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空(くう)

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感情が無い、肉体、つまりただの「物質」になれという事とはまた違うのでしょうか?


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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空=無執着

ただの物質にはなれませんよ。生きてますから。空とは執着しないということです。楽になれと言っているのですよ。心配するなと言っているのです。感情をもっている私たちは色々なことで悩んだりしますが、そんなときは空を思い出して下さい。見方を変えましょう。空とは、私たちの心をリセットする有り難い観念です。

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くう

私の理解の範囲で、「空」を説明させていただきます。(諸説あることをご了承下さい。)

この世に存在するあらゆるものは、私たちが勝手に「実体がある」と思い込んでるだけで、本当は実体を持っていないのです。

量子という言葉を知っていますか?
量子とは物理や力学などで「物理量の最小単位」といわれる。量子というのは「物理の最小単位」とはいっても、さらに突き止めてとらえると、もう「物質」ともいえなくなり、どちらかというと「エネルギーの振動」なのです。

このエネルギーの振動が密度を増していくと、人間が認識できる「物質」として形づくられます。逆にいえば、そのものがエネルギーとなります。つまり、物質も、そうじゃないものも、元をたどれば全部同じものでできているのです。
この宇宙に存在するありとあらゆるものは、実は「同じもの」で、「空」というのは、何もないってことではなくて、その量子エネルギーがこの世界に満ち満ちているということなのです。
その実体をとらえようがとらえられまいが、あらゆるものは「空」の中に存在しているのです。むしろ「空=存在」と言ったほうが的確かもしれない。たえずその振動を変化させつづけている無形の全体像が「空」ということなのです。そこには、一切の分離(何かと何かを分ける境界線)が存在しない。すべてはひと続きなのです。

たとえば、この「空」という存在は、「止まる」ということができない。流動し続けている。私たちだってそうなのです。ほんの一瞬でも、止まることはできないのです。昨日の自分と、今日の自分、同じように見えても若干変わっています。

このようなことから、実際に存在しているのは『空』という常に流動し動き続けている全体性だけであって、『自分』とか『ほかの何か』とか、他と分離して存在するものは、実は何一つなかったのです。すべてが連携しあった、ひと続きの同じ存在だったのです。

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「空と縁起」

苺様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「空」は、【感情が無い、肉体、つまりただの「物質」になれという事とは】、もちろん違います。

「空」とは・・

深遠なる真実義、勝義、了義へと向かうための智慧の真髄。

無明の闇を払う智慧の光。

「空」とは、「無実体・無自性・無自相」という事態を示す概念となりますが、簡単には、モノ・コトが、それ自体の側において、永久永遠に変わらずに存在し続けているような独立自存なる何かによって成り立っているのかどうかと言えば、そういった独立自存なるものは、何らとして見当たらないということになります。

もう少し述べるならば、他に(例えば、原因や条件等に)依存せずに独立自存として成り立っているものが何らとして見当たらないということであり、他に依存して成り立っているということを「縁起」(えんぎ)と申します。

ここで注意しなければならないのは、「空」は、「何も無い」という「絶無・虚無」ではない、ということもしっかりと理解しておかなければいけません。

貴女も私も、現に今、このように存在しています。

感情も肉体も物質も、確かにそれらも、現に、今、そのように存在しています。ただ、存在はしていますが、そのありようは、あくまでも「縁起」によって成り立っている「空」なるもの、ということになります。

是非、この「空」の理解につきましては、できれば、これからしっかりと仏教を学んで頂きまして、特に、龍樹(ナーガールジュナ)大師がご教示なされておられますような『「縁起」の見解に基づいた「空」の理解について』の学びも深めていかれますことをお勧め申し上げたいと存じます。

※「縁起」の理解では、主に三つの階層が考えられ、第一に、「原因と条件と結果のそれぞれとの依存関係」、第二に「部分と全体との依存関係」、第三に、「意識作用・概念作用・思惟分別作用により、仮名・仮説・仮設されることによっての依存関係」がございます。

川口英俊 合掌

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Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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般若心経にあります。

仏教における大切な概念の一つだと思います。お釈迦さまが、お弟子の舎利子さまにお話しになります。観世音菩薩さまが、偉大なる智慧の修行を完成さようとした時に・・・、色即是空、空即是色。『般若心経』の一節ですね。色(しき)はこれすなわち空であり、空はこれすなわち色である。たとえば、「色」は物質、存在するものですね。「空」は空っぽ、何もない。それがないことをいうのですが、それでは、実体があるように見えてその実は何にもない空っぽであると思えてします。さて本当にそういう意味なのでしょうか?物資としての存在するということと、何もない、空っぽな状態が同じとはとても思えませんよ。一体、お釈迦さまはなにが言いたいのでしょう。私は空気と同じように感じています。空気は我々にはその存在を認識することができません。つかめないし、一瞬たりともとどめおくことができません。しかし、お確実の存在しています、いな、その存在なしに我々は存在できないのです。人間という存在も、物質的な身体と、その本質となる魂(心)から成り立っている点では、あるようでないが、ないようであるといえるのではないでしょうか?我々は、日常のいろいろな問題に悩み苦しんでいますが、そうした煩悩(色)の中心は、空という心(魂)なのだから悩んでみても仕方がないということになりますね。ちょっと、話し過ぎましたか(笑)
どうぞ皆さまお元気で!!

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浄光寺の三浦康昭です。 くよくよと考えてもしかたがありません。明るく前向...
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質問者からのお礼

随心院・卓阿様
お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
空(くう)とは執着しないということ。
何事にも囚われていない心という事でしょうか。ありがとうございます。

浄光寺・三浦康昭様
お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
三浦様は、空気のような事だと思われているのですね。仏教を学ぶ上でぜひ参考にさせて頂きたいと思います。

岩瀧山 往生院六萬寺・川口英俊様
お忙しい中、ご回答頂きありがとうございました。
空(くう)を学ぶにあたり、「縁起」の事も理解しなければいけないとのこと。大変勉強になりました。
龍樹大師がご教授されている内容を勉強してみようと思います。

長興寺・安藤亮英様
お忙しい中、ご回答頂きありがとうございました。
むしろ「空=存在」とお考えとの事。大変参考になりました。
おそらく、空(くう)を理解するのはすごく難しく、実は言葉や文字には表せない、感じるもの…
うーん、難しいですが…ありがとうございました。

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