hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

お盆とはなんですか?

回答数回答 3
有り難し有り難し 26

こんばんは。
いつもありがとうございます。

今日はひとつ質問をさせてください。

49日の法要で、新しい位牌に主人の魂をいれていただいたと聞き、
今もこうして、同じ家に一緒にいるのだと考えていました。

昨日、提灯を出しお盆の準備をしながら、ふと思ったのですが、
なぜお盆になるとお墓に主人を迎えにいくのでしょうか。位牌にいるものだと思っていたので、なんだか不思議です。
ちなみに、昨年の新盆は、初めてのお盆は家に帰れない??とかで、お迎えに行きませんでした。

これまたよく考えると不思議です。

位牌やお盆、お墓、遺骨とは、どのような意味合いなのでしょうか。

初歩的な質問で、申し訳ありません。
何となく、気になりだしてしまいました。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お墓から始まる世界平和

最近、歴史の教科書がドンドン変わっています。実は仏教学も変わっています。盂蘭盆(ウラボン)の言葉の由来も変わりました。儒教由来の行事で、やってるのは中国と日本くらいだというのも嘘でした。仏教学以前の伝統の方が正しかったのです。20世紀のお盆の常識は一度、全て点検されねばならないでしょう。

さて、お盆のお寺の大法要で供養されているお位牌は、餓鬼ではなく三界万霊です。三界万霊とはあらゆる世界の全精霊のことです。精霊(しょうれい)と言っても幽霊ではありませんので『世界そのもの』と言っても良いでしょう。私たちのご先祖さまは土に還り、あるいは火葬で天に昇り、世界そのものに帰ります。
そうした時に実は本来、お墓参りはご先祖さまに帰省してもらうのではなく、お墓を掃除したり供物をして『お世話をする』のが本義です。詳しくは下のリンクへ。位牌とは?お墓とは?にも回答しています。
https://hasunoha.jp/questions/16820

8月盆の時期は雨が少なくダムの無い時代は稲作に怖い時期だったでしょう。また、お寺のお盆の法要で小さな旗が配られ、田んぼや畑に立てておくと虫除けのお守りになるという風習が昔はありました。そう考えると上のリンクの内容はお盆にマッチしていると思えます。

また、春彼岸、お盆、秋彼岸、年末年始の年4回のサイクルの中で、お盆はもっとも草が伸びやすく、しかし暑くてしんどい時期です。古来、日本では田植えなどの重労働はお祭り化し、皆で楽しみながら乗り切ろう!という伝統があります。お盆のお墓参りもその一環でしょう。

ご先祖さまに帰省してもらうということは霊的に帰ってもらうことではありません。私達が故人の人生や言葉に想いを回らし、お寺で法話を聴き、改めて自分の生き方を考える機縁にしましょうということです。
参考: https://hasunoha.jp/questions/3758

さて、儒教では三魂七魄と言い、魂は三つ、魄(骨)七部位あると考えました。魂は1つって誰が決めたのでしょうか?実際、ウチの宗派のお檀家さんのアンケート調査では、ご先祖さまがお墓にいると考える人が4割、お位牌にいると考える人が4割、残りがお寺や浄土にいると考える人とその他だったように記憶します。ひょっとしたら本当にお墓とお位牌とお寺合わせて3つの魂があるのかもしれませんね

{{count}}
有り難し
おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
このお坊さんを応援する

家族と一緒に過ごす時期

宗派や地域によっても色々ありますね。
浄土宗的には、亡くなられた方やご先祖様は普段は極楽浄土にいます。彼らは仏様になる修行をしているのです。そして、その修行により六神通という力を身に付けています。その力でどこにでも瞬時に飛んで行くことができるのです。
ですから、お位牌やお墓の前で手を合わせて念じたり話しかけたりすれば、いつでも瞬時にそのお位牌やお墓を拠り所として目の前に来てくださるのです。
また、お盆はとても歴史がある風習です。
一説には、今の日本のお盆は、インド、イラン、中国、日本の文化が合わさった形になっているようです。これは仏教が伝わる先々でその土地の風習の影響を受けてきたからでしょう。
インドでは餓鬼事経にあるような過去世の母への供養から始まり、イランではウラバンという先祖供養(先祖が家に帰って来て一緒に過ごすので食べ物を供える)の風習と合わさり、中国では盂蘭盆経に改めて纏められ、さらに日本では、古来の魂祭という山(亡くなられた方は山に帰ると思っていたのです)からお盆の時期にご先祖様が家に帰ってくるという風習と合わさり、結果的に今のような形になったといわれています。
迎え火や送り火は日本の古来の風習から来ています。その火を目印にご先祖様が山から帰ってくることに由来しています。提灯は迎え火や送り火の代わりです。
つまりお盆はあの世からご先祖様が家に帰ってきてしばらく家族と一緒の時間を過ごす、ということであります。
浄土宗的には、ご先祖様は極楽浄土から帰ってくるとされています。(前述したように、いつでも来れるのですけどね)
ちなみにお供え物にキュウリで作った馬を置いてご先祖様に馬に乗って早く帰って来てください、ナスで作った牛を置いて牛に乗ってゆっくり帰ってください、というのも日本の古来からの風習のようです。

{{count}}
有り難し
おきもち

私は浄土宗の坊さんです。 少しでも何か参考になればと思って回答しています...
このお坊さんを応援する

位牌、お盆、お墓、遺骨、、、どこか一箇所に ずっといる、、、というより
いくつもの居場所を持っている。と、とらえたら いかがでしょう。
本宅に加えて、いくつも別荘を持ってて、そのときどきで、好きなところにいるんですよ。生きてる私達のように、どこでも動きまわれる。そう考えたら、それぞれは単なる家や、居場所にすぎないと、私は思ってます。

{{count}}
有り難し
おきもち

質問者からのお礼

大慈様。聖章様。

ご丁寧な回答ありがとうございました。

お墓参りから始まる世界平和なんて、ほのぼので素敵ですね。お墓に行く機会は、その家族によって確かに様々なのでしょうね。お墓を掃除したり、故人を思い出しながら話をする機会を作る意味もあったのですね。

私は主人は家にいてくれていると思うことから、なんとなくお墓に行くことが、意に沿わない気がしていましたが、遺骨を納めている場所であり、そこで念じることでも、主人と会えるということならば、たまにはお掃除をしたりして、丁寧に扱わなくてはならないのだなとわかりました。

お二人とも分かりやすくご回答いただき、ありがとうございました。

禅僧むらた様

わかりやすい回答ありがとうございました。

何ヵ所かある。そういうことなのですね。
送りお迎えとなると、どこかへ行ってしまうのがなんだか寂しくなりまして。

主人が早く亡くなったこともあり、主人の実家にご先祖様のお位牌、主人の位牌だけこちらにあります。お迎えに行って帰る方向をそれぞれ間違えたりしないだろうかなんて考えてしまいますが、現れてくれる場所が何ヵ所かあるとするなら、問題ないですね。

ありがとうございました。

「お盆・お彼岸」問答一覧

お彼岸のお参りに行くか迷っています。

もうすぐお彼岸ですが、納骨堂にお参りに行くかどうか迷っています。 去年まで、お彼岸はお参りに行かなければという思いでお参りに行っていました。しかし、最近、自分の子ども時代を思い出し、父方の祖父母からあまり可愛いがられなかったと思うことが増え、祖父母の納骨堂に行くと、心の中で文句やひどい言葉ばかり出てきたり、感謝の気持ちがしっかりと持てず、上辺だけの言葉を並べてしまいそうで行くのを躊躇しています。 子ども時代ではなく、今現在見守っていただいていることに対する感謝を言葉にすることも考えましたが、心の中は黒々しているし、見られて喜んでもらえる生き方など全くできていないので、見守られていると感じると恥ずかしく感じています。なのでこれからも見守ってくださいなんて言葉も言えません。 祖父母に感謝しなくてはならないのにしっかりとできていないのも申し訳ないです。 こんなこと思っているのが酷いのですが、毎年お彼岸を憂鬱に感じていて、お参りに行くのが嫌だと感じてしまっています。ですがお彼岸なのだから行くべきなのではという気持ちもあります。 アドバイスをよろしくお願いします。

有り難し有り難し 7
回答数回答 1

お彼岸に仏様に手を合わせたいです。

お坊様にはいつも大変お世話になっております。 今年89歳になる実家の母についてご相談させてください。 母は認知症とは診断されていませんがかなり妄想が激しくなりました。 ・私が母の服を勝手に3着持って行ったまま返していない→現実は私は母の服をさわってもいない。母の妄想です。 お彼岸なので「仏壇に手を合わせに行きたい」と実家の母に電話をした所、「あんたが家に来ると大事な物がどんどん無くなるから来ないで!」と言われました。→私は今までに勝手に実家の物を家に持って帰った事は一度もありません。それをしていたのは私の姉です。私ではありません。 今回実家の仏壇に手を合わせる事ができなくなりました。悲しいです。子どもの頃からお彼岸、お盆にはお墓参りを欠かさずしていました。恐らく母が生きている間は私は実家の仏壇に手を合わせる事はできないと思います。 お墓参りをすれば良いのでしょうがお墓は姉が掃除をしていない為、荒れ果ててしまいました。私がお墓掃除をすれば良いのかもしれませんが実家から電車、バスを利用して一時間以上かかる場所に住んでいる為ホウキやバケツ等を持って電車に乗るのは難しいです。 姉とは縁を切っております。 今後、どの様に仏様に手を合わせたら良いのでしょうか?どうか教えてくださいませ。

有り難し有り難し 15
回答数回答 2

お盆について。

いつもご相談を聞いて頂き、ありがとうございます。今回は、お盆の事について教えて頂きたいのですが…. 我が家は本家の為、仏壇があります。 お盆は、12日夕方にお墓参りに行き15日にご先祖様を送って行きます。 お盆の間は、朝に精進料理を作りお供えします。 おちゃと?茶湯をしに、親戚の人も必ず我が家に来られます。 このおちゃとが、私には嫁いでからの経験でした。主人の祖母が言うには、おちゃとをすればする程良い。お盆は、おちゃとを何回も何回もするのだと… 祖母が生きていた時は、皆のおちゃとの回数をチェックしていました。あの子は、今回はおちゃとが足りないとか。 私にも、あんたのおちゃとの回数は、少なすぎる!とか… 祖母が亡くなってからは、親戚の人も、お盆中に一度程度おちゃとをしにくらいになりましたが… そんな事もあり、私はおちゃとが苦手で好きではありません… 長男嫁の私は、お盆は本当に忙しく、ゆっくりおちゃとなどしている時間はないのです。 しかし、義父や主人は、おちゃとをしない私を罵ります。今にバチが当たる!と。 本当に私はバチが当たるのでしょうか?笑笑 また、お盆中はずっと精進です。肉魚を口にしてはいけません。若い食べ盛りの子供がいるので、正直精進は無理です。 愚痴っても仕方ありませんが、毎年お盆が苦痛です。ご先祖様には申し訳ありませんが、私なりに出来る事をする事で供養になりませんか? やはり、最後には、バチが当たるのでしょうか…

有り難し有り難し 27
回答数回答 2

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ