やる気が出ないときに試したい効果的な方法と仏教的心理アプローチ
頑張りたいのに頑張れない、やる気スイッチが入らない。そんな相談がhasunohaにもたくさん寄せられています。
やる気が出ないとき、私たちが直面する問題を克服し、目標に向かって前進するためにどのようにすればいいのでしょうか。今回は、やる気を出すための効果的な方法を、仏教的なアプローチの観点からお坊さんの言葉と合わせてご紹介していきます。
やる気のスイッチを入れる方法を知る
まずは、やる気を引き出す方法を知ることが大切です。以下にその具体的な方法を紹介します。
自分のやる気の源を見つける
自分にとってのやる気の源を見つけるために、いくつかの方法を試してみましょう。例えば、趣味や関心事をリストアップし、それらがどのようにやる気に繋がるかを考えてみることが効果的です。また、他人からの評価や達成感を大切にするタイプであれば、他人との協力や競争を意識してタスクに取り組むことで、やる気が引き出されることがあります。
お坊さんのことば
好きでやっているか。趣味で有名になる多くの方は、「好きな事を続けていたら有名になっていた」という感じだと思います。上手になろうという向上心は大切ですが、それで誰かに認めてもらおうと思うと苦しくなるものです。
元の問答:飽き性を治したいです
目標を明確に設定する
目標を明確に設定することで、やる気が持続しやすくなります。具体的で達成可能な目標を立てることが大切です。例えば、「1ヶ月後に5キロ痩せる」といった具体的な数値を設定することで、自分が何をすべきかが明確になり、やる気を引き出すことができます。
お坊さんのことば
何か目標がないと。気持ちを大きく動かすのは、エネルギーが要るからね。ここまで出来たら、この日まで頑張ったら、こうしよう♬というような、目標や 褒美がないと、なかなか 維持は難しいよね。
元の問答:やる気を出す方法
自分の信念を棚卸する
自分の内から湧き出てくる思いを大切にしたいですね。これをやりたい、これが大切だと信念を持てたことには多少のことでは揺らがないはずです。今やろうとしていることが、自分の中にしっかり腹落ちしていることなのか問い直してみるのも必要かもしれません。
お坊さんのことば
人と比較したり、損得で考え、そうした考えや思いで生きようとすると必ず壁にぶつかるのです。やる時はやるのです。信念が貫けないのは、その持っている信念にあなた自身が納得していなかったり、自信がなかいからかも知れません。
元の問答:飽きっぽくて信念が貫けない
危険を回避するとき生き物は動く
生き物は危険を察知したときにものすごいエネルギーが出ます。それは生きるための生存本能なのです。世の中の広告も不安を煽るものが多いと思いませんか?「〇〇な人は注意」「〇〇の末路」などのネガティブ訴求は、生き物が持つ危険回避の本能を刺激しているのです。それを逆手にとってやる気にかえるというのも方策の一つかも知れません。
お坊さんのことば
私達は、苦に突き動かされて行動します。喉が渇いたから飲みたい。息を吐いたいから吸いたい。サイフが空になりそうだから預金を下ろしに出かけることも同じです。ですから、未来の苦しみを具体的に想像できれば、苦しみに備えて準備しておきたいとウズウズしてくるはずです。やる気がでなくても、いつかは実際の苦しみに直面して対処したくなります。朝ごはんを食べるやる気がなくても、いずれはお腹がすいて食べますからね。
元の問答:何に対してもやる気が出てきません
環境を整える
片付けや整理整頓をする
環境が整理されていると、心もすっきりしやすく、やる気が引き出されます。例えば、机の上を片付けることで、集中力が上がることがあります。また、物を整理することで無駄なものを手放すことができ、気持ちがすっきりすることもありますよね。
お坊さんのことば
在宅ワークは、つい気が緩んでしまいますよね。自分の部屋で、いつもと同じ環境だとね〜。たとえば、ゴロゴロしないように、きちんと仕事用に着替える。そしたら、そんな服でゴロゴロしにくくなりますよね。また、パーテーション組み込むなど、仕事に集中出来る環境を作りましょう。
元の問答:何事にもやる気が起きない
正しい生活が心と体を整える
心と体は繋がっています。しんどいときには笑えない。不安になると閉じこもって余計に考えてしまうなど、個々の状態によって行動が制限されることはありますよね。でもこんな経験はないでしょうか?無理にでも笑えば気が楽になった。外に出て歩くと不安だったことがまあいいかと思えるようになった。先に心が喜ぶ行動を無理にでも体でしてあげることでエネルギーが湧いてくることがあります。
お坊さんのことば
やる気が起こらない原因の一つに、夜を基準にした規則正しい生活ができていないことからの精神の不安定さがあります。その一つの原因が、携帯電話、ネットです。夜は本来、暗くして生活することにより体内時計がリセットして生活のリズムができるのに、夜も明るい生活をしていると体が寝れなくなり、体が慢性的に疲労してやる気がでなくなるのです。体がキチンと寝れると心のメリハリができてきます。やる気もそこから出てくるのです。
元の問答:何もかもやる気がおきない
置かれている環境に操られいないか
みんなで同じ目標に向かって行動しているときはやる気があったのに、一人だけ周りと違うことをしていると不安になったり、これでいいのかと悩むことはありませんか?学校でも会社でも部活やプロジェクトでも、やる気がでないときは今の置かれている環境に引きずられていないか一度見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
お坊さんのことば
大学受験の時は、周囲も受験生なので違和感なく勉強できましたよね。しかし今、周囲はほとんどが社会人なかで1人大学院を目指している。環境が変わったおかげで、不安で何もできない自分に苛立っています。同じ受験をしているだけのに、完全に環境に操られている状態です。
元の問答:どうしてもやる気が起きません
日常にメリハリ、変化をつける
刺激がない日常は飽きてきますよね。変化やメリハリをつけることが新たなエネルギーを生み出すかもしれません。アップテンポの音楽を聴く、知らない道を歩いてみる、自転車で通勤してみる、朝早く起きてみる。知らない街に行ってみる。やってみると何か気づきが得られるかもしれません。
お坊さんのことば
仕事でやる気が出なくなってしまったのですね。「日々の生活の中に、さらにメリハリをつけてみる」というのはどうでしょうか。朝仕事前に20分から30分程、散歩に出かけてみてください。そのときに五感で自然を感じると心が落ち着き、活力が湧いてくるので自然を感じながら散歩をします。
元の問答:仕事でやる気が出ない
習慣を見直す
睡眠、食事、運動のバランスを整える
健康を保つ習慣が心を整えます。十分な睡眠をとり、栄養バランスの良い食事を摂り、適度な運動を行うことで、エネルギーが充実し、タスクに取り組む意欲が高まります。誰もがわかっていることですよね。後はやるだけです。
お坊さんのことば
【正命】ただしい生活。まずは、バナナを食べて朝日に向かって歩く。これは、嫌味でも冗談でもなく本当の話です。栄養を摂って朝日を浴びながら適度な運動をすると、元気になれるセロトニンという脳内物質がドバッと出ます。いにしえより伝わる仏教の優れた瞑想や禅などの修行も、結局は心身の調子を整えておかねばうまくできません。
元の問答:生命エネルギーの出し方を教えて下さい
プロダクティブな習慣を身につける
プロダクティブな習慣を身につけることで、効率的にタスクをこなすことができ、やる気が持続します。例えば、朝型生活を送ることで、一日の始まりに活力が生まれ、タスクに取り組む意欲が高まることがあります。また、タスクをリスト化し、優先順位をつけることで、効率的に作業を進めることができます。
タスクを分割して小さな目標にする
目標やゴールが見えなかったり、はるか遠くに感じるときは文字通り途方にくれますよね。そんなときは、タスクを分割し小さな目標にすることで達成感が得られやすくなり、やる気が持続します。
時間管理術を取り入れる
例えば、ポモドーロ・テクニックを活用し、集中して作業する時間と休憩時間を決めることで作業効率が向上し、やる気が維持されます。
他者との関わりを活かす
サポートを求める
周囲のサポートを求めることで、やる気が引き出されます。例えば、家族や友人に自分の目標を共有し、励まし合うことで、責任感が生まれ、やる気が湧いてきます。また、専門家やコーチからアドバイスを受けることで、自分の弱点を克服し、やる気が維持されます。プラスのサポートだけでなく、少しおかしいなと思うことが続いたらお医者さんにみてもらうこともサポートのひとつです。
お坊さんのことば
心の疲れだと思います。気持ちの持ちようや、気合いではどうにもなりません。仕事をすること自体も困難になってきては大変です。数ヶ月というのは長すぎます。精神科や心療内科で、相談なさることをお勧めします。お大事になさって下さいね。
元の問答:やる気がおきない
他者と競争する
他者と競争することで自分の能力を試す機会が生まれ、やる気が引き出されます。同じ目標に向かう人がいることは競争心が刺激され、やる気が維持されます。長距離を一人で走るより、集団の中で走った方が最後まで走れたりタイムがよくなった経験はありませんか?同じ目標を持った人がいる環境に自分を置くことがやる気の持続につながることがありそうです。
成功者から学ぶ
成功者の経験や知識を学ぶことで、自分のやる気を引き出すことができます。成功者の自伝やインタビューを読み、彼らがどのように困難を乗り越えたのかを学ぶことで、自分も同じように頑張ろうという気持ちが生まれます。
メンターやコーチを見つける
メンターやコーチを見つけることで、自分の弱点を克服し、やる気を引き出すことができます。経験豊富なメンターやコーチからアドバイスを受けることで、自分がどのように改善すべきかが明確になり、効果的なアプローチが見つかります。お坊さんもメンターにはとてもよいと思います。hasunohaのQ&Aには、普段見落としている目から鱗なお坊さんのことばがたくさんありますよ。
モチベーションを維持する方法
成果を記録し、振り返り、達成感を築いていく
自分の成果を記録し定期的に振り返ることで、自分の成長を実感しやる気が維持されます。タスクを分割して小さな目標にすると振り返りもしやすく進捗もよく見えますね。達成感や自信をひとつづつ築いていくことで次の目標に向けてやる気が湧いてきます。
自分へのご褒美を設定する
小さな目標でも達成するごとに自分へのご褒美を設定してみましょう。好きな食べ物を食べる、新しい洋服を買う、旅行に行くなど、自分が喜ぶことを目標達成後のご褒美として設定することで、やる気が持続します。
無理のないペースで取り組む
無理のないペースでタスクに取り組むことで、継続的なやる気が維持されます。一度にたくさんのタスクをこなそうとせず、自分の体力や時間を考慮した適度なペースで取り組むことが大切です。これにより、疲れがたまらず、長期的にやる気を保つことができます。
お坊さんのことば
どうしても、やる気が出ないときは流れに身を任せてもいいんじゃないかなぁ。しんどい気持ちのときは、無理に逆らわず 流れていくのも、ラクだよ。ちょっと、プラスに思えるまで、休息しよう。
元の問答:やる気を出す方法
挫折、自己嫌悪を受け入れ、立ち直る方法
何かを成し遂げたいときには途中で挫折もあるかもしれません。何回か挫折をして自己嫌悪になってしまうこともあるでしょう。挫折や失敗の原因を分析することも大切ですが、私はダメだと卑下するより、自分を大切に思う方が次のチャレンジに生かせそうです。お坊さんのことばを読んでみてください。
お坊さんのことば
未来とか過去とか関係なしに、今自分が何も持ってないと思っても、実は自分は宝ばかり持っていることに気づくと、生きているこの一瞬がかけがえのないもので、とても幸せだと感じることができると思います。貴方がいま息をしていますよね。喘息や肺炎を患ったことがあれば解るのですが、息の出来ない苦しみは本当に辛いものです。しかし、今貴方は問題無く息が出来ています。しかも、自分が眠ってようが、ボーッとしてようが息が止まることはありません。今、貴方は実は何も持ってなくて、何もしてなくても、巨大な宝を持った幸せ者なんです。そうは感じられないかもしれませんが…。そんな幸せを感じるようになると、自然と今何かをしたいと思うかもしれませんよ。
元の問答:人生へのやる気、飽き
仏教的心理アプローチ
仏教的なアプローチでは、できない自分、やる気が起きない自分も、ありのままの自分であると認めるところから始まります。無理なく、自己嫌悪に陥らずにやる気を探っていくアプローチをご紹介します。
頑張るの意味を知る
がむしゃらにやれ。人の何倍も努力しないと成功しない。巷でよく言われるフレーズです。この方法で効果が出ない、もしくは心の状態に危険を感じているのであれば、立ち止まってお坊さんのことばを読んでみてください。心身健康な状態でないと人生を通じた継続はしないですよね。
お坊さんのことば
仏教には『精進』という言葉があります。がむしゃらな、ひたむきな、休むことなき努力を『精進』とはいいません。肩肘張らず、横道それたり、休みながらの歩みを『精進』というのです。力を抜いて、時には風任せ、そして時にはゆっくり休む。そんな風に歩んでいきましょう。
元の問答:努力
試して止めての試行錯誤でいい
やる気が続かない。飽きっぽくてすぐにやめて他のことに手を出してしまう。そのことに罪悪感を感じたり、自分を嫌いになってしまうことがありますね。お坊さんは無理に続けるのではなく、心の赴くままに動いてみることを説いてくれています。好きこそものの上手なれ。この状態を目指したいですね。
お坊さんのことば
仏色々なこと試してみて、嫌ならやめる。また興味有る物みつけ、試みてみる。此れの繰り返しで良いじゃ無いですか?やがて試みた事、必ず役に立つことありますよ。飽きても良いから、私は色々なこと、チャレンジすることが大切な気がしますよ。
元の問答:興味と情熱が長続ききません
開き直ると進むことも
やる気を出すにはどうしたらいいか。何とかやる気を出したい。そのことに囚われすぎているために、上手くいっていないのかもしれません。どうせ出来ないんだからもういいや!やらない!くらいに開き直ってみるのも手かもしれません。開き直ったら上手くいったという経験は誰にもでもあると思います。押してだめなら引いてみな。
お坊さんのことば
AIが話題になる昨今ですが、私たち人間はロボットじゃありません。「スイッチオン、発進!」とはいかないのです。今は「まともな対応が出来ない自分」なんです。仕方ないんです。その自分を責めて、存在しないやる気スイッチを探してばかりいては、余計に疲れ果ててしまうだけです。乱暴にいうなら、開き直ってしまいましょう。できないものはできない!今は仕方ない!せっかくだし、やったことないことでもやってみるとしよう。ちょっと座禅とか滝行でも経験してみよう。休息ばかりに使う時間より有効的ですよ。
元の問答:やる気スイッチが入らない
瞑想やリラクゼーション法を取り入れる
瞑想やリラクゼーション法を取り入れることで、心身の状態が良好に保たれ、やる気が維持されます。瞑想やヨガなどのリラクゼーション法を実践することで、ストレスを軽減し、心身のリフレッシュが図られます。お坊さんのことばを読んでみると瞑想はストレス軽減だけでなく、捉われた心を解きほぐして、別の見方や考え方ができるようになる実践にも思われますね。
お坊さんのことば
人の許容いっぱい働いているから脳も休みたくなります。何にもしない時間が持てると少しは違うのですが、坐禅のように静かに全てから離れて過ごす時間が、30分でも一時間でもあるとメリハリが出てくるように思います。しかし、今の生活の中で時間を生み出すのは難しそうですね。通勤の電車の中の10分でも、寝る前の10分でも良いと思います。坐禅のやり方を学んで、漫画を読む時間を少し削ってやってみてください。
元の問答:やる気も元気も湧いてきません。
シンプルでしなやかに生きる仏教の教え
一般的な解釈では、「頑張れない」、「やる気が出ない」ことは悪だと捉え、「頑張る人」になるための方策が多く解説されていると思いますが、仏教的なアプローチでは、頑張れない、やる気がでないメカニズムに注目し、それに抗わずに自然に接していくことをお坊さんは説いてくれています。
無理しない、評価を気にしない。心と体を整える。やる気スイッチを無理やり探さない。自然な気持ちや湧き上がる「好き」に任せる。
あまり気負いすぎず、柔軟に、しなやかに、楽しんでいきましょう。