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自殺は止めるべきなのか

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自殺はいけない。

以前はそう考えていました。

実際目の前で自分の命を絶とうとしている者がいたら全力で止めたと思います。

実際には止めてるつもりでも言葉の使い方によっては最後の一押しになるかもしれず、こういう時は中国人のように無関心で居た方が安全なのかもしれません。まぁそれでも「止めよう」とはしたと思います。全力で。

止めるのが正しいのか悩んでいる今でも実際にその場に居合わせたら止めるかもしれません。でもその理由は「目の前で死のうとしている人を放置して実際に死なれたら寝覚めが悪いから」という利己的な理由からであって。以前のように「それが正しいことだから止める」という風には考えられなくなっているのです。

先日「刑務所に入りたいから」という動機で漫喫に立てこもったバカがいました。去年も同様の事件があったと記憶しています。というかもはやそんなに珍しい事件ではないのかもしれません。

もっと悲惨な事件もあります。今年二月に起きた大坂の心療内科クリニック放火事件。動機も空かさないまま犯人は死んでしまいましたが生前「生きづらさ」を訴えていたとと聞きます。生活困窮者で将来の希望もなかったのでしょう。

自分の嫁との関係を疑って相手の家族を殺した挙げ句(相手本人は不在のため殺害を免れる)犯人が自殺、というケースもあります。遺族には恨みをぶつける相手もいません。
そして今回安倍氏を銃撃した山上某。
彼の境遇も悲惨、凄惨です。事情だけ聞けば春原も同情しています。同情せずにはいられません。
これはこれで本心なのですがその上で「こんなことするくらいなら死ねよ」と考えている自分が居ます。
そんなにタヒにたいのなら他人を巻き込まず自分だけでどうぞ、ってことです。

自殺がいけないことだということはよくわかっています。生きるための努力をすべき、ということも。
でも精神やられちゃってそういうことができない人も居るでしょう。そういう人が死のうとしている時に果たしてそれでも止めるべきなのか。
どうお考えでしょうか。

2022年7月15日 12:46

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

そこには、その人が置かれている事情や背景があります。

ニュースになった事件は、最悪の結末になってしまったと、本当に残念でなりません。

私は日頃、希死念慮のある方のサポートをしているゲートキーパーです。死にたい、死ぬしかない、という悲痛な心の声をたくさん聞いてきました。

自死.自殺がどうかという議論より前に、なぜ「死にたい」と思ってしまうのか。そこには、その人が置かれている事情や背景があります。
私は、止めるんだ!と思って活動しているわけではなく、何があったのか、なぜそう思うのか、それほどまでの苦悩を抱えている人にちゃんと丁寧に向き合いたいと思っています。

止める前に、まずは、一番の理解者でいてあげたいと思っています。止めることだけしか見えていないと、ダメだと言う言葉とともに、死にたい(死にたくなる)気持ちすら否定してしまうことになります。それは、その人の今をわかろうともせず、叱りつけ、否定し、追い込む危険があるからです。

誰だって、どうしようもない状況になれば、苦しくて、逃げたくなる、消えたくなる、生きていくことが難しくなることだってあるでしょう。置かれた立場をまずちゃん理解し、その気持ちに耳を傾ける。

そこからなんじゃないかなと思っています。
その人にとって、何が必要なのかを考えるのは。

関わりに正解はありませんし、その人の生き方はその人が決めたらいいでしょう。
それでも、気づいたら、手を伸ばしているのなら、その手を掴んでいたいなと思うのです。そして最後まで、その人の気持ちを尊重したい。

2022年7月15日 19:27
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はじめまして(*^^*) 中田みえです。 教善寺 住職として、母親として、慌ただしく過ごしております。 ◆ゲートキーパー ご相談 駆け込み寺 (訪問は要予約。まずはメールでお問い合わせください) ◆ビハーラ僧、終末期ターミナルケア、看取り、グリーフケア、希死念慮、自死、産前産後うつ、育児、DV、デートDV、トラウマ、PTSD、傾聴、手話、要約筆記、電話相談員、小学校支援員としても、サポートしています。 ◆一般社団法人『グリーフケアともしび』理事長 【ともしび遺族会】運営 毎月 第1金・昼夜2回開催(大阪駅前第3ビル) 14:00〜,18:00〜 お問い合わせ申込⬇️こちらから griefcare.tomoshibi@icloud.com *この活動は皆さまのご支援により支えられております。ご協力をよろしくお願いします。 ゆうちょ銀行 口座番号 普通408-6452769 一般社団法人グリーフケアともしび ◆『ビハーラサロン おしゃべりカフェひだまり』 ビハーラ和歌山代表 居場所運営 問い合わせ申込⬇️こちらから griefcare.tomoshibi@icloud.com ◆GEはしもとサピュイエ 所属 (Gender Equality 誰もが自分らしく生きることができる社会をめざして)DV・女性支援 ◆認定NPO京都自死自殺相談センターSotto 元グリーフサポート委員長(2018〜2024) ◆保育士.幼稚園教諭.小学校教諭. レクリエーションインストラクター 10年間 保育 教育の現場で 総主任として勤めた経験も生かしつつ、お話できることがあれば 幸いです。 いつも あなたとともに。南無阿弥陀仏 ここでは、宗旨を問いません。 まずは、ひとりで抱え込まないで。 来寺お問い合わせは⬇️こちらから miehimeyo@gmail.com ※時間を割いて、あなたに向き合っています。 ですので、過去の質問へのお返事がない方には、応えていません。お礼回答がある方を優先しています。 懇志応援も宜しくお願いします。 ※個別相談は、hasunohaオンライン相談より受け付けています。お寺への いきなりの電話相談は受け付けておりません。また夜中や早朝の電話もご遠慮ください。 法務を優先させてください。
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「死」という選択肢は本当にその人を幸せにするのか。

こんばんは。亀山純史と申します。

確かに今は精神がやられてしまい苦しんでいる人に対して、「そのようなことではだめだ。生きるための努力をもっとすべきだ。」とは言えないでしょう。しかし一方で、そのような人が死という選択肢を選び、その苦しみから解放されたとき、「その人は死後の世界から、自分の人生をどう思うんだろうか。」と私は考えてしまいます。はじめは、「あー、やっと苦しみから解放された。」と思うかもしれません。でも、それがずっと続くかどうかは分かりません。もしかしたら、あとになって、「自分は死という選択肢を選ぶような人生を歩みたくなかった。」と思うかもしれません。そう考えれば、何とかして、この世での生を全うしてほしいと思うのです。

仏教は「一切皆苦」を説き、その「苦」から解放される道を説く教えです。そして、ここでの「苦」に限度があるはずがありません。つまり、「レベル3までの苦からの解放は仏教では出来ても、レベル4以上の苦は仏教では扱うことが出来ません。」などと言うことはないのです。

この世の中には、多くの人が精神的に病んでいます。心療内科の前には、朝早くから何人もの人が並んでいる風景を目にします。私たち僧侶は、医師ではありませんが、私たちも医師のように、一人でも多くの人の心に寄り添い、その苦しみを和らげることが出来るように精進していくべきだと自戒しております。

2022年7月15日 20:49
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hasunohaを訪れてくれた皆さん、こんにちは。私は浄土真宗本願寺派の僧侶です。令和6年3月に、公立高校の教員を勧奨退職しました。その後、縁あって、令和6年4月からは「まちサポ雫石」というNPO法人のお手伝い、また、令和6年10月からは公立高校の非常勤講師をしています。 浄土真宗における僧侶は、仏さまの教えに生き、その教えを伝える者であり、人を悩みから救う能力を有した者ではありません。人の悩みを救う救いの主は阿弥陀さまです。ですので、hasunohaにおける私の回答では、仏さまの教えに救われているこの私の生き方、考え方を、皆様にお見せするだけです。そして私自身、お答えできるご相談の範囲はそう広くはありませんが、皆様のお役に少しでも立てればと思い、回答させて頂いております。

質問者からのお礼

置かれた立場をまずちゃん理解し、その気持ちに耳を傾ける。> 結局の所当事者でないならば「話を聞く」しかないのかな、と思います。
でもいざ自分がその立場になったら多分向き合えないかな、とも思います。

希死念慮のある方のサポートをしているゲートキーパー > 立派だと思います。頭が下がります。そういう方の居ない社会にしたいものです。

以前も御回答いただいたように思います。
ありがとうございました。

亀山純史様、丁寧な御回答痛み入ります。
この世での生を全うできなかった人のことを理解できれば・・・いや、多分できないでしょう。所詮他人のことなどわからない。自分のことでさえわからないのに。
でも考えることはできます。正解に至らなくても。
仏教の「一切皆苦」。言葉としては知っていましたがなんとも深く恐ろしいものですね。

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