父を亡くした悲しみ
私は、約12年前からうつ病や不安障害などのために治療を受けております。
約1年8ヵ月前に父がガンのために他界いたしました。
私は元々寂しがりな性格であることもあり、また、私の発病後は友人との接点が全くなくなり、とても寂しい気持ちで毎日を過ごしておりましたので、父が他界してからは、物凄い悲しみや寂しさが続いております。
悲しみや寂しさの強さや、落涙する頻度は、時期によって多少の強弱があります。
主治医にこのようなことを相談したこと もあるのですが、「普通の人は、家族とか仕事などがあるから、そんなことばかり考えていられないんだ。」というようなことを言われてしまいました。
(私は無職で独身なので、このようなことを言われたのだと思います。)
前述のとおり、友人と呼べる人もいなく、誰とも話をしないことが日常ですので、悲しくて、寂しくて、困り果てております。
いい年をした中年男が涙を流す日が続いております。
こんな私に何かアドバイスをいただけませんでしょうか。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
お寺参りしてみませんか?
たか様はじめまして、ご相談拝見しました。お父様のご命終、謹んでお悔やみ申し上げます。南無阿弥陀仏。その悲しみ、寂しさはいかばかりかと心中お察しするに余りあります。
たか様もしよろしければお寺参りしてみませんか?ご都合がつく範囲でかまいません。
お寺に通い仏法聴聞していると、もしかするとうつ病克服のヒントに出会ったり、ともに聞法する友にであえるかもしれません。
もちろんまずは生活が大事ですから治療の通院は続けていただくとともに、就職活動等もあるようでしたらそちらを優先してください。その上でお時間があるようでしたら是非お寺へ!とおすすめいたします。
孤独、空しさ、寂しさという苦しみは人間のもつ根本課題であります。
これをどう超えていくか、ということが仏教の救いでもあります。私は浄土真宗ですが、宗祖である親鸞聖人のご遺言の書と伝わる『御臨末御書(ごりんまつごしょ)』に次のような言葉があります。
一人居て喜ばは二人と思うべし、
二人居て喜ばは三人と思うべし、
その一人は親鸞なり。
「一人でいるときは二人、二人の時は三人いると思ってください。喜ばしい時も、そうでない時も決してあなたは一人ではありません。いつもそばにこの親鸞がいますよ」という意味の言葉であると聞いています。
仏法に学び、仏法に生きるということは、仏法を聞いてきた数限りない人たちの歴史と伝統に自らも参画することです。その時けして人は一人ではありません。同じように教えを伝え聞いてきた人々の集いは僧伽(サンガ)となり、そして諸仏として私たちにはたらきかけます。
一人ではない、一人であると感じるならともにその孤独を超えよう
と寄り添い、はたらきかけてくださるのが仏さまであると私はいただいております。
もっというなら、お父様もまた諸仏の一としてこの世の命尽きた今もなお、たか様にはたらきかけているのだと思います。
今はまだ寂しいかもしれませんが、仏法にお父様の死をたずねてみませんか?そしてその死に学び、たか様ご自身の生を見つめる機縁としてみませんか?
浄土真宗でなくともお近くにはきっと素敵なお寺があるはずです。コンビニより多いのがお寺です。気軽に頼っていただけると嬉しいです。
字数制限がありますのでお寺参り等、法縁の持ち方についてはご助言をいただきました。皆様の回答をご参照ください。
霊場を巡る方もおられます
たかさん、はじめまして。
この度はお父さまを亡くされたとのこと。寂しくなられたことと拝察いたします。お悔やみ申し上げます。
さて、たかさんも鬱病や不安障害で治療中とのこと。とくに悲しみや寂しさで落涙することも多いのですね。
身近に方を亡くしたとき、悲しみや寂しさを癒やすために霊場巡りをする方もおられます。
四国八十八ヶ所霊場をはじめ、西国三十三観音霊場、秩父三十四観音霊場、板東三十三観音霊場や薬師霊場など、地域の霊場も含めると数え切れないほどの霊場があります。
四国八十八ヶ所霊場では、弘法大師空海があなたの前を歩いてくださる同行二人(どうぎょうににん)であるといいます。つまり、四国八十八ヶ所霊場を巡るお遍路さんは、姿は見えなくても弘法大師空海(地元では親しみを込めてお大師さんと呼ばれています)と二人旅なのです。
他の霊場も仏さまのお導きのもと、霊場を巡ります。
霊場巡りは、旅行会社が企画しているものであっても専門の担当者(先達:せんだつといいます)やお寺のご住職が引率してくださる場合があります。全くの初心者でも安心して霊場巡りをすることかできます。
たかさんもご検討なされてはいかがでしょうか。
仏教をともに学びませんか?
みなさん書いていらっしゃるので、蛇足ですが、拙寺で7/23土曜から仏教勉強会を始めます。千葉県千葉ニュータウン中央から徒歩20分です。無料です。お住まいが、わかりませんが通えるようなら起こしください。また、時期をみて通信費はいただきますが、通信制の勉強会も始める予定です。拙寺は真宗浄興寺派で歴史は古く親鸞聖人が、後鳥羽天皇皇子の善性坊にお寺をお譲りになったから、780年になります。独特の作法になり、私もお恥ずかしながら習得しきれておりません。私は浄土真宗本願寺派のお寺のお育てを受けたことから、本願寺派の中央仏教学院と中退ながら浄土宗の仏教大学大学院で学びました。たいした知識も経験もありませんが、世界の宗教、仏教、法然上人の教え、親鸞聖人の教えを中心にわかりやすい、誰でもわかる教え、知識の習得ではなく、今後生きていく上で、参考になる。励みになるようなことを、生き様としてともに共鳴、共感しながら、阿弥陀さまの慈悲を感得していけたらと思います。一緒に学び、お勤めや作法は、本願寺派流を中心に宗派にかかわらず、臨済録などの問答や、禅、写経も取り入れ、浅く広くクロスオーバーで学んで参りましょう。浄光寺
通信の勉強会、ホームページにアップしますので、たまにご覧になってください。あなたは一人じゃないだから、大丈夫!
「法友」
たか様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
お父様を亡くされましたこと、誠におつらいことでございます・・
亡くなられました方を弔うことを「供養」と申しますが、供養とは、「供(とも)に養う」として、亡きお父様やご先祖様と一緒になって、あるいは、亡くなった全ての皆、衆生の全てと一緒になって、悟りへと向かうための行い(智慧の修習と功徳の集積)を養って共有していくということが、本来のあり方になると考えております。
それは、何もお寺で、墓前で、形式的に僧侶に読経、回向してもらうということだけではないということでございます。
お寺にて、あるいはお寺でなくても、大学やどこかの会館ででも開かれている仏教に関する法話や講義に参加し、しっかりと悟りへと向けた智慧を開発し、功徳の行いに励めるようにしていくということも、大切な「供養」になるものであると考えております。
まずは、各宗の本山などが行っている仏教の概要的・一般的な法話や講義からでも構わないかとは存じますし、例えば、下記のように受講料がある程度掛かりますが、少し専門的に扱っているところからでも良いかとは思います。
公益財団法人 中村元東方研究所
http://www.toho.or.jp/
仏教を学び修する者は、皆、「法友」です。たか様も、是非、私たちと共に「法友」となって頂けましたら有り難くに存じます。
そして、仏教を学び進める中で分からないこともございましたら、どうぞお気軽に私たちhasunohaの法友も頼りとされてご質問もされて下さい。
共に頑張って参りましょう。
川口英俊 合掌
一人でいることは寂しいですよね
たか様、初めまして。
吉武様の回答で、少し心が軽くなったようで、有り難いことだなぁと拝見させて頂きました。
一人でいると、孤独や寂しさでいっぱいになりますよね。
そして、自分の考えがおかしいのかと思ったり、人との違いを考えて更に孤独感が増す…そんな経験が私にはあります。
大切な人を失った悲しみは、働いていようが健康であろうが感じる思いです。
吉武様の回答で、親鸞聖人に興味を持たれたのなら、「浄土真宗」のお寺を探してみて下さい。お寺によって法座(阿弥陀様の教えを親鸞聖人の解釈で聞かせて頂きます)が多い少ないがあります。
埼玉の浄土真宗のお寺をWEBで検索すると、日程・予定がのっているお寺もございます。
お寺参りは誰でも出来ますので、お気軽にお越し下さい。
事前にお寺に電話をして「門徒ではないがお参り出来ますか?」とお話しされるのもいいと思います。
あと、遠方にはなりますが、築地本願寺という大きいお寺があります。京都に本山(本社)があるのですが、関東支社のような大きな建物です。
そこでは法座やお参り、若手僧侶の法話会などもありますので、ぜひHPなどで日程を見てみて下さい。
浄土真宗は自分の弱い姿をありのまま受け止めてくれる教えだと思っています。
たか様にとって、よいご縁となりますように。
そして御体無理なさらずにして下さいね。
質問者からのお礼
吉武文法様
ご多忙中にもかかわらずご丁寧なご回答をいただきまして本当にありがとうございます。
「孤独、空しさ、寂しさという苦しみは人間のもつ根本課題であります。」ということは知りませんでした。
今まさに私が苦しんでいることが孤独や寂しさなので、とても共感いたしました。
また、親鸞聖人の「御臨末御書」のお言葉を拝読したところ、親鸞聖人のお優しさに思わず涙ぐんでしまいました。
ところで、お寺参りがよろしいのですね。
なんとなく興味はありながらも、今まではそのようなことをしたことはございませんでした。
今回大変貴重なアドバイスをいただきましたので、これを機会にお寺参りを実行してみたいと思っております。
しかし、実際にお寺参りをするにあたって、分からないことがございます。
まず、どのようなお寺を選んだらよいのか。
(どのような行事を執り行っているお寺がよいのか。)
そして、住職様にどのようなことをお願いすればよいのか。
これらのことが分かりません。
もし、さらなるご回答をいただけましたら幸甚に存じます。
この度は本当にありがとうございました。
緇川杏美様
ご多忙中にもかかわらずご回答をいただきまして本当にありがとうございます。
孤独や寂しさや悲しみについて共感していただき感謝いたしております。
「一人でいると、孤独や寂しさでいっぱいになりますよね。」このようなお言葉は大変ありがたく思っております。
また浄土真宗のお寺の探し方や築地本願寺のことを教えていただきありがとうございます。
なかなか捗りませんが少しずつ探してみようと思っております。
この度はご回答をどうもありがとうございました。
川口英俊様
ご多忙中にもかかわらずご回答をいただきましてありがとうございます。
「供養」のことにつきまして、詳細にご説明いただきまして感謝いたしております。
お寺やお墓などでお参りをするだけではなく、様々な施設において仏教について勉強することも供養につながるとは知りませんでした。
また「法友」というお言葉はとてもいい印象を抱きました。
少しずつになってしまうとは思いますが、勉強をしてみたいと思っております。
この度はご回答ありがとうございました。
中村太釈様
ご多忙中にもかかわらずご回答をいただきまして誠にありがとうございます。
霊場巡りもよろしいのですね。
これも経験はございませんが、以前から興味はありました。
「同行二人」ということは非常に心強いですね。
私のような寂しがり屋にはとても救いになると思いました。
この度はご回答をどうもありがとうございました。
三浦康昭様
仏教の勉強会を開催されるのですね。
興味はございますが、残念ながら地理的に難しいです。
通信制の勉強会の開催のご予定もあるとのことで楽しみにしております。
本願寺派と浄土宗のお勉強をしてこられたということで、勉強会はとても有益なものになると思っております。
少しずつ仏教の勉強をしていきたいと思っております。
この度はご回答をありがとうございました。