他の宗教にはない仏教の良さとは
私は人の価値観や思想、行動に大きな影響を与える「宗教」に興味があり、その中でも仏教の思想が好きなので今まで仏さまを信仰してきました。
しかし、さまざまな意見を見聞きし、調べる中で、どの宗教も一長一短で私にとって良いなぁと思う面もあれば、あんまりだなぁと思う面もあります。そして、仏教にも少し不信感が芽生える時があり、悩んでいます。カルトや新興宗教のようなものは一旦おいておいて仏教について考えたとき、原始仏教は哲学のようですが、現在の仏教は極楽浄土や阿弥陀如来など空想上のものに頼りすぎている気がします。もちろんそれによって私も救われた時がありますし、救われる人も多いのだと思いますがどうしても信じきれません。
キリスト教においても私はイエスの存在を信じきることができずに合わないなぁと感じました。私に仏教は合わない宗教なのでしょうか。また、お坊さん方から見た仏教の良さを教えてください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
事実に頷く
仏教にしろ他の宗教にしろ、
何かを私が信じる・信仰する
というならば、それって結局、自分・自分の価値観・自分の都合を信じていることになるのではないでしょうか。
極楽浄土に往けるから阿弥陀仏を信じる、病気が治るから薬師如来を信じる、受験に受かりたいから学問の神を信じる…〇〇は存在すると私が思うから〇〇を信じる
それって神仏を信じているのではなく私を信じているのでしょう。
「明日の降水確率は10%でしょう」という天気予報を聞いて「明日は雨が降らない、晴れだな」と私の感覚・知識で予想する。私の予想に照らして確率が高いから信頼できるというのとあまり変わりません。
その信では、実際明日になって雨だったら「信じてたのに!裏切られた!神も仏もない!」となってしまいます。
そうではなく、今日、いや、今・ここで「今日は晴れやで」と聞いて、実際に晴れの中にいた私が「まさに晴れでございました。疑いようもありません。」とうなずく・頭が下がるのが仏教の信ではないでいしょうか。
言うまでもなく、ここで「晴れ」が指すのは私の生きる理想や都合ではなく、生きるこの身の「事実」です。
あんたら人間はこういう傾向があるんや!こんな風にしがちや!自ら苦しんでるのとちゃうんか!?物事には原因があるんや!勝手な妄想ばっかすな!わからんことはわからんと認めろ!
というような事実という真実を突きつけられるのが仏教かと。私が信じるのでなく、私の事実が言い当てられるのです。
わけわからんものを闇雲に信じる教えではありません。
なお、それは浄土や阿弥陀仏であっても同じことです。それぞれが指し示す事実があるのです。真実を伝えようとするはたらきがどんな手段をとるかで様々な表現があるだけでしょう。
まあ、そのへんは話すとややこしくなりそうなので割愛します。
※なんか力が入ると関西弁になるクセがありますが、これも私の表現の一種です。
原始仏教から部派仏教へ、さらに上座部仏教、大乗仏教へと、仏教の教えは時代とともに場所やそこに住む人々とともに移り変わってきました。
その為仏教の教えは八万四千の教えがあると言われるほどたくさんあります。
しかし、仏教徒だからその全てを信じる必要がある、というわけではありません。
あなたが納得できる教えを選び取ればいいのです。
何を選ぶのか、それは人それぞれ、また同じ人でも状況で変わることもあるでしょう。
あなたが今信じることのできる教えを信じたらいいのですよ。
「現在の仏教は極楽浄土や阿弥陀如来など空想上のものに頼りすぎている気がします。」
キリスト教でも仏教でも、ある境涯に至ると聖霊(キリスト教)あるいは霊応身(仏教)に目覚めて、イエスあるいは阿弥陀如来の臨在を実感します。
したがって実際には空想ではないのですが、単なる教義として空想で語られることが多いですね。
仏教の良さは実感に至るための方法論がある程度はある(妙な表現ですが)、ことではないでしょうか?
キリスト教だろうと仏教だろうと哲学だろうと実感がなければ、学問または思い込みに過ぎないですしね。
仏教の良さ(拙私見)
琥珀様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「仏の存在性論証」(全知者証明)は、まさに仏教においても一大事でありました。
是非、仏教の認識論・論理学、特にダルマキールティ大師の論著類からも学んで頂けましたらとは存じます。
まずは、「シリーズ大乗仏教 認識論と論理学」(春秋社)からでも。
「他の宗教にはない仏教の良さ」とは、あくまでも拙私見となりますが、
押し付けがましさがない、他を無理に排除しようとしない、相手に応じての配慮、優しさがある、などになるでしょうか。。
結構、宗教は、「自分のところが一番だ」と、他と比べての優位性を主張し、独善的、排他的、攻撃的となりがちなのですが、仏教はそうでないところが良いところなのではないかと思っています。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
吉武文法さん、ご回答ありがとうございます。なかなかに難しいですね。私が何か予想するような曖昧なものではなく、そのまま事実を教えてくださっているということでしょうか...。もっと勉強します。ありがとうございました。
三宅 聖章さん、ご回答ありがとうございます。確かに調べてみると本当にいろんな宗派や種類がありますね。自分なりに納得できる教えを探してみます。ありがとうございました!
遠藤喨及さん、ご回答ありがとうございます。仏教と学問的な考えを混合していたのかなぁと思います。いつか私も仏さまの臨在を実感したいです。ありがとうございました。
川口英俊さん、ご回答ありがとうございます。確かに仏教は他の宗教よりも暖かく全てを受け入れてくれている感じがします。紹介してくださった本、読んでみます。ありがとうございました!