鬱の夫との今後回答受付中
夫は10年前より鬱病になりました。
40代で、ちなみに夫の父親も鬱病です。
転職も3回していて、なかなか安定しません。
こどもも思春期が2人いるので、大変です。
いまの職場で目指していた地位につけるかという時に、仕事量の多さでパンクし鬱が再発しました。
身体が重く動かず、辛そうな姿を子どもたちに見せたくはなく、隠していましたが自分の情けなさからなのか泣いてしまったり転んでしまったり手がつけられない時があります。
いままでも何度かそのようなことがあります。
正直疲れました。
やっと家庭が安定する。と思っていた時にまさかの再発。
夫には実家に帰ってもらっています。
今後もこのような不安と隣り合わせで生きていくのが苦痛です。
両親には戻って来てもいいと言われていますが、子どもたちが思春期、そして父親が好きなため決断できません。
住宅ローンも残っています。
離婚した方がいいのか、現状で生きていくか、悩み夜もあまり眠れません。
なにを大事にしたらよいのでしょうか。
やはり子どもの気持ちなのでしょうか。
お坊さんからの回答 2件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
大切な人を尊重するという「生きる」課題を一緒に考える時期
それは心配ですよね。夫さんのことも、お子さんのことも、そしてこれからの生活のこと、いろいろ一人で考えても答えの出ない難しい悩みだろうと思います。
夫さんには、安心できる環境でゆっくり休んでいただきたいですね。夫さんにあまりプレッシャーをかけないようにと思うと、相談もしづらいですよね。自分のせいでと負担に思われるかも知れませんが、家族のこれからを勝手にも決められませんものね。
お子さんも、両親の別居となると、気づいていかれるのではないでしょうか。思春期ではありますが、全く見せないよりも、親の大変さを一緒に共有することで、生きていればいろんなことが起きて、それを一緒に考える「家族」の存在が支えにもなるのだということを、教えていく経験にもなるでしょう。どこまで伝えるかは悩みますが、家族の一大事に お子さんも家族の一員であり、力になれる存在なのだと、あなたや父親の苦悩を分かち合う経験も大切なのではないでしょうか。
離婚を考えるほどの状況なのですから、お子さんにとってもこれは「自分の問題」なのです。
お父さんのために、また家族それぞれのために、同じ問題でも立場が変わるとそれぞれの想いもあり、大切な人(自分も含め)を尊重するという「生きる」課題を一緒に考える時期にきているように思います。
子どものために。その良かれと思うことも、子どもさんにとっては、自分のことをお母さんだけが決めるのも、ちょっと違いますよね…。
大切なことだからこそ、お子さんの気持ちも聞いてあげませんか。そして、あなたの気持ちも、お子さんに聞いてもらいましょう。打ち明けるということは、決してマイナスではありませんよ。家族なのだから、こんな時こそ、支え合って。お子さんにも、しっかりとした考えがあるはずだから。
“共に生きる”を問い直すとき
夫のうつ病の再発、思春期のお子さん、住宅ローン
その重なりの中で、どうすればよいのか分からなくなるお気持ち、痛いほど伝わってきます。真言宗の僧侶として、そして人としての視点からお答えいたします。
1. 「苦しみ」を抱えることの意味
仏教では「苦」とは避けるべき敵ではなく、「気づきの入り口」と説かれます。ご主人の病、家族の疲弊、揺れる心
それらは決して“悪いこと”ではなく、「どう生きるか」を見つめ直すために現れている試練でもあります。今、あなたが「疲れた」と素直に感じていることは、心が正直に反応している証拠です。無理をして「支えねば」と思い続けることこそ、苦しみを深くしてしまう原因になります。
2. 「共に生きる」とは、同じ場所にいることだけではない
仏教では「縁に応じて在る」と説かれます。縁が深い家族であっても、常に同じ場所で共に生きることが“正解”とは限りません。ご主人がご実家で休まれているのも、ある意味で「縁を切る」ではなく、「距離を置くことで、互いが生き延びるための修行期間」とも言えます。
“支える”とは、必ずしも隣にいることではなく、“祈りの中でつながること”でもあります。いま必要なのは「離れても想える関係」を築くことかもしれません。
3. 子どもの気持ちをどう扱うか
お子さんが父親を好きであることは、尊いことです。だからこそ、母親であるあなたが“無理なく立っている姿”を見せることが何よりの支えになります。仏教では「自灯明(じとうみょう)」
自らを灯とせよ、と説きます。
あなた自身が疲れきってしまえば、家庭の灯は消えてしまいます。子どものためにも、まずご自身の心身を整えることを優先してください。それが結果として、家族全体の救いになります。
4. 今できる小さな実践
朝、静かに「今日も感謝」と唱える
苦しいときは、「今この瞬間だけを見よう」と心に言葉を置く
離れて暮らす夫の無事を祈る
5. 「何を大事にすべきか」
結論から言えば、「誰かを守るために、自分を壊さないこと」です。
あなたの慈悲はすでに十分に尽くされています。これからは「自分が生きること」そのものを大切にしてほしいのです。ご主人の病も、子どもの思春期も、必ず形を変えていきます。その変化を信じて、今は「あなた自身の呼吸を取り戻す」時期と受け止めてください。
合掌