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死ぬこと、歳をとること

回答数回答 2
有り難し有り難し 22

はじめて質問させていただきます。

私は今年18歳になる、高校3年生の女です。
通信制高校に通っています。

ここ2、3ヶ月の悩みなのですが、私は自分や家族の死、老いに恐怖を感じています。
あるニュースを見てから、突然感じるようになりました。そのことで体調を崩し、今は心療内科に通院しています。

自分の老いへの恐怖。そして死ぬ時はどんな感じなのか、その後はどうなるのか。考えても考えても当然ですが答えは出ません。恐ろしいです。家族(特に母親)が老いていき、いつか…それを想像するだけで涙が出ます。

誰にでも来るもの。それは十分に理解しています。
だから、今を大事に生きていくしかない…ということも頭では分かっているのです。
ですが、どうしても怖くていられません。
不安でいっぱいで、ずっと体調を崩したままです。泣くことも多いです。

ずっとこの気持ちを抱えたまま生きていくのか…。
心も体も、とてもとても辛いです。
私はどうすれば良いのでしょうか?教えてください。
よろしくお願い致します。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

死や老いの何が恐いのかを大切に

人間は知識として自らが死ぬことを知りながら(死の知)、死とは何か知りえない(死の不知)。
なぜなら死んだ時には私はもういないからである。死は体験できない(死の未知)。それならば、体験することのない死は恐れるに足りないのかというと、そうはならない。未知こそが人間が恐怖するものだからである。

で、あるならば徹底的に死とは何か、老いとは何かを知ることも一つの道かもしれません。

死や老いの何が恐いのか漠然とした恐怖にごまかされず具体的にそれを見つめる。

・死ぬことにより全てを失うことがこわい。
・老いた大切な人から私が忘れられることがこわい。
・老いた私が大切な人を忘れることがこわい。
・老いることで何もかも思い通りにならなくなっていくのがこわい。
・究極的に思い通りにならないから死がこわい。

色々考えられますが、一体何がこわいのか。
こわいということは自分の問題として実感できているということ。中々それができない現代という時代においてある意味幸いに若くしてそのご縁をいただいたとも言えるのではないでしょうか。
この問題が片付いたとき、人生における根本の苦が解決したとも言えるからです。

もし、死や老いを恐れる理由が上記のようなものであるならば、その恐怖を見つめていく中で

・では今果たして思い通りになるものがあるのか
・死や老いによって失われる「私」とはそもそも何か。
・死んだらそれで終わりなのか

といった課題にぶち当たると思います。

この課題について仏教に問うならば、

そもそもこの「私」など空っぽなのだから死んで失われるものなど何もない。私は母から生まれここに存在しているのではなく、それもご縁の一つにすぎない。あらゆる因縁(条件や環境)がととのって私が私として生かされているにすぎない。私がご縁をいただいて生きているのではなく、ご縁が私なのだ。ならば娑婆の縁尽きればこの世を去り、死の縁ととのうならば死んでゆくのみ。死は失うことではなく、死もまたいただいたご縁なのである。そして、この世の縁尽きてもなお滅びない「はたらき」がある。それが無量寿としての私。諸仏としての私。死んでもなお真実を伝え続ける「はたらき」となって私は存在し続ける。それを諸仏と讃えるのである。

といった視点をいただけるのではないかと思います。ぜひその問いを大切になさってください。

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おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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その時まで悩まないで!

ゆゆさんの悩んでおられることは、究極の悩みですね。
誰でもそのことについて、1度ならずとも考えてしまうことです。私も若い頃、考えたことあります。
仏教を開かれたお釈迦様が、最初に疑問に思われたのも、この問題すなわち、四苦(生・老・病・死)です。もちろん悟りを開かれたことで、この問題は解決されたのですが、解決と言っても、これは避けることはできない。いかなる人でも、人間として生まれた以上は、絶対避けられないこと。だから悩んでも無駄だよ。と悟られたのです。
他にもあとの四苦があり、困った時など「四苦八苦してる」というのはここからですが、詳しいことは、すでに、お答えされているかもしれませんので、省略します。

今、ゆゆさんは、人生とは、人間とは何かという立派に成長されている証拠としての悩みです。まだまだお若いのですから、これから、様々な経験をされていくでしょう。もちろん、老いていくこと、病気になること、そしてお身内の方の死を、でも、今は悩まないでください。若いのですから、歳をとったらどうなるのか、なってみないと想像もつきません。
病気になったら、それも人ごとに違います。死についても、その時になったら想像とは違うはずです。なってもないのに悩むのは取り越し苦労ともいいます。
もちろん勉強しておくことは大切ですが、いたずらに恐怖や不安を抱くのはやめましょう。
そこから真実は生まれません。

今は、今の環境、両親に感謝して、楽しく生きてください。
その時がきたら、この問題は解決します。その時まで悩まないで!

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有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにも...
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質問者からのお礼

回答ありがとうございます。

最後の「その時が来たら、この問題は解決する」という言葉に、少し楽になった気がします。
もう少し、色々な経験を積めば何か変わるのでしょうか…。
今はまだよく分からないのでどうしたらいいかもよくわかりませんが、怖いですけど自分なりに頑張ってみようと思います。

本当にありがとうございました。

はじめのお礼のコメントに、お名前を載せるのを忘れてしまいました。申し訳ありません。
鈴木海祥様、回答ありがとうございました。

吉武文法様、回答ありがとうございます。

まだまだ人生経験のない私には、難しいことばかりですね…。この不安や恐怖は解決されるものではないのかも知れませんが、自分の中で何か答えが出ればいいなと思います。

本当にありがとうございました。

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