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無一物

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有り難し有り難し 33

無一物の意味がいまいち理解できません。
何ものにも囚われるなという意味のようですが、仕事とかあるし、囚われない自由な生き方なんて出来ないと思うのですが…
そういう意味じゃないんですかね??

どこ読んでも小難しくわかりずらかったので端的にわかりやすく教えて頂ければ幸いです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

無とはあるがまま

そこに魚がいる。それだけ。
あれは錦鯉だから良い魚。これはイワシだから安い魚って価値観の上塗りをしない。
魚がいる。それだけ。

あそこに鳥がいる。それだけ。
あれはキジだから立派な鳥。あれはカラスだから不吉の鳥とか勝手に見なさない。
鳥がいる。それだけ。

それが無一物。

世界には「良いもの・悪いもの」、「好きなもの・嫌いなもの」なんて存在しません。それらはすべて自分の頭がレッテルを貼っています。仏教ではそのレッテル貼りが苦の原因とされています。
そのレッテル貼りをしなければ心の中の苦生産工場が動かない。

仕事は仕事で頑張りましょう。でも仕事する中で自分勝手に選り好みしたり自分ルールを作っている自分に気付くと、仕事が楽になるでしょう。

そんな感じです。無とは「何もしない・何もないnothingのことだ!」と書いてる解説は仏教の解説になっていない俗論なのでスルーしましょう。

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有り難し
おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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「全ては、縁起し空である」

あか様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「無一物」とは、端的には、「全てのモノ・コトには実体が無い」、「空」ということの一表現であると解しております。

「全ては、縁起し空である」

まあ、因縁(原因と条件)が調えばあり得ているものであるものの、因縁次第で変化し、生滅するもので、永久永遠に変わらない独立自存としての何かがあるわけではないというところになります。

そして、よく勘違いされるのが般若心経にもよく出て参ります「無」を「絶無」、「虚無」と捉えてしまうことです。

あくまでも仏教が否定するのは、「実体」であり、存在しているそのものまで、何もないのだと否定しているわけではないのであります。

拙生も、あか様も、今、現に存在しています。存在していますが、それは、色々な因縁、他に依ることによって存在できているものでしかない、ということなのであります。

モノも、因縁により持てるものになっているにしか過ぎず、因縁次第では持てなくなることも当然にあり得るのですよ、という感じです。

是非、「空」や「縁起」ということについても学んで頂けましたらと存じます。

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有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

回答ありがとうございます。
無一物とは、簡単には表現し難いものなのですね。
あるがままにという理論で解釈することにしてみます。

ありがとうございました。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ