結婚と家族との別れ
初めて相談させていただきます。
20代後半の女性です。
先日交際していた男性からプロポーズされました。その方は私にないものをたくさん持っていて、優しく、信頼できる人です。結婚したい気持ちはあります。ただ、本当におかしな話だと思うのですが、実家の家族が好きで、結婚して離れることを思うと辛くなってしまいました。家族と違う姓を名乗ること、家庭を持つことで実家には今ほど気軽に帰りにくくなること等を思うと、強い悲しみに襲われてしまいます。今日無口な父から改めて「少し寂しいけれど、おめでとう」と連絡をもらってから涙が止まらなくなってしまいました。
社会人になってから1人暮らしをしているのですが、実家から電車で2時間くらいのところに住んでおり、1か月に1度程度実家に帰る生活をしていました。実家住まいではないものの、精神的な親離れができていないのだと思います。
父母は健在で、私がいなくとも生活できますし、結婚にも概ね賛成してくれています。父母に引き留められているわけでもなく、私だけ離れたくない思いに駆られています。
なぜこんな気持ちになるのか考えているのですが、以下のような原因が絡み合っていると思っています。
・両親と別の家族を持つこと(娘としての役割を手放すこと)の罪悪感
・両親と離れ、守ってくれる人がいなくなるような不安感
・両親とのつながりが薄くなる喪失感
・先日数か月介護していた実家の愛犬を亡くしたこと(介護の期間は実家で在宅勤務をしていたので、実家の家族との距離が近くなっていました。また、本当に大切にしていた愛犬を亡くしたことで家族を失うことに恐怖を感じるようになってしまいました。)
いい大人が何を言っているのだ、と自分でも思います。結婚を望んでくれる人がいる、その方と新しい家庭を築くことができるというのが本当に幸せであることも理解しています。加えて、新居は今よりも実家に近いところになりそうです。
それにも関わらず、なぜかとても悲しくてたまらないです。この気持ちはどのように整理したら良いでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
新生活を迎えるあなたを応援しています
こんにちは。
ご質問を拝見すると、山口百恵さんが歌った「秋桜」を思い出します。
嫁入りのための荷造りをしながら、母娘が別れていかなければならない、その切ない心情、情景を描いています。
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし元気でと
何度も何度もくりかえす母
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと笑った
自らの寂しさを押し殺しながら、娘を励ますお母さんの心情が伝わってきます。その励ましを聞いて、娘さんはこう思います。
ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
別れは寂しいものです。
女性は、特に実家を離れて婚家に入るという辛さが伴います。
結婚という浮き立つ希望に心が占められるはずなのに、その裏側に寂しさを伴うという名状しがたい心境なのだと察します。
ただ、あなたは娘さんを辞めるわけではありません。
また、お父さん、お母さんはあなたの親を辞めるわけでもありません。
姓は変われど、父娘であり母娘であることに変わりはありません。
そして、過ごしてきた貴重な年月は変わらずあなたの心の財産となった。
また、関わり方は変われど、今度は親子の第二幕が始まるのです。
少し前の「YELL」(いきものがかり)にこう歌われています。
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らをつなぐYELL
新生活を迎えるあなたを応援しています。
新たな家族を作るために、生を受け、育ててもらった
ご結婚、おめでとうございます。
私はおもちさんのご両親の世代の人間です。自分の経験を踏まえて申し上げますと、親だって寂しいです。でも親元を離れて行く時が来ることは、覚悟してました。覚悟せざるを得ません。
今の民法・戸籍制度では、結婚すれば親の戸籍を離れます。婚姻届けを出せば、夫婦だけの戸籍簿が作られます。子供が生まれ出生届を出せば、当然両親の戸籍に入ります。その子供が成長して結婚すれば、親夫婦の戸籍を離れ、新たな戸籍を作ります。
おもちさんのご両親もそういう道を歩んで来られたのです。20数年前におもちさんのご両親は結婚され、家族となり家庭を作られました。そしてお子さんたちが生まれ、成長されました。進学の時点で、或いは就職の時点で、別々の場所での生活となる場合が多いですよね。おもちさん御自身、そういう生活でしたね。家族が同じ場所で一緒に生活できる時間は永遠ではありません。人生の中では、10数年から20数年です。家族は時間の経過とともに変化していきます。変化したくないと思っても、変化を受け入れざるを得ないのです。
結婚すれば、実家の家族と過ごす時間は減ります。当然のことです。伴侶と過ごす時間が多くなります。子供が生まれれば、子供と過ごすことに時間がとられます。歴史の中で、多くの人々が辿ってきた道なのです。鳥や動物も生まれて一定期間親の庇護のもとで育てられます。でも、親から巣立っていく時期は人間に比べるとはるかに早いですよね。時期の違いはあるにせよ、人間もいつかは親の庇護から巣立っていくことが必要です。それが親孝行でもあります。
結婚して子供が出来、子供を育てていく中で、親の苦労を実感できます。子供を育てることを通して、自分を育ててくれた親の苦労がわかり、親への感謝が深まります。個人差もありますから全ての人がそうだとは言えませんが、結婚したから家族の絆が薄くなるとは限りません。おもちさんなら、新たな家庭をもち子育てをする中で、両親の苦労を実感し感謝すると思います。結婚することで、両親との絆は深まると思います。
5日ほど前に他の方の質問へ回答したものです。こちらも参考になさってください。 「諸行無常なれば、家族が一緒に居られるのも期間限定」
https://hasunoha.jp/questions/56326
巣立ちは一番の親孝行
おもちさん、こんにちは。
プロポーズ、おめでとうございます。
いよいよ結婚の道に進むのですね。実家と離れることは寂しい事ですが、いつまでも親に縋りつくわけにはいきません。巣立って本当の自立する時が来たのです。それが本当の親孝行です。
あなたが親の愛情に対して幸せを感じているように、今度はあなたが子供を作った時に親としての愛情を注ぎ子供を幸せに育てなくてはいけません。そうやって大昔から人間は家族を繋げてきました。いよいよあなたにバトンタッチのお役が来たのですよ。
本当の愛情は頂くだけでなく、与えることです。今の幸せよりも更に気持ち良い幸せを得る事でしょう。それが大人になることです。
新しい家庭を作ることは大変ですが、その苦労はご両親からいろいろ学ぶ事もできるでしょう。両親が健在のうちにたくさんの親孝行をしてあげてください。それが親に甘える事でもあります。あなたが家庭を立派に仕切る姿が親への一番の親孝行です。
不安を打ち消すぐらい前向きに生きてください。お付き合いの成功をお祈りします。辛い事が出てくれば、いつでもハスノハでご相談を!
合掌
質問者からのお礼
釋悠水様、染川智勇様、吉田俊英様、ご回答くださりどうもありがとうございます。まだ涙が出ますが、なるべく前向きに、形は変われど引き続き家族として両親を大切にしたいと思います。