仏教をもっと信じたい
私は今イスラム教の国で留学中です。周りが熱心なので私も宗教について考えるようになりました。そこで現地人から神様について聞かれ「貴方は神様に何か頼んだり、願う時どの神様にしているの?」と言われました。はっきり言いますとその時の私は仏教についてがよく分かりませんでしたし、教えに今まで従っていたかも分かりません。なのでこの質問をされた時に戸惑ってしまいました。また、その時にイスラム教の教えを教えてくれましたが心は動かされませんでした。
そして最近インターネットで仏教の教えについて調べてみると仏教の教えは何となく救われた気分になり泣きそうになってしまいました。今まで全くもって宗教などに興味はありませんでしたが、もっと神様を信じたいと思いました。仏教をもっと信仰するにはどんなことから始めるのが良いですか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
聞法と精進
仏教の特徴はクルアーンや聖書のような根本聖典が無いことです。聖典は莫大にあるのですが、クルアーンや聖書のような感じよりも、「お釈迦さまの真意はこうだったはずだ」という学会の研究論文みたいな感じに近いんです。
それに信仰の入り方にしても「八万四千の門がある」と言われるほどに様々です。
その中で、「仏教の教えについて調べてみると仏教の教えは何となく救われた気分にな」ったということは、それがあなたにとって相性の良い入り方なのかもしれませんね。
>多くを説けばとて
そのことのかぎりにて
彼は法を持する者にあらず
法を聞くこと
少なくとも
身にこれを行わば
法をおろそかに
せざるがゆえに
法を持する者と
いわるべし
(発句経、第259)
たくさんの教えを知っているからといって、
それだけで立派な仏教徒というわけではありません。
たとえ教えを聞くことが少なかったとしても
それを身体で実践したなら、
あなたは教えを大切にする真の仏教徒です。
教えを聞くことを聞法(もんぽう)と言います。
実践することを精進(しょうじん)と言います。
それをすることが仏教を信じるということです。
ネットには仏教オタクが無茶苦茶な解釈で書いていることが物凄く多いです。お坊さんが書いていないものは一切スルーするつもりでいいくらいです。私もまずはhasunohaを読み漁っていただくのを一番お勧めします。
私は海外の留学経験がないのでわからないのですが、多くの海外の人は初対面の自己紹介の時に信仰している宗教を聞くそうです。これは信仰している宗教によって相手の考え方の傾向がわかるからのようです。そしてこの時に多くの日本人がそうするように「無宗教です」と答えると、大変に驚かれるそうです。
このような経験から、海外に留学してきた日本人は仏教(や日本の文化・歴史)に興味を持ち、学ぼうという気持ちになるようです。
私の感覚ですが、お年寄りよりも若い方の方が信仰深い気がします。これは海外に行く若者が増えたためと想像します。
仏教は何かを頼んだりお願いする宗教ではないので、仏教を信仰するには、まず「神様を信じたい」という気持ちを捨てる事からかなぁ。仏教って仏さまの教えに帰依(心の支えとする。考え方の軸にする)することなんだよねぇ。
せっかくのご縁ですので、hasunohaでの問答をお読みになると良いと思います。そうするとおぼうさんたちの答え方(考え方)に傾向があることに気がつくと思います。それこそがお坊さん達が心の支えとし、考え方の軸となっているもの、すなわち仏教なんだと思います。
アイデンティティ
拝読させて頂きました。
私も海外に出ていた時に信仰する宗教をよく聞かれました。それが海外で生きることの当たり前の常識だからです。
宗教によってその人のアイデンティティを確認することですからね。或は海外では国籍よりも重要です。あなたがそう気づきを持たれたことは貴重な財産です。
そのことを気がついただけでも海外にいかれた意味があるほどとても大切なことです。
あなたがそのようなきっかけを通して日本の宗教を改めて見直すことはあなたにとってこれから生きていくときの本当の財産となります。それは間違いありません。
また改めて見つめ直してみると日本は本当は懐深い寛容な土地柄であることがわかります。
政治的な弾圧等は在りましたがどのような宗教もうけいれていった歴史的な経緯があります。
八百万の神々は土着の神々もありますし、海外から入ってきた神々もあります。
そして仏教は海外から入ってきました。それには様々な由来や経緯や必然性があります。
また神道や儒教や仏教等々が切り分けがたいほどに入り混じってお互い存続し合っているのです。
そのことを学んでいくこともあなた自身を知ることにつながっていきます。
そしてより強いあなたの自己や意識を持つことができます。
また宜しければどうぞ仏教を知って学んでみて下さいね。
仏教には八万四千の法門つまり沢山の教えがあるのです。
分かり易く言いますと仏教は誰しもが完全円満なるものになること、つまり仏になることを目指す教えです。
よく言われるのは山に登るのには様々なルートがあり方法があります。仏になるにも様々な教えがあり修行方法やルートがあるのです。だからそれぞれの個人にあったようにと教えが沢山あるのです。
ある人は仏となる為様々な研さんを積み厳しい修行を乗り越えることもあるでしょうし、ひたすら座禅をしながら己や世界にむきあうこともあるでしょう、またただひたすら仏様に願い導いて頂くよう念仏することもあるでしょう。
そのように仏教の教えはかなりすそ野が広いと思いますし奥深いと思います。
ですから日本人は無宗教ではありませんよ。
どうか安心なさって下さいね。
そしてどうぞご自分を日本を見つめ直してみて下さいね。あなたがより素敵なアイデンティティを持たれ自立した自己を確立なさり海外でも自信を持って生きていかれます様心よりお祈りさせて頂きます。
疑うことから
ぱりんこ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
信じるためには、とにかくまずは本当かどうか、疑うことからです。
よくダライ・ラマ法王様もご法話にておっしゃられておられますが、「師の教えを、ただ尊敬だけをもって受け入れるべきではなく、金細工師が、その扱っている金が本物か偽物か、その金を焼いて、切って、磨くことをもって慎重に吟味するように、そのようにして師の教えも受け入れていくべきである」として、しっかりと一つ一つの教えを批判的、合理的、論理的に検証しつつ、得心して受け入れて参りたいものとなります。
納得できるまで検証することで、信仰も強くなるかと存じます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
皆さま、返信が遅くなってしまいすみません。
色々なご意見を下さりありがとうございました。何も分からない私にとってはとても参考になりました。
まずは何か自分で読めそうな書籍を読んで少しづつ学ぼうかなと思っております。
本当にありがとうございました。