認知症の祖母と家族のあるべき姿
私の家族は父、母、父方の祖母の3人で同居しています。
祖母は今から15年前心臓病を患い、それからというもの糖尿病、腎臓、脳梗塞などありとあらゆる病気で何度も入退院を繰り返し、どれも命に関わるようなものでしたが有難いことに何度も救われてきました。
そんな祖母が二度目の脳梗塞になったのが去年の夏。
それと同時に不整脈からペースメーカーを入れました。その後1年かけてゆっくりと認知症になりました。
一度何か気になるとその事を納得いくまで言い出してこちらのいうことをまったく聞かなくなります。
例えば目が見えないから病院へ連れて行って欲しいとなれば連れていくまで言いつづけます。
ご飯も食べたばかりなのに何も食べてない、と食べ物を与えるまで言い続けます。何を言ってもダメなのです。
基本的に面倒を見ているのは母で、仕事をしながら休みの日も祖母の為に献身的に面倒を見てくれています。
私自身も転職前までは病院に連れて行くことや世話を手伝えましたが、ダブルワークになってしまい前ほど時間や体力に余裕がありません。
施設も視野に入れましたが、お金がないので週2のデイサービスに通っています。
車も私の車しかないので、基本的に父に車を貸し出して移動したりする為、私も自分の予定を調節せざるを得なくなってしまったり、夜中に起こされ寝不足になったりと家族揃って悩まされています。
もともと耳が遠く、補聴器をつけてもあまり聞こえない上に認知症の為、コミュニケーションがいつも一方通行です。
しかし、祖母も好きでこんな風になったわけではないので、私だけでも優しくしなくてはと祖母にあまり怒らず接しているため、私の言う事は割と聞いてくれる方ですが、それでも基本的に自分の意見を貫こうとし、父や母が説得しても出て行こうとしてしまいます。
父や母も限界で怒り散らしますし、
私自身も思うようにならない現状に怒りたくないけど爆発してしまう時もありますし、時にはもう死んでくれないかな、と言う感情さえ湧いてきます。
幼い頃からたくさん愛情を注いで大切にしてくれた祖母に対してこんな感情が湧いてしまうのも情けなく、罪悪感でいっぱいですがこんな辛い思いをしてまで生きている祖母も可哀想に感じます。
本当に大切で大好きな祖母でいなくなってしまったら辛く悲しい事も分かっているのに、なぜ感情のコントロールができないのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
本当の回答は仏様にしか出来ません
お辛いことですね。あなたも、御両親も、そしてお祖母様も…。
あなたをずっと可愛がって下さったお祖母様が変わってしまった…いいえ、変わっていません。お祖母様はお祖母様です。
ただ、子供で言えば「成長」、内容は同じながら、お歳召したお方に対しては「老化」をなされたということですね。皆が通る道です。諸行無常です。お祖母様自身はお祖母様のままながら、脳を含めた身体は衰えていきます。誰も避けられません。
辛いでしょうが、あなたは、そしてあなたのご家族は現実を生きるしかありません。冷たく感じますか?…でも皆がそうなのです。
私もどんどん老化してきています。そしてあなたも歳を取っていきます。老病死は誰にも避けられない事実です。仏教ではそれを苦と説きますが、ある意味自然なことなのです。だから、お釈迦様はそれらを苦とは感じていらっしゃいませんでした。
とはいっても、人間がこれ程長生きするようになるとはお釈迦様もご存じなかったでしょう。認知症、徘徊、弄便(便をもてあそぶ)などもそれらの症状がありながらも何年も、いや何十年も生きていられる時代がくるとは思ってもいらっしゃらなかったでしょう。これも人間が長寿を、健康を望んだ結果なのです。人間の努力の結果得られた状態であって、本来喜ぶべきことなのです…喜べますか? 喜べませんよね。それも、煩悩のせいです…長寿という喜ぶべきことを喜べない私達です。
どうか社協など、また包括支援センターなどにご相談下さい。助けを求めて下さい。専門のお方が必ず、あなた方御家族にお手を差し伸べて下さいます。
お祖母様も永遠の存在ではありません。必ずその命を終えていきます。そのとき深い悲しみからあなたが大粒の涙を流されることを心より念じています。あなたに溜息とか脱力の中でお祖母様を見送って欲しくないのです。
どうかお祖母様に、そして、それ以上に御母様にあなたから優しい言葉を掛けて下さい。声を掛け続けて下さいませ…。
あなたのご質問には回答など出来ません。私も同じ人間ですから。間違いなくこれから、介護をする、又は介護される身となりますから。
御一緒に仏様にお答え求めていきましょう…きっとお答え下さいます。
質問者からのお礼
親身になってお答えいただき、ありがとうございます。
この質問をした直後に祖母が入院をし、生きて退院は出来ないと言われ、生死を隣り合わせに改めて祖母とのこれまでの時間を見つめ直す時間が出来ました。
これから飲み食いもできないし、助かることはないと言われたはずでしたが見事今は食事ができるところまで回復し、先生にも奇跡です。と言われました。
このタイミングでの出来事でしたので、家族一同、祖母への想いを再確認しあうことができ、神様はやはりみておられるなと思いました。
祖母にとってもまだその時ではなく、私たちにとっても今一度考える時間を与えてくださったのだと肝に命じ、それでも短いであろう祖母との時間を大切にしようと思いました。
ありがとうございました!