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子供の大学

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今春子供が大学受験を終えました。結果は受けた学校5校全てから合格をいただくというものでした。特に最難関と言われている学校Aにも現役合格し、親戚一同みんなで喜びました。 とうとう我が家からもA大生が誕生した!という具合でした。
ところが進学先を決定する時になって、子供がAではなくCに行きたいと言い出しました。 Cもいい学校ではありますが、AやB大学に比べてしまうとだいぶレベルは下がりますし、学費も割高なのです。Cに行きたい理由も子供っぽいものでした。学校の雰囲気などが理由です。しかし、夫婦でも相談し子供の選択を尊重しサポートする形でCに進ませることにしました。 とはいえ、心の中にある残念な気持ちがどうしても消えません。 この気持ちとどう向き合い消化したら良いのかわかりません。 どうぞお知恵をお授けください。お願いします。


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

人生の選択に絶対は無い

 まずは合格おめでとうございます。2月3月ごろ、このhasunohaには受験で失敗したご本人や御両親からの相談がたくさんあります。そういう方々から見れば、贅沢な悩みに見えるかもしれません。でも、合格した中でどの大学に入学するのが良いか、最終的には本人が選択することなのかもしれません。親から見て子供さんの選択が正しいかどうか疑問に感じ悩むのは当然だと思います。心配ではあるけれど、子供さんの意思を尊重したことは良かったと思います。と言うよりも、「意思を尊重したことが良かった」となるように子供さん御自身が頑張っていくことが大事だと思います。

 昔話で申し訳ないですが、私は大学生の頃高校生の家庭教師をしていたことがありました。教え子の高校2年までの成績は、5段階評価で3を切ってました。3年から真面目に受験に取り組みましたが、現役の時は全滅で、浪人しました。東京の私立の上位は駄目でしたが、最終的にした関西の私立のトップと言われる大学と東京の由緒ある私立に合格しました。偏差値的には関西の私立の方が高かったけど、東京の私立に入りました。そこでちゃんと勉強したかどうかは怪しいけど、自主映画の製作をしたりイベントを開催したりする大学生活を送っていました。本人にとしては「自分の選択は正しかった。」と言ってました。

 昔も今も社会や企業は偏差値の善し悪しで大学を比較し、学生を比較すると思います。限られた時間と回数で新入社員となる方の能力を効率的に的確に判断することは難しい。それ故、現在でも偏差値と言うフィルターをかける場合があるようです。就活でエントリーシートを出す際に、A大学は無条件で面接するけど、C大学は特定のゼミ生だけなどという事態があるかもしれません。でも、子供さん本人の選択したことですので、それぐらいのことは覚悟し、それぐらいのことは乗り越えていかなければならないでしょう。
 今の時代、大学のホームページを見れば、どんな教授が居て、どんな研究をしてどんな論文を書いているかがわかります。事前に情報は得られます、でも実際に講義やゼミを受けてみなければ、わからないことも多いです。今回の選択を正解にするかしないかは、子供さんが大学生活の中で誰に出会い何を学んでいくか次第です。大学の選択で人生が決まるのではありません。選択を正解とするように、本人が頑張るしかないでしょう。

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 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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親のプライドよりも本人のやりがいある人生

まずは、お子さんの子育ての卒業、おめでとうございます。
あなたは子供はA大学合格した、B大学にも合格したと吹聴すればいいのですよ。
どうせ自慢しても嫌われるだけですから、秘するが花でしょうが。(笑)
あなたがどこかで世間の評価を大事にしている生き方をしているからイカンのだと思います。
お子さんはお子さん。
大学はどこに行こうがダメな人はダメです。
幸せな人は大学行かんでも幸せです。
お子さんはあなたではありません。
人生はキャリアではありません。
自由にさせてあげて、本人が本当に幸せになるべく見守ることが親の役割です。
過干渉でいつまでもわが子我が子していると本当に大きくなれません。
あなたはあなたを生きなさいよ、ということなのです。
いくら可愛い我が子とは言え、お子さんの生命はお子さん自身の生命です。
人生において大事なことは学力やキャリアよりも…「 」です。
「 」が分からないからあなたは空虚なのだと思います。
ちょっと、考えてみましょう。
あなたは世間の人がうらやむような大学にお子さんがあれもこれも一流大学に合格したのに幸せじゃないでしょう。
何故でしょうか。
この問題は実はお子さんではなく、あなた自身の人間性の問題だということです。
あなたがこの年にして初めて人間の幸せとは何かということをお子さんではなく自分自身に問う時節がようやくやってきたということでしょう。
お子さんは幸せな人生をお子さんの年齢ですでに見出されています。
倍ほど生きているあなたは今、何をされていますか。
厳しいですが、こういうことを言ってくれる人はいません。
これは大学の勉強よりも大事な勉強のはじまりです。
今答えを安易に出すことはあなたの為にならんでしょうし、安易に解決しようとすればあなたにとって最も大事な問題を台無しにしてしまいますので、真剣に考えるべきことです。
愚かなる人は、こういう機会に自分に向き合わずに惰性で安易な答えを求めて自己正当化して終わりましょう。
なぜ、この世に覚者の教えとして尊ばれているものがあるのか。
あなた自身の人生における本当の学びは今、始まったばかりです。
優劣、勝ち負け、損得…そういう価値観だけで人生をみないことです。
もっと大事なことがあるということをお子さんが今まさにあなたに教えてくれているではないでしょうか。

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大学は職業訓練の場ではありません。

現在大学で研究している身として常々思うことは、大学は就職活動の一環ではないということです。実社会では得られない様々な人類の英智に触れて視野を広げること。結果的にあらゆる世界の変化に対応し、新しい発想を生み出せる人材を作ること。仏教でいうところの俗な執着から離れ、まさに中道精神を学ぶ場であるといえます。
 どれだけ自由に好奇心を解放できるかが大学と大学生の価値。故に「環境」というものは非常に重要です。校風を愛せるのか、何に興味があるのか、どんな先生がいるのか。
 お子さんはかなり優秀そうなので杞憂ではありますが、お子さんに学問への気概が感じられないのなら、今一度問うてみるのもよいでしょう。その大学で"元を取る"覚悟があるのか。

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学力は証明できた。鶏口牛後。

難関大学にも合格できたというのは、学力の証明として宝物になるかもしれません。

お子さんがC校を希望した本心は、もしかしたら親にも話していない理由があるかもしれません。

いずれにせよ、牛後(牛の尻尾)になるより鶏口(鶏の頭)になる方がよい、という考え方もあります。
C校の中でトップレベルの活躍をするという生き方もありではないでしょうか。
お子さんの今後のご活躍が楽しみですね。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。

皆様からのアドバイスを子供にかいつまんで話したところ、「どこに行こうと置かれた場所で頑張れ!ってことじゃん。わかってるよ。」と申しておりました。 世間の評判や偏差値に惑わされることなく自分の道を選んだ子供は私が思うよりしっかりしているのかもしれません。つい昨日までオムツをしてたような気がするのに大きくなったものです。
私自身はどちらかというと放任主義で、子供になにかを押し付けたことはこれまで一度もなく、逆にやりたいと言うことは自由にやらせてきました。 子供には夢があり、その通過点としての大学進学でしたので、親としても出来る限りのサポートをしてきました。 生活環境が若干変わっていたこともあり、勉強以外の負担もある中、目標に向かって乗り越えてきました。その努力をそばで見てきたので、目標が叶ったのに突然軌道修正が入り、驚き戸惑ってしまった次第です。本人はあっけらかんとしたものでしたが。

家族外の方に相談したことで、おかげさまで気持ちも落ち着いてきました。
これからも子供の自立心を尊重し、見守って行きたいと思います。
お時間をとっていただき、ありがとうございました。

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