仏教の心を常に忘れないためには
こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。
ここのサイトで仏教を知り、諸行無常、諸法無我や、執着しないことなどを知り、これは素晴らしいものだと感動しました。
実際にこの思想で生活すると、毎日が濃い1日となっているように感じられ、とても嬉しいです。
ですが、本当に苦しい時に、これらの教えが思い出せなかったり、気づかないうちに執着してしまったりするのがとても不安です。
仏教の心を忘れないために、何か私にもできることがあれば教えてください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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仏道を歩む動機付け
「悪い事をせず,善い事をする」ということが容易に理解できたとしても,このことを常に心に留めて生活することは容易にできることではありません.また,仏の教えは理解できたとしても,それを忘れず,それに従って行動することはなかなか困難なことです.そこで,仏の教えを心に留めて生活するためには,その動機付けが必要になるのです.
ほとんどの人は「やがて死が来るだろう」と思ってはいても,普段は「まだ死なない」という思いを持っています.それゆえ,死後の世界を考えることなく,今生の楽しみのみを考えがちになるのです.そこでまず必要なのが,「いつ死ぬのか分からない」という思いを起こすことです.そして,「いつ死んでもいいように行動しよう」と心がけるのです.
次に,我々は輪廻の世界に生きていることを考えなければなりません.我々は,天,人間,阿修羅,畜生,餓鬼,地獄のいずかに生まれ,そして死に,またいずれかに生まれ変わるということを繰り返して,今人間界にいるのです.そして,今生を終えたら,必ずいずれかに生まれ変わります.
輪廻世界にいることが理解できれば,「死後は三悪趣(地獄,餓鬼,畜生)に生まれ変わりたくない」という思いを起こす必要があります.そのためには,地獄,餓鬼,畜生がどれほど苦しい世界であるか想像してみると良いでしょう.
三悪趣に生まれ変わりたくないという思いを起こしたら,次は業と果を考察しなければなりません.我々は,自らの行いに応じて,その結果が身に降り注ぎます.善い行いをすれば,それが善業となって,好ましい結果を享受できます.逆に悪い行いをすれば,好ましくない結果が身に起こります.このように,業により果があるということを理解しなければなりません.
業と果の関係性が理解できれば,次は善い行いとは何かを考える必要があります.仏教で善い行いとされる基本的なものは,十善業道にまとめられます.十善業道とは,不殺生,不偸盗,不邪婬,不妄語,不綺語,不悪口,不両舌,不貪欲,不瞋恚,不邪見です.
仏の教えを忘れそうになったら,この一連の思いを起こすと良いでしょう.そして,これらが完全にできるようになったら,輪廻世界から解脱したいという思いを起こし,さらに一切衆生を救いたいという思いを起こして菩薩の道へと上っていき,徐々に執着もなくなってくるわけです.
考え方を学ぶのではない
仏教は考え方ではないということです。
物事の捉え方を学ぶことではない。自分のことをよく知ること。自己を究明することです。お釈迦様もそうして自分を知りました。そしてすべてのことを明らかにしたのです。
仏道とは、24時間あなたの体で学ぶ道です。法を頼りにしつつ真理を見極めるのです。
目の働き、耳の働き、鼻の働き、舌の働き、身体の感覚を使い、今ココで起きていることを知るのです。自我働きではなく、リアルを。
今私の周りでは朝からセミがジージーと鳴いています。その事実のままに、そちらを大切にするのです。セミだとかうるさいだとか耳は言いませんからね。それはジブンというエゴの働きですからね。そちらではなくじじつにいきるのです。
毎日のお勤め
けい様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
拙生も、行住坐臥、一日中に常に仏教を意識できて過ごせているわけではありません・・
やはり、煩悩が生じてしまうこともありますし、それによって悪い行いをしてしまうことだってございます。
それでも、仏教をできる限りに日々意識して継続できるように、毎日欠かさずにお勤めを行っているのであります。
拙生の場合は、密教の六座上師瑜伽、灌頂成就法などとなります。
密教の灌頂を受けてからでなければできない行法もございますが、出家在家に拘わらずにお勤めができるものであります。
どのようなお勤めがあるのか、興味がございましたら、下記の著書を参考にされて頂けましたらと存じます。
「チベット密教 修行の設計図」(齋藤保高先生・春秋社)
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
素早い回答ありがとうございます!
やはり特別何かがあるわけではなく、毎日修行するからこそ仏教が体に馴染むんだなと思いました。
まだまだ知らないことがたくさんあるようですし、仏教をもう少し学んでみます。
本当にありがとうございました。