共通のお経
こんにちは。いつもhasunohaを読ませて頂いております。
質問です。先日知人の親族の葬儀がいくつな重なりお通夜に参列してふと思いました。
宗派問わず統一されたお経ってありますか?
元々はお釈迦様が仏教を広めたのでしょうから仏教経みたいな…
よろしくお願いします
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
如是経 そこにそうしていられることです
如是経を転ず、という言葉があります。
お経を読み深めていけば、最終的には、みな「そこにそうしている事」になります。
ただ、そのままで居られる事。
何が起こるにしても、平然とそこにいられることが仏道修行の究極とも言えることです。
多くの人は、そのままでいられない。
仏教らしい事をした方が良いのではないかと思うものです。
今は分からないかもしれませんが、色々お経を読んでいってみてください。
最終的には「では、どうあることが仏様の教えの真意なのか?」という所に突き当たると思います。
だから「そこに、ただ、そうしていられる事(平たく言えば 平常心 無心)」こそが、お経の究極のエッセンスと言えます。
それを如是経といいます。
Q「あなたは今何をしているの?」
A「わたしは いま ここで ただ これを こうしているだけ」
Q「それをリクツで言わないとどうなるの?」
A「ただ、こうしていること。それだけ。」
Q「具体的になにをするの」
A「そうしていられるようになることだよ」
Q「どうすればそうなれるの?」
A「そうやって頭で描かないで、そのまま、そこに居てごらん」
そこに現われる 心こそが 仏教共通のお経です。
お経とは、このことのレシピ、楽譜ですから。
いつかこの事が分かる日が来るでしょうから覚えておいてください。
(深いわー)
宗派問わず統一されたお経は無いですが、
全ての宗派共通ではないですが・・・
般若心経・法華経などは各宗派読経される事が多いです。(ただ、浄土系は読経しなかったと思います)
お釈迦さまから2500年2600年。各々の形で伝わりながらも各宗派今もしっかりとお釈迦様からの教えを引き継いでいます。
日本仏教は、膨大な経典すべてを採用、という意味で統一的
ざっくりとした説明になりますが、
タイ・ミャンマー・スリランカなどの上座仏教、南伝仏教では、パーリ語で記された統一した公式のお経のテキストを作って採用しているそうです。
一方、日本の伝統的仏教宗派は、北伝仏教の流れであり、インドのサンスクリット語テキストだけでなく、中国で翻訳された漢訳仏典が大量に日本に入って来ました。
同じお経に対しても、何人かの人が翻訳され、1つのお経に対して漢訳テキストが何種類もある場合があります。
日本仏教は、インドから中国や朝鮮を経由して入ってきたサンスクリット仏典も、漢訳仏典も、すべてお経として採用しています。さらに、近代以降に入ってきた南伝仏教のテキストも研究対象にしています。
なので、日本仏教は、膨大な経典すべてがお経なのです。
その中で、宗派によって、重視するお経や、普段儀式で使うお経が違うので、法事の内容がバラバラなのです。
同じお経の同じ漢字でも、宗派によって読み方が違う場合もあります。
お経は呪文ではありません。
お経は仏様の説法を記したものです。
その数は8万4千種類とも言われます。
内容は様々で一定の統一性はありますが、全く違う内容のお経だらけです。
その中で「どのお経の内容を信じるか」が宗派の違いです。
般若心経は日本の多くの宗派で読まれます。
その内容は「空論」でありどの宗派でも踏襲する真理と言えます。
※浄土真宗では般若心経は読経することはありませんが、お経典の内容は正しいものと位置づけしてあり、信仰の上では大切にするお経の一つであることは変わりません。
「仏教聖典」
ふゆじたく様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
いつもhasunohaをご愛読頂いておりまして、誠にありがとうございます。
「宗派問わず統一されたお経ってありますか?」・・実は、そのような趣旨において編纂されている仏教聖典というものがございます。
仏教伝道協会・「仏教聖典」について
http://www.bdk.or.jp/buddhism/index.html
「仏教聖典」とは・・
お釈迦さまとして知られる仏教の開祖、ブッダ(仏陀=目覚めた人の意)が説いた真実の教えを集めた「お経」の中から、教えの大切な要素とたとえ話を選び、それらを日常のやさしいことばにかえて表現したものです。
「ブッダの開いた教えがわかりやすい言葉で、世界中の誰にも心通うように」との思いで「仏教聖典」は作られました。
・・
「仏教聖典」は、どこかの大きなホテルに宿泊された際にでも、鏡台の引き出しの中に聖書と共に置かれていることもございますし、また、仏教伝道協会さんにおいて販売もされているようですから、宜しければお買い求め下さいませ。
http://www.bdk.or.jp/buddhism/book01.html
さて、お釈迦様の残されたお教えが様々に仏典として現在に伝わっております。「八万四千の法門」と言われますように、それだけ方便(その人それぞれの苦しみ、迷いに対して的確に応じて説かれた)として仏教をお説きになられた次第でございます。
その方便において最も基本となるものが、「四聖諦」という、苦諦・集諦・滅諦・道諦の四つの聖なる真理でございます。
私たちには、代表的に四苦八苦(生老病死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦)する中にありますが、それらの苦しみには、その苦しみの結果へと至らしめている因縁(原因と条件)があり、苦しんでしまっているのであって、その苦しみをもたらす因縁(原因と条件)を何とかすることができれば、必ず苦しみを無くすことができるとして、そのための方法(仏道)を善巧方便を駆使なさられて釈尊は仏教をお説きになられたのでございます。
ですので、全てのお経の内容も、それは「四聖諦」を基本原理として説かれているものであるとして、補足として少しくご理解を頂けましたら有り難くに存じます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
小黒澤さま
ありがとうございます。
宗派は違えど長い年月が経ってもなお仏教が有ると感じました。
丹下様
ありがとうございます。
確かに深いわ〜!です 笑。
お経の内容を知る前に先ずお経を読まねばですね。
和田様
ありがとうございます!
お経は読んだ事はありませんが、私もこれから合掌を大事な気持ちでさせて頂きたいと思いました。
願誉様
ありがとうございます。膨大な経典が日本に入って来ていて、宗派によって重視するお経が異なる…。なるほどです!
そう言えば日常生活で読書をしていても好きな作家さんやジャンルがあるなぁと思いました。
釈様
ありがとうございます。
8万4千…。気の遠くなる量なんですね。
改めてお釈迦さまは素晴らしいと感じました。
みなさまの回答を読ませつ頂き、仏教に関心が薄い私でしたが少し何かが近づいた気持ちになりました。