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なぜ修行をするのでしょうか

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道元禅師様について書かれた本を読んでいました。
そこに「本来本法性 天然自性身」と教典にあるのに、なぜ修行をしなければならないのか、と道元禅師様は当初疑問に思っていたとありました。

その疑問から、如浄禅師の「坐禅はすべからく身心脱落なるべし」という言葉で解き放たれた。とありました。

そこで...
①なぜ修行をするのでしょうか
②修行とはなんでしょうか
③修行の目的はなんでしょうか
④なぜ道元禅師は如浄禅師のその言葉で、この疑問から解放されたのでしょうか。

曹洞宗の和尚様はもちろん、いろんな宗派の、いろんな方のご意見を聞いてみたいです。

私は強がっていますが、精神的に弱く、心が不安定になりやすいです。
いろんな方に支えられ、助けられて生きていると実感しています。
常に100%の心ではなくて、上下することの少ない、安定した心を持てるようになりたいです。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

玉磨かざれば光なし

 こんにちは。
 道元禅師に興味をもってくださりありがとう。
 「本来本法性 天然自性心」とは「人間は本来仏の心を持っており、生まれながらに仏の身体を有している」という意味です。
 これに対し、道元禅師は、「私たちがもともと仏の身体や心と同じであるならば、仏教を伝えた祖師方はなぜその上さらに仏になりたいと修行をつんだのであろうか」という疑問を持ちました。
 当時の比叡山は教義重視で修行はなおざりにされる風潮があったようで、そのような風潮に対する痛烈な批判だったのかもしれません。(何で勉強ばっかりで修行(実践)がないんだという疑問であり、なんで修行しなくてはならないのか(修行など不要なのではないか)という疑問ではなかったのかもしれませんね)

①③④「身心脱落」は、道元禅師の悟りのきっかけになった言葉です。悟りを得たことで「ああやっぱり修行(実践)が大切なんだ」と腑に落ちたんだと思います。
②については、道元禅師が宋で出会った老典座(食事係の僧侶)との会話の中で
 道元禅師「修行とは何ですか」
 老典座「偏界曾て蔵さず」(へんかいかつてかくさず)(世界はかくすことなく現れている=修行でない事はない。一切が修行だ)
 という会話があったという話があるとおり、坐禅も掃除もトイレもみんな修行だ。どのような事も丁寧に他の事を考えず行わなくてはならないという事だと思います。

 道元禅師の伝記は多く出版されていますので、さらに詳しくお読みになると良いと思います。また道元禅師の話を聞き書きした「正法眼蔵随聞記」という本もあるので挑戦してみると良いと思います。

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・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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『発心』→『修行』→『菩提』→『涅槃』

【回答】
① 発心し、菩提を求めるプロセスだからです。
② 自身のみならず、「ありったけ」で取り組むことです。
③ 菩提(正覚の智)に至ることです。
④ まさにその時、菩提の機が熟したからです。

【補足説明】
『発心』とは『発菩提心』のことですが、この場合は「自未得度先度他」の菩提心ではなく、『学道用心集』の第一にある「世間の生滅無常を観ずる心」の菩提心とお考え下さい。
お釈迦様が出家なされた際の発心も、「世のため人のため」ではありませんでした。「世のため人のため」の発心は、梵天勧請以後です。

『修行』に関して…
「修証一如」は、『菩提』に至った後の感得とお考え下さい。

『菩提』の機が熟した…
『発心』に基づき『修行』で培った1つ1つの「点」が、繋がって「線」になった。
『菩提』に至ってみたら、「本来本法性」「天然自性身」だった。
「修証一如」だった。
360°見方が変わって、それが感得できた。

…ってことで、ご理解頂けるでしょうか?

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GALUCHAT
曹洞宗寺院の住職です。 GALUCHAT(ガルーシャ)と読みます。 ...
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「本来本法性 天然自性身」ではなかったということ

 「本来本法性 天然自性身」とは、当時の比叡山天台宗ではやっていて、今も日本仏教全体に人気の観念「天台本覚思想」です。道元と同じく比叡山を降りた親鸞は、「煩悩即菩提」などと言っています。この本覚思想に対して、もう30年近く前に駒澤大学の袴谷憲昭先生が、それでは仏教でなくヒンドゥ教だと批判して、本まで出しています。
 本覚思想は、人間はもともと悟っていて(少なくとも悟りの種を持っていて)、しかし、それが煩悩で覆われて分からないから、修行して心を磨いて、キラキラした心に戻せばよいというものです。ヒンドゥ教の、アートマン(我)を磨いてブラフマン(梵)と合一しようという「梵我一如」と同じです。
 当時の比叡山では、もともと悟っているなら修行しなくてもよいではないかという怠けの風潮があったかもしれません。道元はそれが嫌で、徹底的に修行して、悟ってみたら、本来の状態に戻るどころか、「心身脱落」だったと、師匠の如浄と同じく表現しています。

 ちなみに、菩提とは悟りのことです。解脱とも涅槃とも言います。

 去年出版された、スマナサーラ長老と藤田一照師の対談本、それと、最近出たばかりの、スマナサーラ長老の「禅語」についての本を読むと新たな発見があるのではないかと思います。禅の悟りを評価し、さらに初期仏教の視点で解説しています。アマゾンの「スマナサーラ」で出てきます。

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初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
うーーん...難しいです。
菩提の境地に至りたいと思うことが発心?
菩提に至るために必要なことが修行?
菩提ってなんでしょう...

申し訳ないです...

回答ありがとうございました!
お二方のご意見でなんとなくわかったように思います。
スッキリしました!

光禪様、回答ありがとうございました。
胸のつかえが取れたように思います。
「本来本法性 天然自性身」について、また随聞記についても、時間を作って学んでみたいと思います。

「仏教における修行」問答一覧

在家修行の仕方とは

毎日、在家での修行の仕方や朝のお勤め体験ができるお寺様は知りませんか? 在家で、お寺とzoomで繋ぎながら 朝お掃除したり、お経を読んだり、交流したり…在家修行の生活の仕方を配信してる所など、どなたか存じ上げないでしょうか? よく本には「日常の中で仏教の教えを思い出して、日々の生活を整えるのが在家での修行の仕方」とありますが、本で読んだ内容の受け取り方は人それぞれですし、やはり仏教を学ぶ上では師僧のような、導いてくださる方が歴史上でも必要な気がしております。 (元々、お釈迦様も口伝えでしか仏教の教えは説けないという立場でいた認識しています。 アーナンダ様という熱心なファンの方がお釈迦さまの死後に教えの内容を思い出して書いたのが今の仏教の経典だと記憶しています。) 近くに寺がない都会の生活をしていても 座禅会、法話会、写経会等の体験等をYouTubeやzoom等オンラインでできたら、より仏教徒として生活が整うのになぁと感じます。 実際、仏教業界は少子化により、檀家不足で資金難に苦しんでいる。というお話を聞いた事があります。 事実、血縁関係がないお寺様の檀家になるというのはかなり難しいですし、そのようなお話ができるほど一般参拝客にオープンに話して下さるお寺様に出会ったことはないです。 他にも、仏教のために何かをしたいけど物理的に方法がない方はたくさんいる気がしています。 その為、YouTubeの投げ銭やオンライン講座などでもご奉仕できるような環境があれば…と思います。 こちらとしても、そのようなサービスがもっと普及したら在家修行が捗るのに…と思います。 なぜ、在家修行の方法などの配信や、仏教徒の方の質問に答える場所というのは少ないのでしょうか…? また、どこかでこのような活動を行っている所がありましたらご教示お願いしたいです🙇 何卒よろしくお願い申し上げます。

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もう少し非現実的な事に寛容でもいいかな…

 いつもお世話になっております。  私は仏教を学び始めてから、 オカルト、都市伝説=霊感商法! 危険!近寄るな!! という公式が脳内にできました。  しかし、最近、私の尊敬する 科学の先生のお言葉を聴きました。 「オカルトや陰謀論には、有害な ものと無害なものがあるんです。 たとえば、『私は霊が見える』 『超能力がある』などというのは、 それだけなら無害です。  しかし、『ワクチンは製薬企業や 政府が儲けたり、国民をロボットに しようとしているので打つな!』 とか、『震災は人工地震だ!』 などというのは有害です。どういう 事かというと、 『その陰謀論やオカルト話が、 カネの匂いが強い、また、聞いた 人達の身体、生命、健康、財産に 悪影響を与え、混乱させるもの』 なら有害といえます。」 とのことでした。  また、 「『ムー』という本があります。 この本の素晴らしいところは、 ロマンのあるオカルト話を 載せているところです。ロマン オカルトは貴重なものです」 とおっしゃっています。  こちらの先生は、常々、 「陰謀論に気をつけろ!」 と呼びかけており、霊感も、 「就職面接で霊感がある、と アピールすると、精神病者だと 思われて落とされるから、 言わないほうがいいですよ」 ともおっしゃいます。  そんな先生が、 「オカルトや陰謀論にも、一概に 危険なものばかりでなく、ロマン のある面白いものもある」 とおっしゃるくらいなので、 「私も、もう少し寛容になっても いいのかな」 「金銭や出家などを促すもの でなければ、娯楽程度かな」 と思い始めました。  以前の私なら、占い、陰陽道、 都市伝説、おみくじなどと聞けば、 「詐欺!」と怒っていました。  前通っていた訓練所にも占いが 趣味の利用者がいたのですが、私は、 「『弟子入りする』なんて言い出し たらどうする!占いなんてやめ させろ!」 「私は、宗教も占いも興味ない! 詐欺!!」 と怒鳴り散らしていました。  しかし、先生オススメの無料の WEB版ムーを読んでみると、 神社の神主さんが取材に応じ、 「ことしは青龍の年だから、みんな 躍進するでしょう」 などとおっしゃっており、満更でも ないと思いました。  お正月早々、柔軟性が身に付き 学びになったなあと思うのですが、 仏教徒としてはアウトでしょうか?

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お坊さんの精進料理について

わたしは最近お坊さんの精進料理に興味を持ち始めました。 現在のわたしはというと、自炊もするようになりましたが とにかく毎日、毎食肉を食べております。 以前、筋トレをしていた時に栄養についても勉強し、その時に人間には体重×1gのたんぱく質が筋肉を維持していく上で必要な最低ラインという事を学び 以来おそらく15年近くに渡り、毎日それを実践してまいりました。 ただ、わたしには悩んでいる病気があり(病気の内容はここでは割愛させていただきます)、たまたまインターネットの記事を読んでいるときに わたしと同じような病気(悩み)を持っている人がいて その人が人に勧められて精進料理を始めたところ なんと副産物的にわたしと同じその悩みも解消してしまったと聞きました。 なので、わたしはこれから徐々に精進料理を試してみようかなと思っています。 ですが、わたしはお肉や脂っこいファストフードも好きだし、甘い洋菓子とかも大好きなので続けられるかという心配と 何を食べたらいいんだろう?という疑問や不安がわいてきています。 あまり手の込んだ料理は出来ないし 今のところわたしに出来そうなのは野菜たっぷりのけんちんうどんや納豆、お味噌汁とかそんな感じになってしまうのですが おいしくて一般家庭でも気軽に毎日精進料理をいただくような方法や、レシピ等ありますでしょうか? また、お坊さん自身が精進料理を食べはじめての変化 最初の頃は辛かった、体重や体質、思考の変化 お肉や魚などへの渇望といったものの体験談を伺ってみたいのですが 可能でしょうか? よろしくお願いいたします。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ