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忍辱と苦行の違いは?

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有り難し有り難し 26

 いつもお世話になっております。
苦行は推奨しません!だけど、忍耐も忘れずにね!!
という教理に疑問を抱きました。

 仏様なら神通力や体の構造云々で、何をされても言われても
平気の平左かもしれませんが、私たちは生身の生き物です。

 撃たれたり刺されたり、毒ガスを吸い込んだりしたら死にます。
妊娠もするし、性病にもかかります。
 怪我の程度では、後遺障害も残ります。
 脳と体は一対ですので、悪意の人の行動で二進も三進も
行かなくなることもあります。

 忍辱って何…?ずっと疑問です。逸話などを聞くと、
殴られても耐えるとか、甚だ物騒なエピソードばかり…

 自分の弱さを受け入れて、修正する努力をするのが忍辱?
 風邪気味で耳鼻科行ったら、鼻に管やら長い綿棒やら
突っ込まれるじゃないですか。痛いじゃないですか。
でも、治療や感染拡大防止のため…

 余裕ぶっこいて、わざわざ危ない所に突っ込んでくのが苦行?
 私自身の体験談で、とある所のデーケアで、
「ロータスの信条が気に入らん」ってんで、必要な教育を
受けさせて貰えなかった。それどころか通所日減らされたり。
 ちなみに他の利用者も嫌がらせを受けてました。

 結局私は、本庁に通報し、今は別の施設で修行しています。
この後、この施設は本庁の偉い人からキッツイ指導を受けた、
と本庁の人から聞きました。

 この、推奨される忍辱と避けるべき苦行の違い、
5年以上考えても疑問です。
 「ピーマンと青酸カリ」みたいな感じなんでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

怒りながら我慢するのではなく、怒りから覚める

忍辱は、怒らないという意味ではないでしょうか。
怒りながら我慢するのではなく、怒らないようにする。怒ってしまった場合は早めに怒りから覚めるようにする。
内心で文句を言いたいと怒りながらも文句を言わないように我慢するのではなく、
文句を言いたいという怒り自体をなくすのです。
苦行とは、わざわざ肉体を痛めつけたり、断食したりして、意図的に苦痛を求める修行です。
仏教は、苦行を推奨しません。しかし、生きることには必ず苦があると気付くのが仏教です。
どこに行っても苦があるとわかれば、目の前の苦に対する怒りが冷めます。
完璧な人間なんていないとわかれば、目の前の人がハチャメチャな人でも、その人に対する怒りが冷めます。
完璧を求めない、思いどおりにならなくて当たり前、だから怒っても仕方ないと気付く。
完璧なお寺もない、完璧なお坊さんも完璧な信徒もいない、完璧なデイケア・施設もない、完璧な先生・スタッフもいない。それが当たり前だと覚悟する。
そして、目の前の人に慈悲の心を持つ。
それが忍辱ではないでしょうか。
地蔵和讚に「忍辱慈悲」というフレーズがあるように、忍辱(怒らない)と慈悲は表裏一体なのです。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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忍辱とはプライドを捨てること。

忍辱とは、自虐、他虐について無条件に堪え忍ぶことではありません。
これらについて盲目的に受け入れ、それが漠然とした果報につながることを思うならば、単なる「苦行」、「苦役」であり、何の意味も成さないものです。もし、この様な考えの元で耐え抜いても所詮は「我慢」であり、己の自己満足に過ぎず自我、すなわちプライドを増長させるだけです。
忍辱とはむしろ逆にプライドを「ふるい落とす」ための行いであります。これを「頭陀行」とも言います。六波羅密の行が自我のプライドをふるい落とし、あらゆるもにこだわりのない「菩薩」に至る具体的な方法と言えます。あらゆる場面において様々な困難がつねに我々の前に立ちはだかりますが、大事なのは、自己のプライドに囚われす、「中立的立場=中道」であらゆるケースについて判断し、行動することが大事ではないでしょうか?

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質問者からのお礼

【願誉浄史 先生】
 ご回答ありがとうございます。「怒らないこと」「一瞬イラっときても、一回落ち着く」
「文句をつけたい、と言う気持ちをなくす」ですか…

 でも今回は、明らかに危害加えられてるからなぁ。
今回に限らず、切れるよりかは、怖がる方がマシ、っていう事ですかね。
 「あいつら超うぜー!マジで処してぇ!」ではなく、
「むり、ダメ…!あの人たちは、怖い…!」の方がマシですよ、という事でしょうか。

 それと余談なんですが、hasunohaがリニューアルして、各種官公庁や相談窓口のHPが
リンクされてるの、これ、すごくいいと思います!

【寶川良隆 先生】
 ご回答ありがとうございます。プライドのふるい落とし、ですか…
 頭陀行とは何か調べてみたら、昔の出家僧さんの乞食(こつじき)行と出てきました。
 転じて、わからないことは「わからない」と認める、目の前に課題が現れたら、
一瞬「うわっ」と思っても、様々な手段や情報網を駆使して、臨機応変に解決にあたる…。
と言う感じでしょうか……。

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達磨大師は架空の人物ですか?

彼は「仏教をよく知らない中国人によって架空に作られた存在」または「達磨さん自体は実在したが、仏教をよく知らない中国人が適当なストーリーを考えただけ」と言われることがあって、「そうかもしれない」と思いました ・ なぜなら彼は悟りを開いたはずなのに、教えを請う凡夫に対して無視のいじめを行ったり、「これは試されているんだ」とポジティブに考えて耐え忍んだ凡夫に「仏教はそんなに簡単に教えてもらえるものじゃない、命をかけろ」と言って凡夫に腕を切り落とさせたりしました ・ とても悟りを開いた人の行為とは思えません。「自分はお前より偉いぞ、そう安安とは教えられない仏教を熟知しているぞ、自分をタダで師事できると思うな」なんていう態度は、「菩薩道」の精神から大きく逸脱していないでしょうか。知識の独占という時点で「利他」じゃなく「利己」だし、傲慢な振る舞いは「慈悲」じゃなくて「暴慢」です ・ それならむしろ、偉いお坊さんにいじめられてもくじけず「自分は試されているんだ」とポジティブに考えた凡夫こそまさしく仏に相応しいのではないかというトリックにさえなってしまっています ・ 彼がもし実在してストーリーも本当なら、彼のスタンスは間違いなく仏の教えを利他や慈悲などで解釈しないただの「知恵」でしかないとする(つまり悟りとは賢いかどうかだけで優しさなど必要ない)「小乗仏教」と批判される類のものだったことが伺えます。やはり、彼は架空のお話で色を付けられた、本来ならば謎多き存在でしょうか?

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