行には移していません。
それから、どう生きるのかと同じように、死について考えるようになりました。
死後の世界とかではなく、死ぬことで私の周囲に与える影響についてという意味です。
迷惑云々や、コストや、私の心とは関係なく死後に振り分けが行われるのであろうなということなどです。

こちらの質問の回答に対して、疑問が浮かび上がりました。
https://hasunoha.jp/questions/38774
余談ですが、今は少なくとも怒りは自覚していません。

「仏教は死んだらどうなるの教えではなく、生きているからどうするの教えです」
とあります。
多分、きっと心構えのことをおっしゃっているのだと思いますが、疑問が沸き起こってきます。

背景は語りましたが、それはあくまで単なる動機です。
私のことは私で考えるとして、他者のことは私には分かりません。
よろしければ、質問に応えていただきたいです。

仏教の最終的な目標は、悟り、無限に続く輪廻から脱し、六道のひとつである天道に行くことではないのですか?
仏は天道に在すもののことですよね?
つまり、死後のことこそが目標なのではないですか?

あくまで、そこに至るための過程として、どう生きるかが重要なのだと思っているのだと思いました。
つまり、生き方は手段で目的は死後の行き先であると。

なんとなく、キリスト教やイスラム教、パスタファリアニズムの天国を目指すのとは異なるのだとは思ってはおりましたが、疑問が起こりました。

仏教は天道を目指し、輪廻から脱すること、つまり解脱が目標ではないのですか?

絶対の正解を求めているわけではありませんので、ご自身の考えで構いません。
※私の拠り所とする科学(科学的方法)にも絶対の正解はありません。
 あれらは、今のところ否定されていないというだけです。
当然、ご回答なされた方以外の方には、天道へ行くことを目標とされている方もいるかも知れません。
それぞれのご回答を伺いたいです。

よろしくおねがいします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

こんにちは。
お釈迦様は、弟子から死後の世界についてたずねられたときに、「そんな事を考えているヒマがあったら修行しなさい」と言いました。(毒矢の譬え)。お釈迦様は死後の世界について重要視していなかったようです。六道輪廻の思想は仏教誕生以前からあったインドの世界観で、お釈迦様は、悟りを得た時にその(六道輪廻的な)考え方から解脱したとおっしゃったわけで、六道輪廻を解脱したと言った訳ではありません。私は悟りを目指しますが、「天道」を目指す訳ではありません。

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有り難し
おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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私が学んだ仏教では、天道を目指すという教えはありませんでした。
解脱という表現も使いません。ただひたすら成仏を目指す。ということですが、その成仏も、仏なりと読めます。
どうやら、私たちは、仏になるのではなく元々、仏と同等(魂)の存在である。すでに仏なので、すでになっているものにはなれない。
でも、それを確かめたくて、こうして生き、様々な体験、経験を通じて確認(目覚め)していると、大雑把に捉えるとそうなります。死んでからではなく、今、まさにその経験ができているのでしょう。
死後の世界のことも、そうですが、生まれてくる前のこともよく分かりません。
どちらの世界も、私たちの能力を超えた計り知れない世界なのでしょう。でも、本当は、そのことも知っているのかもしれません。ただ、忘れているだけなのかもしれません。お釈迦様が説かれなかったのは、説明しても理解不可能だからだったのかもしれません。

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有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにも...
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質問者からのお礼

>光禪様
ご回答ありがとうございました。
今まで誤解をしていたようです。

>鈴木海祥様
仏になることにも、仏であることにも、何かしらのものを感じない私には後半はよく分かりませんでしたが、兎に角、六道や解脱とは異なる考え方だということはわかりました。
ありがとうございました。

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良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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