死ぬ と簡単に言われると…
障害者支援の仕事をしております。人格障害の女性ですが 気持ちが不安定になるとすぐ「死なせてください」「今から死にます」とメールしてこられます。最初のうちは なんとかしなければ と思い必死で向き合っていましたが ほぼ毎日送られてくる「死にます」メールにだんだん憤りを覚えるようになっています。なんでそんなに簡単に「死にます」発言ができるのだろう?本人のしんどさを理解したうえで対応しなければ と思うのですが…軽々しく「死ぬ」発言をする彼女を叱責したい気持ちになってしまいます。気持ちの在りようをご教示くださいませ。よろしくお願い申し上げます。
お坊さんからの回答 4件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
オオカミ少年
昔話でありますよね。牧場の見張りの少年が、「オオカミが来たぞ!」って言って大人を集め、からかう話。
あれの根本的解決は、「少年をクビにし別の子を雇う」なのですが、大人達が毎回ちゃんと反応してくれるから、彼はそれをやり続けたのです。
なぜ個人的なメールのやり取りをしているのか存じませんが、可能であれば彼女に、ここhasunohaを紹介されては如何でしょうか。「死にたい」と来た時の、お坊さんの返し方も、ここでは見ることができますよ。
取り敢えずの策としては、彼女の「死にたい」という言葉は、「暇だから何か返事頂戴」程度に翻訳してよいのではないかと思います。彼女からすれば、「強い、刺激的な言葉を投げなければ、反応して貰えない」と(無意識にせよ)考え、そのように言ってくる…少年にとっての「オオカミが来たぞ」のように。
よりよい策は、彼女が「死にたい」以外のメールを送ってきた時、存分に答えてあげることです。話を弾ませる。「死にたい」が来たらアッサリ「私は寂しいわ」程度に。
「私が無視して、彼女が本当に死んでしまったら…」と貴女はお考えなのでしょう。しかし、そういう関係なのですか?障害者支援とは。貴女ひとりが背負うことではないでしょう。彼女のお母さんでもないでしょう。
即解決…には至らないと思いますが、私も貴女の相談があったことは覚えておきます。良かったら、またどうぞお尋ね下さい。
難しい問題ですね。私はあまり経験が豊富ではないので、正しい対応は分かりませんが、先づはあなたの耳に「死ぬ」と聞こえたら、それを「生きるのが辛い、苦しい」と変換してみましょう。
そうすれば自然に、「何が辛いの?、苦しいの?」、という会話になると思います。
そこでしっかり話を聞いてあげてください。
話をするだけで落ち着くこともあります。
もちろん何か行動しなければならない時もあるでしょう。
彼女の感情に流されないように、しかし、その感情も理解しつつ、あなた自身は冷静に理性を働かせて対応しましょう。
くれぐれも怒らないようにね。
怒らないように努めることは仏道修行でもありますからね。
何か頭にイラっときた時は、修行のチャンスと思ってくださいね。
ご無理のないように
こんにちは。
hasunohaにも、死にたい方からの相談がよく入ります。
そのような時、お会いしたことのない方なので、「質問」と「自己紹介」、過去の質問があればその質問の内容を見ながら、慎重にお答えを入れていくようにしています。時に優しく時に厳しく。
お会いしたことのない方に離れたところからアドバイスをするのは、例えると、宇宙空間に浮かぶ惑星探査機を地球から操作しているような気分です。なかなかアドバイスの通りにして頂けなかったり、音信不通になったり、ハラハラします。
hasunohaですと、たくさんのお坊さんが答えてくれるので、私は答えずにすむことができますが、あなたのように、毎日のようにそのようなメールが個人的に来てしまうのは、気が滅入ってしまいますよね。
小さい子供が、ちょっと疲れたり退屈だったりだったりすると、すぐに「のどがかわいた」といい、親を困らせるものですが、中3に成長した息子に、その心理を聞いたところ、「その時はホントウにのどがかわくんだ」と言っていました。本当なのだそうです。その方も気持ちに重い軽いはあるかもしれませんが、本当に死にたい気持ちはあるのだと思います。とはいってもそれに入り込んでしまったら、あなたの体がもちません。本人の状況を見ながら、あなたの疲れない範囲で聞いてあげれば良いと思います。hasunohaの回答僧のひとりが、「自分の心が充実していないと答えられないよね」とおっしゃっていましたが、本当にその通り。あなただって、いつも絶好調、ドンと来い、って事はないですよね。無理せず、できる範囲でが基本です。
hasunohaには、そんな死にたい方への返し方がいろいろあるので、参考になさると良いと思います。
また、その方にhasunohaを紹介して差し上げるのも良いと思います。
運営サイドとしっかり課題を共有されて下さい
シャムネコ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
昔に精神障害者の授産施設を運営する作業所の社会福祉法人の運営に携わったことがございますが、同じようなことがございました・・
一生懸命に対応しようとすればするほどに、まさにこちらの心身まで病んでしまう・・
やがて冷静な判断能力を失い、対処できなくなる、あるいは逆にかなり怠惰になってしまった時に・・恐れていたことが起きてしまう可能性が高まってしまう・・
拙生が理事長をしていた時は、とにかく自殺ゼロにという消極的な運営にて、何とかやり過ごしましたが、安定した運営こそが自殺ゼロに繋がるとして、あまり恐れ過ぎずに、もっと運営に重きを置くべきであったと今では反省致しております。
とにかく過度に一人の職員に負担・ストレスが集まらないようにする措置が大切となります。
特に、私用携帯のメールや番号は決して教えてはいけないでしょう。あの現場においての公私混同は、余計な負担を増大させるだけです。しっかりと仕事とプライベートは分けることです。利用者さんとのやりとりは、施設の携帯の引継等にて各職員が対応していくべきです。夜間は輪番での持ち回りが必要かもしれませんが。また、その方が色々な問題の共有にもなりますので。
そのあたりは運営サイドとしっかりと協議して、少ない職員の中であるかとは思いますが、何とかバランスを保つことが重要となります。
それとあまり萎縮し過ぎないことです。正直、拙生は萎縮し過ぎました。最悪な自殺さえ防げればと・・結果として、拙生の勇退後には、その萎縮の影響もあったのか、法人・施設共にかなり低迷していってしまったようです。
とにかく運営サイドと現場サイドとの意志疎通・連携が大切となります。問題と感じておられることを運営サイドとしっかり共有して課題解決に努められて下さいませ。
善処を祈念申し上げます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
佐藤様、聖章様、光禪様、川口 英俊様、早くのご回答ありがとうございます。私は相談専門員で 毎日 たくさんの方とメールや電話でやりとりをし、相談や福祉上の手続きについての説明等を行うことを業務としております。個人的なやり取りではなく、仕事としての相談のなかで 精神的に不安定な方は 一日に何度も連絡があります。他の方も「手首いまから切るよ」「包丁持ったよ」などの発言が見られますが 彼女の「死にたい」はそれとも何か違う感じがしていました。皆様のお答えを繰り返し読ませていただいたなかで つい先ほど 「そっか!基本はやっぱり構ってちゃんなんだ!死にたい は注目してほしい気持ちと逃げたい気持ちが混ざった結果の表現なのかもしれない。パーソナル障害の最も基本のところだな」と唐突に感じて 肩こりがほぐれたような(^^;)なんともすっきりした気持ちになりました。今回 自分の気持ちの余裕がなくなるとこんな感情が出てくることがわかりました。自身の心身管理をきちんとしなければいけないことを教えていただき 本当にありがとうございました!