徳とは何ですか?
徳についてお聞きしたいです。
徳という言葉を目にしたり、聞いたりします。辞書で調べると身についた品性や社会的に価値のあるもの等と出てきます。また西洋でも徳というものについて色々と議論されていたようでした。仏教では徳とはどのような教えでどのように議論されているのですか?
勇気や自信、名誉、温情などは徳に入ると目にしました。勇気や名誉など度を超えると人に害を与えるように感じるのですが、度を超えないように徳を積むにはどのような姿勢でいれば良いのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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行為と結果
はセットで切り離せないものだと仏教では考えます。どのくらいセットかというと、行為の結果をカルマ(業)と言いますが、行為もカルマと言うのです。
行為には必ず結果が出るので、善行為には善業=功徳、悪行為には悪業=悪徳という結果になります。
普通の善悪の行為とその結果は、功徳を得るための行為「プンニャ」、その結果としての功徳プンニャなどといいます。
功徳と別に「徳」という日本語のニュアンスにピッタリな仏教語は、グナかもしれません。特質、性質という意味です。性格みたいなもので、善に主に使いますが、善とも限りません。
善業悪業で言えば、一つ一つの行為の結果も業ですが、主にそれらが積もり積もったものを業と言うようにも思えます。一つずつのプンニャ功徳が集まって徳グナの高い人となった、とか。その場合の「徳の高い」は、善業が積もった結果のような気がします。
勇気、自信、名誉、温情は、どれも善の場合とは限らないので、注意が必要です。「徳を積む」とは、功徳プンニャであれ徳グナであれ、善いものばかりのはずです。善いものは、いくら積んでも誰にも害をなさないはずです。蛮勇みたいにはた迷惑なものは、一見善のようでも、怒りや傍若無人が入っていたりして、その分、悪も含むとも言えます。
すべて結果になるので、善か悪かを見極めて、悪なら絶対避ける、善ならできる限りやる、ということでよいと思います。善だけに頑張っていれば、徳も積もります。
こんにちは。
そうですね。そう考えると難しいですが、「これは『徳』に該当するからやろう。徳を積むためにもっとやろう」などと思うことなく、善いことに対しては(例えば困っている人を見たら助けるとか)自然と体が動き、悪い事はできない人間になる事だと思いますよ。徳について考えると、行動が打算的になり、そのような行動はすでに徳とはいえないでしょう。
とはいっても、どのような行動にも善悪の二面性があるので、ひとつの行いに対して「これは善い行いだった」「これは悪い行いだった」などと、ふたつに分けて考える事はできません。よく「よかれと思って」やった事が相手に迷惑がかかる、なんて話もありますからね。そのような時には素直に謝ることも大切でしょう。まああまり考えすぎずに、周囲の役に立つ人になりたいなぁという気持ちでいれば自然にそのような(徳のある)行動を取れる人になれるのではないのかと思います。
悩み苦しみの制御が上手い性格になること
徳とは、善いことをすればするほど心に善い癖がつくこと、またその善い癖のことではないでしょうか。
心に善い癖がつくと、悩み苦しみの原因である煩悩の制御が上手くなり、悩み苦しみのコントロールが上手くなります。
また、悟りやすい性格になること(真理に気付いて煩悩を消せる確率が上がる)も期待できるでしょう。
反対に、悪いことををすればするほど心に悪い癖(罪業・悪業)が積もって悩み苦しみが増えたり悟りにくい性格になる危険がありますね。
仏教には、心に善い癖をつけるための修行メニューがあります。
世間一般でなんとなく「良い行い」と思ってやっていることと、仏教的な観点で徳につながっているかは、違う場合があります。
たとえば、アニメ等で正義のヒーローが悪者に「許さないぞ!」と怒っている場面も、仏教的には怒りは悪ですから、正義が理由でも怒ったら罪業を積んでいる可能性があります。
「殺せば殺すほど殺し癖がつく。
盗めば盗むほど、嘘をつけばつくほど、浮気すればするほど、酒を飲めば飲むほど…。これが罪業の法則」
と、徳の裏面の罪業側から見ても参考になります。
質問者からのお礼
ありがとうございます。
徳についての考え方が知ることができ、知識をひとつ得ることができました。
善を含む行いを徳と考えてみようと思います。
何か善というものに対して考えるきっかけになりました。また善についてご質問させて頂けたら嬉しいです。
考えすぎだから、少し苦しくなるのかも知れないのですが、考えを止めて知ろうとせずに平然と生きることも悪に思えてしまっています(^_^;)
今を後悔しないように毎日、仕事や生き方について少しづつ答えを探して行けたらいいなと思いました。
ありがとうございます。