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仏教大学で4年間も何を学ぶのですか?

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ご質問させて頂きますハルソラと申します。

仏教大学に興味があります。
仏教の知識、智慧は広大無辺とはいえ4年間も何を学んでいるのでしょうか?

お坊さんになられる方は皆、仏教大学に通われたのですか?
お坊さんにとって仏教大学に通う事の重要性はどれほどのものなのでしょうか?

私は将来、お坊さんになるかも知れないので、お坊さまのご回答を参考にさせて頂きたいと思います。

よろしくお願い致します。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

基礎を広く

社会人編入学なら2年で結構です。私も2年間でした。2年分は教養科目込みです。

医学書やパソコンの専門用語モリモリな本をイメージしていただくと分かりやすいですが、ああいうのって日本語で書かれていてもワケワカメちゃんですよね。日本語が読めれば理解できる…というものではありません。何が書かれているかある程度分かっているから理解できるし、プラスαの部分を吸収することができます。
大学ではその「何が書かれているかある程度分かっている」ようになることを目指します。だから通仏教的に広く歴史、思想、言語、仏教文化、民俗学などを学びます。

ある教授は「私は道元禅師の正法眼蔵を研究しようと思いましたが、正法眼蔵は華厳経がベースになっているから、まず華厳経をやりなさいと恩師に言われました。そこで華厳経の研究を始めたのですが、30年やっても全く終わりが見えてこないんです。」と嘆いていらっしゃいました。
…が、学部生はそんな深く狭いとこまで踏み込みません。広く浅く学び(もちろん各宗派ごとのウェイトは大分あります)、ゼミで専門分野を選び、卒論でその専門分野の研究の研究だけやって終わる…くらいの感じです。

仏教は聖書やコーランのようないわゆる『1つの真理』というものがありません。八万四千の法門です。それを広く浅くやろうとすると…実はそれだけで2年や4年じゃ足りないんですよね。。。

全員が仏教系の大学を出ているわけではありません。出ていてもホントに出ただけで全く勉強しなかったようなのも結構います。それでも一人前のお坊さんにはなれます。大切なのは大卒ではなく修行ですからね。

じゃあ大学で学ぶことの何が大切かと言うと、1人でも道を間違えずに学ぶ方法を訓練することです。
大学で真面目に学んだ人とそうでない人とでは、本の選びかた読みかた1つとっても違います。だから大学でどうなるというよりは、地方寺院に帰ってからの伸びしろとか他宗派理解の柔軟さに関わると思っています。もちろん例外はどちら側にも多々あります。

それでも多くのお坊さんにとって思想的なベースは大学で作られます。修行とは何か?その方向性だって1つの思想ですからね。大学で出席だけして遊んでいたから、修行道場に上山して最初の1〜数年を「こんな意味のワカランことしに来たんじゃない!」と無為に過ごすことになった…というパターンもいます。

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曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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大学なので一般教養や各種資格の単位も

私の場合は、文学部仏教学科でした。
仏教を学問として学ぶためには、古い文献を読む必要があります。
古文漢文や、人によってはサンスクリット語・パーリ語の文献も読む場合があります。
また、大学なので一般教養の授業もありますし、
お坊さん以外の資格も取る場合は、その資格に必要な講義の単位も取る必要があります。

卒業論文も書く必要があります。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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大学は仏教学の基礎だけですね。

ハルソラさんへ、こんにちは。

私も仏教学部を卒業しました。
大学で学ぶのは、「仏教学」であって、「仏教信仰」ではありません。仏教を知識として学ぶのです。ただし、仏教の知識は広大なので、大学4年ぐらいでは学べません。ほぼ一生勉強になります。そして仏教知識の実践は、社会に出てからです。ですから、仏教学部を出ていなくても、坊さんになれます。サンスクリットがペラペラでも悟れるわけではありません(笑)。ただし、知識があれば、仏さまの教えを理論で学べて、修行の一助にはなります。

もしご縁があれば、是非仏教学部で学んでみてくださいね。ただし、就職には役に立たない場合が多いので(笑)、そこら辺も、考慮に入れて決めてくださいね。合掌

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おきもち

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質問者からのお礼

柳原貫道さまの「努力の方向性を定めるための基礎を学ぶ」というのが特になるほどと思いました。

他にも一般教養なども学ぶのですね。皆さまのご回答大変参考になりました。
ありがとうございます。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ