現代での「お坊さん」という存在について
この数十年、お坊さんが身近になりすぎて、低俗な存在になったように思います。
テレビ番組や新聞で、「お坊さんが好きな焼き肉のメニュー」、「お坊さんも出会い系サイトを利用したり、身分を隠してキャバクラで遊ぶ」、「強姦や暴行で僧侶の男が逮捕される」等をよく見るようになりました。
この現状について、どう思われますか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
厭世は心の輪廻
逆に考えてみましょう。確かにここ数十年でメディアの扱いは非常に悪くなりました。しかし、ここ十年で急激に良くなってきています。
何故でしょうね?面白いのがそのような変化が始まった時期は、某国内最大手カルト教団のトップが表舞台に顔を出さなくなり、健康悪化説や死亡説がささやかれ始めた時期と連動します。不思議ですね。
こんな話もあります。「英国放送協会(BBC)のディレクターほどの専門家が、テレビ・ニュースは一種の娯楽であると言っている。この意見と同じように、なぜ人びとがニュースを見るかについての研究は、たいていの視聴者は楽しみや気晴らしを求めているのであって、情報を得ることはニュースを視聴することの二次的な動機に過ぎないと結論している。」(E.アロンソン『ザ・ソーシャル・アニマル』サイエンス社)
ぶっちゃけ、ここ数十年で仏教が悪く言われていたのは、お坊さんの悪口を言っておけばみんな喜んだからです。これはお坊さんに限りません。権威ある者は脊髄反射で叩く風潮があったのです。全共闘世代とか。それ以前の人達は無責任にお坊さまの悪口を言うな!という風潮でしたし。
実際、お坊さんの大半は年収300万未満なのに坊主丸儲けと言われている。昔からずっとお釈迦さまの誕生祝いも各種講も坐禅会も法話会も様々なことをしてきたのに、お葬式しかしていないことになっている、阪神大震災では自衛隊の次にたくさんの人員を動員したのはお坊さんなのに全く報道されていない。どの災害でも常にお坊さんはボランティアをしているし、海外でもボランティア活動を常時しているのに1秒たりとも報道されない。ハッキリ言って病的です。ジャーナリズムってそんな代物ですよ。そこから発信されるベクトルに右往左往するのはいい加減に卒業しないといけません。
35万人もお坊さんいればバカもカスもクズもいて当たり前です。お釈迦さまの直弟子でさえいました。悪人はいなくなりません。怨憎会苦です。坊主も政治家も公務員もブラック企業も社畜もニートも老害も若者も悪い悪い悪い…これでは誰も救われません。物の見方が不幸せに向かうだけです。そういうものだと腹をくくらないと修行どころではないのです。
顔も名前も知らない人間の悪口なんぞ気にするだけ悪心が育つだけ。自分自身と目の前の人がどうか、それだけです。私は酒飲みがお酒を飲むように仏道を説くだけです。
お釈迦様の教え
お釈迦様の教えに、
「他人のしたことしなかったことを見るな。
自分のしたことしなかったことを見よ。」
とあります。(法句経、ダンマパダ)
ただ自分の行いに気をつけるだけです。
他人の振り見て我が振り直せです。
単純だが
一括りにしないで欲しいな、とは思います。
けれど、私自身が昔は「今時の女子高生は…」「今時の若いお母さんは…」「今時の政治家は…」って、一括りに見ていたことを恥じるばかりです。
ですから僭越ながら、あなたがマスコミでの見聞した「お坊さん像」でもって「現代の坊さんの代表」にしないで欲しいな、と思います。
願わくば、良き方との出会いを。
良き僧侶と良き縁を
数年前に檀家さんと食事をする機会があり、ビールをすすめられたのですが、坊さんの服を着ている時は酒は飲みませんと答えたことがあります。
すると「何格好つけてんの?」みたいなニュアンスで言われました。
まぁ、世間の人はそれぼど僧侶の行動に対してこだわってないし、ある程度は寛容なのかなって、私は思います。
殺人や強姦など、法にふれることは、僧侶とかじゃなく人間としてダメなことですが、、、
例に挙げられている、お肉とか出会いとかお姉さんとか、人として恥ずかしい行為をしなければ、別に身分を隠さなくても、行きたきゃ行けばいいんじゃないと個人的に思ってます。
ただテレビとかで、僧侶の事を面白おかしくやられるのは、どうかなぁと思います。
様々な人がいます
身近な存在であることが悪いとは思いませんが、行きすぎは良くないのかもしれません。
いずれにせよ、それが全員ではないし、一部の方の行動が目立ちすぎるのでしょう。
お坊さんも一人の人間、法を説く存在に違いありませんが、とくべつな存在ではないと思います。
人に出会う前に先にイメージを作りすぎず、その人その人の魅力を見つけて欲しいと思います。
そんなお坊さんは戒律を守れてませんねぇ
ブラック・サレナさま、すごいご質問有難うございます。我々僧侶は日常生活は一般の方と変わりなく焼き肉は食べに行きますが、その際には仮に牛肉だと、牛肉のおかげにより、私が生かさせて頂いているという感謝の気持ちになりますねぇ。次に出会い系サイトやキャバクラに遊びに行くことは各宗派によって違いますが、お釈迦様の五戒の不邪淫になりますねぇ。つまり曖昧な女性と淫らな事を行う事になりますからねぇ。ただし、坊主カフェがありますが、ここは酒を出さなくて、このhasunohaと同じ様に悩みを聞かせて頂く事ですので、淫らではございません。
最後に強姦や暴行で逮捕されるという事は、寺や各宗派によって処分の言い方が違いますが、間違いなく破門ですし、僧籍はく奪です。ブラック・サレナさまお寺に足を運ばれると良いかと思います。合掌
脚下照顧
ブラック・サレナ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
期待の裏返しとしての叱咤激励と捉えさせて頂いております。
hasunohaも、ある意味ではお坊さんを身近に感じられる場所の一つとなってきているのではないだろうかと存じます。
それがゆえにも、頼りにされる存在として、ご期待にお応えできるように、日々、法友の皆様と協力して取り組んで参りたいと、僭越ながらにも存じております。
お叱り、ご批判のことは、「他山の石」、「脚下照顧」として、しっかりと自省して参りたいと存じます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
お忙しい中、貴重なご意見を有難うございます。
皆様のお言葉を胸に、日々精進してまいります。