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江戸時代には、子供を示す意味で餓鬼と用いていたようですが
いい質問、ありがとうございます。でも、初めに謝っておきますが、明解な答えを出せないかもしれません。
仏教語としての「餓鬼」はwebで検索すれば、仏教語辞典に載っているような説明は出てきますね。
子供を示す意味の「餓鬼」ですが、三省堂『大辞林』の「餓鬼」の仏教語以外の意味としては
「② 食物に飢えている者。また、貪欲な者。
③ [2] 〔食物をむさぼることから〕
㋐ 子供を、卑しめて言う語。「うるさい-どもだ」
㋑ 俗に、子供の意。「 -の頃から」「 -大将」 」
とありますね。
『大日本国語辞典』は古い用例を載せてくれているから、有難いですね。子供の意味の用例に関する部分だけ、引用させていただきます。
「④ (食物をむさぼるところから) 子供を卑しめていう俗語。
※咄本・軽口あられ酒(1705)四「口のすぎたがきとてにらむ」
※夢酔独言(1843)「がきのじぶんよりわるさ許りして」
子供がおなかをすかせ食べ物を貪り食らう様子から、子供のことを餓鬼と言うようになったという説明がどの辞書にも載ってます。何時ごろからそういう意味の用語になったのかは明確では無いです。国語大辞典に「餓鬼」の出典として載っている『軽口あられ酒』は上方落語の開祖とされる露の五郎兵衛の噺を筆録した「笑い話本」です。子供のことを乱暴な言い方で「餓鬼 がき」というのは、広く用いられていたと言えます。「餓鬼」で検索すると、國木田独歩、泉鏡花、森鴎外など日本近代の文学作品にも用例が見られます。
これから派生した「餓鬼大将」は、子供の中で強くて威張っているボスという意味で用いられてますよね。国語大辞典には「江戸八百韻」(1678)という俳諧本の記述を取り上げています。結構、昔から使われていたのですね。
少年文学やテレビの子供向けドラマでは「弱気を助け、強気をくじく」リーダー像のように描かれる場合が多いように感じます。そういう場合の「餓鬼 ガキ」にはあんまりマイナスのイメージは無いですね。時代と共に言葉の意味は変化していくということでしょう。
十分とは言えない回答となってしましましたことをお詫び申し上げます。ご質問ありがとうございました。
質問者からのお礼
吉田様へ
色々調べていただきありがとうございました。
明確な答えは出ませんが、江戸時代に食物を貪り食べる姿から仏教語の「餓鬼」が子供の意味に使われるようになったのが初出で、明治時代になり文学作品に登場するようになり、定着し、その後時代とともに意味が良くなったりしているということでしょうか?似たような仏教語?に「坊主」がありますね。こちらは、「子坊主」からか、子供を指すこともありますし、いわゆる「坊主頭」にしている人を指すこともあります。更には、お坊さんを見下げて言う言葉ともなります。お坊さんという言葉も「坊主」が悪い意味にとられがちなため、その坊にさんをつけて坊さんさらにおをつけて、語感を柔らかくして、尊敬の意を込めるようになったのかと思います。手元に辞書がないため、あくまでも推測ですが。重ね重ねありがとうございました。
子どもを表す「がき」の現代的な意味に悪いイメージはないというのは同感です。がゆえに、「悪ガキ」という言葉が発生したように思います。だから、「餓鬼」と「がき」が結びつかなくなってしまったのかと推測します。