家族との関係で悩んでいます
4歳違いの兄(長男)と二人兄弟です。小学校の頃から私が疎外されていると感じていて、明らかに冷遇されてもある意味納得していました。
高校の頃にグレた私にも原因はあると思いますが、親には信用されていなかったようで、後に聞いた話ですが、母は私のあることないことを親戚に言い回っていたそうです。
二十歳の頃、兄の婚約とその後の婚約解消を祖母から聞きました。女性と付き合っているのは知っていましたが、親からは何も聞かされず「またいつものやつか」と気にしないようにしていました。
結婚して歳も40に近づき、「今までいさかいもあったけれど、育ててもらったのだから水に流そう」と月に1~2回は電話して、話を聞くようにしていました。
その後、好きだった叔父が癌になっているのを知らされず、お見舞いに行けないまま亡くなりました。「何で教えてくれなかったのか?」と頭に来ましたが、腹に収めていました。
同時期に兄から突然「実は離婚していて、今度再婚する」とのメールが来ました。また、私に知らされなかった事に怒りを覚え、両親に「なぜ、私のある事ないことはふれ回るのに、大事な事は知らせてくれないのか?ただ、兄には幸せになって欲しい」という内容の手紙を出しました。
兄の結婚式には出席しましたが、正直行きたくはありませんでした。再婚がどうのという事ではなく、「また、蚊帳の外か」という不信感からです。
その後も仲の良かったいとこの死も知らされず、子供の頃お世話になった親戚も亡くなったのを私にだけ知らされないまま、葬儀は済んでいました。それでも、怒る気持ちを抑えていました。
去年、実家に置いてあった、私の趣味にとって、必要不可欠な物が無い事に気づきました。実家には空き部屋があり、滅多に使わない物は了解を得て置いていました。
その趣味は十代から、私の生きがいであるのは両親も知っています。何度も実家に行き、家中探しましたがありません。両親は「捨てていない」と言いますが、結局、見つかりませんでした。ある程度重く、大きな物ですから、捨てない限り無くならない物です。
それから、今までの疎外感と相まって、糸の切れた凧のように、完全に家族と心が離れてしまいました。
以後、私から連絡する気持ちになれません。もう、一切関わりたくありません。そういう気持ちをどうすれば良いのか、アドバイス頂ければ幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
怒りは腹になんか収まらない。ドラえもんでさえも。
ライム様初めまして。伊豆の正蓮寺、渡邉元浄と申します。
亡くなった私の父はよくこういう言葉を口ずさんでいました。
『 「我慢する」。そのこころが家庭を・・・・・。』
家庭を・・・の後に続く言葉は、どうぞライムさんが考えてください。
僕は父が亡くなってからこの言葉がよく響き、なるべく我慢しないように生きています。
もちろん時と場所に応じて必要な我慢はしますが、父の言葉を思い浮かべて、誠意と勇気と愛嬌をブレンドながらですが、特に家族にはなるべく我慢しないようにしています。
連絡も取らなければいいし、関わり合いたくないなら拒絶していればよろしいでしょうと思います。
それがライムさんの極楽なら。だけど、それでもモヤモヤしてここに書き込まれているということは、なおさら収まってないのでしょう。
四次元ポケットを持ってるドラえもんでさえ、時折癇癪起こしてます。猫型でもロボットでもない僕ら人間です。仏教でいうところの、「貪欲・瞋恚・愚痴の三毒」が収まる腹なんて、元々人間には備わっておりません。
ライムさんはもっと素直に、自在とまでいかなくても、もっと自由に、ご家族に自分のいのちを表現してください!
僕も今日からそうします!
自分の身は自分で守りましょう。
ライムさん。その悩みを解決する方法はいくつかあると思います。
両親から蚊帳の外にされていると分かっているなら、角度を変えて攻めてみた方が良いと思います。
両親が知らせてくれないなら、お兄さんと連絡を密に取り合って、親戚などの近況を知るべきです。それが無理なら親戚で仲の良い人と連絡を取り合うということも考えましょう。1度家を離れたら他人扱いされます。これが次男、三男、女兄弟等の宿命かもしれません。お盆、お正月とまめに里帰りしていますか。情報は自分で手に入れましょう。その努力を怠って、人のせいにばかりするものではありません。
ライムさんも家庭を持ち、子供が出来ましたら、妻や子にはあなたと同じような気持ちにさせないことが大切だと思います。あなたの両親はどんなにあなたが頑張っても性格が治るわけではありません。そんなに両親と仲良くしたいなら、自分が変わるしかないかもしれません。
「放てば手にみてり」(意味)執着を捨て、心を空にすれば、真理と一体となった豊かな境地が手に入る。
すべてを捨てるというより、過去にあった両親のとの確執をすべて洗い流して、もう一度、0から接し直せば、新たなものが手に入るかもしれません。中々、出来ることではありませんが、徐々に年月をかけて修復していってください。
振り子を振らない
ライム様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
ご家族との関係でのお悩み・・肉親間の愛憎劇においては時に色々と難儀なる醜いことが生じてしまうことがございます・・このことに関しまして以前に下記各問いにても少しくお答えさせて頂いております。
問い「身内の裏切り」( http://hasunoha.jp/questions/371 )・問い「父親と良い関係が築けません」( http://hasunoha.jp/questions/198 )・問い「兄との関係」( http://hasunoha.jp/questions/80 )
さて・・肉親間の愛憎劇の原因については、それぞれにおけるお互いの「愛情」の事情、度合い、偏りにもよるでしょうが、肉親であるからこその期待や、肉親だから当たり前という思い、あるいはまだまだ甘えられるという思いなどによるとらわれも大きく影響しているのではないかと考えることができます
そして、例えば、まだまだ期待できる、当たり前だ、甘えられると思っていればいるほどに、例えばそれが振り子のようなもので、振れれば振れるほどに、今度は、逆のこと、裏切られたこと、期待はずれになった場合に、振り子が逆にも大きく振れていくことになってしまいます。もちろん、振れてしまった振り子を理性の働きにより真ん中で止めることができれば誠に良いのでしょうが、そうならず怒りや憎しみの感情が勝ってしまい、振り子が逆に振り切れば振り切るほどに、やがて悲劇が起こってしまうことになってしまいかねません・・
仏教としましては、できるだけどちらにも振り子を振りすぎないように気をつけることを目指します。もしくは、始めからどちらにも振らないように心掛けるということとなります。いわゆるこれが「中道」ということになります。
この度においては、例えば、肉親だから、親だから、兄弟だから、これこれして当たり前だ、当然だ、期待できるという思いを少し外してみる必要があるのではないかと考えております。
そのようにして、コミュニケーション、情報収集も、肉親だから・・・という言い訳をなくせるように調えていくことで、ある程度現実的な対応を粛々と取ることが一つの有効な解決方法になるのではないかと存じております。
川口英俊 合掌