葬儀の宗派と今後の供養について
今月上旬に父が亡くなりました。
父の実家は日蓮宗で他の兄弟も皆同じお寺で葬儀をしています。
しかしうちは分家であまり裕福ではなく、お布施の金額が高く普段から付き合いもなかったそのお寺にはお願いしたくないという家族の意向がありました。
父は寝たきりで認知症もあり、どのお寺がいいか等本人の意志確認が出来ませんでした。
そのため、葬儀社の方に紹介していただいた浄土真宗のお寺で葬儀をしていただきました。紹介していただいた住職の方は感じの良い方で、今後の法要もお願い出来たらいいなと思いました。
しかし、葬儀を終えてから、これでよかったのか悩み始めました。紹介していただいた浄土真宗でよかったのか、違うお寺でも日蓮宗にした方がよかったのか。
もともと宗派にこだわりがあったわけではないのですが、法号と法名の違いや供養などの考え方も異なる点が多いため、このまま違う宗派だと父がきちんと成仏することが出来ないのではないかと不安です。
四十九日までならまだ間に合うというようなことを聞きました。四十九日まであと少ししかないため、何か方法があるならば早くしなければならないと思います。
このまま浄土真宗でも問題ないか、日蓮宗に戻した方がいいか、ご意見をいただきたいと思います。
よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
こんにちは。お悔やみを申し上げます。
お父様のご実家やご兄弟が日蓮宗の同じお寺さんの檀家になっているのに、あなたさまのお父様だけ違う宗派でお葬式をした事が気になっているのですね。
もしお父様が、ご実家のお寺の承継者であるならば、菩提寺に知らせる事なく他のお寺や宗派でお葬式をするのは問題ですが、あなたさまのお宅は分家ですので、ご実家のお寺や宗派に合わせる必要は全くありません。私の檀家さまのお宅でも、ご兄弟で菩提のお寺や宗派が違うお宅がたくさんありますよ。気にすることはありません。
あなたさまのお宅の菩提寺が浄土真宗のお寺さんになったことも何かのご縁でしょう。また感じの良いご住職だったとの事で、よかったですね。紹介してくださった葬儀社の方にも感謝です。
ご兄弟が日蓮宗のお寺さんの檀家さんとの事なので、法要のしかたなどで戸惑う事もあるかもしれませんが、浄土真宗のお寺さんのお話をよく聞いて、お父様のご兄弟の信仰ももちろん大切にする一方で、あなたさまのお宅は浄土真宗を信仰するご縁となりましたので、是非その教えを大切にしていただいきたいと思います。どちらかが優れていてどちらかが劣っているという事は決してありませんので、これからも安心して浄土真宗さんの教えをお守りいただくとよいと思います。
直接尋ねてみても良いと思います。
イマエさんこんにちは。書き込みありがとうございます。今月上旬にお父様が亡くなられたとのこと、お悔やみ申し上げます。
浄土真宗の僧侶として回答いたします。
イマエさんは、違う宗旨で葬儀を行なったことによって、お父様がきちんと成仏されないのではないか不安に思っておられるのですね。
お葬式の宗派が違うから、成仏しないということはありません。それは迷信です。
浄土真宗の葬儀は、葬儀をすることで亡くなった人が仏様に成るのではありません。亡き人を縁として、私たちが仏教に出会わせていただく、それが浄土真宗の葬儀です。
亡くなった人が今も迷っているんじゃないか。これで良かったのか悪かったのか。私たちはいつも悩みますね。私自身そうなんです。でもね、私たちは亡くなった人が迷っているように思うけれども、いろんな人がいろんな事を言うけれども、事実としてあるのは、どうしたら良いのかわからない、何が正しいのかわからない、亡き人のことであれこれと迷っている私たち自身ですよ。
そういうことを教えてもらったなというのが、私はイマエさんのお父様の葬儀だったと思います。迷っていると教えてくれるのを仏様と言います。そこに、私は亡き人を、迷った人ではなくて、むしろこっちが迷っていたと教えてくれる存在、仏様として仰げるものがあるんじゃないかなと思います。
と、偉そうなことを散々書いておいてなんですが、今回一番シンプルな解決方法を提示します。葬儀をお願いした浄土真宗のお寺の住職はイマエさんから見て、今後もお願いしたいと考えられるくらいには感じの良い方だったんですよね?それであれば、その住職に、こんなことで悩んでいるんだけど、どう思うか聞いてみてください。そこで、信頼できるようならば、そのお寺にお願いすればよいし、ダメなら戻しても良いと思いますが、いかがでしょうか?
仏縁
イマエさま
仏縁はどのような因果にて巡るかということになりますが、ご本人の過去世、前世の因縁にもよりますし、遺族(特に葬儀を執行される喪主)による意思や思想信条という縁にもよるところでもあり、それでどれが正しいというわけではなく、巡る仏縁が故人の善趣になることに資せるものとなるのであれば、誠に有り難いものであると考えるところとなります。
昨今は、ご本人の意思とは別に喪主の意向により、仏教の葬儀さえも執行してもらえなくなっているということも多くなっております。
もちろん、色々な事情もあるため、それを強制したり、義務とすることもできませんので、それぞれの意思を尊重するべきところではありますが、仏縁に携わらせて頂いている者といたしましては、やはり、何らかの仏縁を紡いで頂ければ有り難いことであると考えております。
ですので、頂いた仏縁は仏縁として尊重なさられるのも善いでしょうし、やはり、故人にとっては、別の仏縁の方が善いかもと思われましたら、そのように改宗、改めて法号を頂くといった手続きを取られるのも良いでしょう。
どれで正解ということではなく、縁によるところが大きいとお考え頂けましたら。
下記拙論も少しご参照下さいませ。
『葬儀と供養の意義について』
平成29年8月・お盆施餓鬼法要配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d2c3793b56451efdff407f7090851dc1
川口英俊 合掌
ご葬儀されどご葬儀です。
宗派のことで、特に日蓮宗ということで、お答えします。
先にお父様のご冥福をお祈り申し上げます。
さて、このようなパターンは決して少なくないと言えます。
今回は、葬儀費が高いという理由が大きいようですが、もちろん、そのお寺にもお父様も皆様も、お寺とのご縁が薄くかったこともあり、そのお寺の住職等のこともあまりご存知なかったのかもしれませんね。
もちろん、四十九日前でも、宗派を変更する方もおられるの賛否は別として、今さらどうして悩んでいるのかです。
あえて日蓮宗の僧侶ですが、成仏云々については、別の次元でのお話になりますからここでは問いません。
厳しいようですが、一番の原因は悲しいかなお父様ご自身です。なぜ生前中に自分が亡くなった時は、と皆さんに伝えていなかったのかです。
今さらとなりますが、残されたご遺族、そしてイマエさんがどのように考えるのかです。当然、ご葬儀には、本家や親戚の方も参列されたでしょうし、今後もそれなりにお付き合いされていくのでしょうから、日蓮宗の教義やお寺の住職が嫌であえて他宗に変えでも葬儀を行ったという理由であれば、それは仕方ありませんが、そうでなければ一考する必要もあるかもしれません。
ご葬儀されどご葬儀です。とても大切なことであり、それ以上に生前中の信仰の問題でもあります。これを機会に少しでも仏教のこと、信仰のことに触れられることもお父様からのメッセージかもしれません。
質問者からのお礼
ご回答いただいた皆様、ありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
家族と話し合い、いろいろと考えた結果、このまま葬儀でお世話になった浄土真宗のお寺で今後の法要や供養をお願いしていこうという流れになりました。
長年意思疎通が出来ない状態で本人の希望が聞けなかったのが心残りですが、違う宗派でも成仏出来ないということはないと言っていただけて心が救われました。
今回いただいたご縁を大切にし、これからも父のことを大切に想って生きていきます。
今回は仏教について考えるとてもいい機会になりました。本当にありがとうございました。