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人前で話すときのコツを教えてください

回答数回答 6
有り難し有り難し 427

法事などでお坊さんのお話を聞いているときにふと思ったのですが、お坊さんは、大勢の前で落ち着いてゆっくりと、しかも心に響くような語り口調というか、心に残るような話し方とかそうした感じで人前で話ができる人が多いような気がします。

緊張しているお坊さんや、早口で何を言っているかわからないお坊さんはあまり会った事がありません。実はお坊さんはプレゼンのプロで、人前で話をするテクニックやノウハウを独自に知っているではないかと考えています。修行のカリキュラムに人前で話すことなども訓練しているかなぁと。

是非、ビジネスで活かせるような、人前で話すときのコツやノウハウ、伝わる話術などがあれば教えていただきたいです。


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お坊さんからの回答 6件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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回数・初心・開き直り

慣れです。
と言ってしまっては、元も子もないですね(笑)。

私は学生時代は人前で話すのは苦手でしたが、現在僧侶になって13年、人前で話すのは苦にならなくなりましたし、どちらかと言えば好きな方です。

とは言っても緊張しないわけではないですし、大舞台では頭が真っ白になります。
でも聞いていた人は「落ち着いて話していて、緊張しているように見えない」と言ってくれます。

妻が舞台女優をしていますが、何年経っても、何回舞台に上っても、緊張はなくならないと言っていました。
また以前テレビで俳優の市村正親さん(だったと記憶してます)の特集を見たのですが、あれだけの大俳優が舞台登場直前に「落ち着いて…ゆっくりと…」と自分に言い聞かせているのを見ました。どれだけ経験を積んでも、人前で話すのは緊張する事なんだと思います。

自分なりのコツは、過剰と思えるほどゆっくり話すこと(緊張すると大体早口になります)。
あと言葉が出てこなくても、堂々と思い出す。自分にとって長く感じても、実は2〜3秒です。
言うことを忘れたら「忘れちゃいました」と言ってアンチョコを見るぐらいで良いと思います。
あと、伝えたい大事なことは、何回も口にして下さい。繰り返すことで印象に強く残ると思います。

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浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
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私もいつまでなっても緊張します…

ただ、いつの頃かそれがあまり気にならないようになりました。
どうも、ある一つの行為に理由があるのではないかと最近思います。

それは、必ずお話をする前に10回のお念仏を声に出してお称えすること。

プロゴルファーはショットを打つときに“プレショットルーティーン”というものを行うそうです。
日本語に訳すと、打つ前の一連の行為という感じでしょうか。

例えばグローブを締め直したり、クラブを地面にトントンと付けてみたりするそうです。
それも、毎回打つときに必ず同じ動作を繰り返すそうです。

これは緊張やプレッシャーを抑え、いつものように打てるようにするための一連の行為です。

他にも、メジャーリーガーのイチロー選手も打席に入るといつもおなじみのポーズをしますが、このポーズもプレショットルーティーンと考えられます。

人は、普段と違う環境に置かれると緊張してしまいます。
ましてや、周りの期待が大きい場合など、そこにさらなるプレッシャーがのし掛かります。

どんなときでも「いつもと同じ」という精神状態になれば本来のパフォーマンスを発揮できます。

ですから、私がお話をする前にいつも必ずお念仏をお称えするのは、このプレショットルーティーンと同じ効果をもたらしているのかもしれません。

COMPLEXさんも、自分自身のプレショットルーティーンを持ってみてはいかがでしょうか?

いつもと同じ気持ちになれたら、緊張も軽くなるはずです。

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おきもち

hasunoha共同代表 浄土宗光琳寺 副住職 佛教大学で浄土学を...
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今でも緊張します・・・

COMPLEX 様
はじめまして。私の回答をさせていただきます。

私も職業柄、いろいろな場所での発言をさせていただくことが多いです。
正直いつも緊張しています。
先日ある有名な落語家さんに「いつも話をされる際に気をつけていることはないか」と尋ねました。すると、「慣れるな」ということでした。
慣れてしまうと人間の進歩はそこで終わってしまいます。
常にその緊張感がいいのでしょう。

ちなみに私がいつも気にしていることは
①姿勢②声③しぐさ④周りを見る
話の内容は3つのポイントにしぼりそこから内容を考えています。
ぜひ参考にしてください。合掌

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鈴木光浄
「人の一生に寄り添うことのできるお寺」を目指しております。さまざまな御縁を...
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こんなお話をご存じでしょうか?σ(^_^;)

むかしむかし、あるところに、
はだかの王様ならぬ、はだしの王様がいたそうです。
はだしの王様は、いつも裸足なので石ころを踏んでは「痛タタタ!」大騒ぎ。
「よいか!ワシの行くところには、必ずジュータンをしくように!」と命令しました。
ところが、そんなことをしたらお金もかかるし、せっかくのジュータンも汚れてしまいます。
そこへ賢い大臣が王様に申し出ました。
「私に一枚だけジュータンをお与えください。世界中にジュータンを敷いてみせましょう」
「おう、そうか。一体どのようにするのか?」
「ははっ、失礼いたします。」
賢い大臣は王様の足にジュータンを巻きつけたのです。
「王様、これで世界中にジュータンを敷いたのと同じことになります」
話はここまで。
実はこのお話は、仏教とは何かについて説いています。
王様とは、あなたのこと。
足にジュータンを巻くとは、相手や世界を変えるのではなく、自分の心のあり方を変えなさいというお・話・で・し・た。
それでは自分の心を変える具体的なお話については…、また今度σ(^_^;)

いかがでしたでしょうか?(^O^)これで一分かかりません。
もっと聞いてみたいと思いませんか?
このような文章レベルでも伝えるべきことが伝わるのではないでしょうか?
これは弊師(師匠)の作ですが、私はこのお話が大好きでした。
知恵もありますし、子供にも通用するからです。

お話は“上手”であることは必要ありません。
相手に伝えたいことがはっきりしているかどうか。
それだけであると思います。

お話の目的は、お話を上手に魅せる、聴かせる、見せつけることが目的ではありません。
伝えること、これが最優先です。
何をお伝えしたいのか?
それさえ明確になれば、いらぬ言葉も語らず、ちゃんと伝わるのではないでしょうか?σ(^_^;)

「声もよし、話も良しとて高ぶるな、まごころ無きはヘタとこそ知れ」

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おきもち

COMPLEX 様

僧侶が法事やお通夜・お葬儀、法話会などの際に人前でお話することは、いかにして仏法をお伝えできるかどうか、僧侶としての真価が問われてくるところとなり、非常に大切な場と心得ております。一期一会の大切な機会、一つの法戦場でもあり、拙生も井上広法師と同様にいつも緊張して取り組みます。

法事における作法、読経や回向など形式的なことは専門家である僧侶にお任せ頂くとしても、僧侶としての義務と言える「法話」はないがしろにできないところであり、お聞きになられる方々にも心してその内容、僧侶の度量・器量もお図り頂きまして、疑問や質問を投げかけられることをお薦め致します。それが僧侶にとっても成長の糧になるかと存じております。

人前でお話するのは、始めはたどたどしくても、浦上哲也師のおっしゃられるように場を重ねての「慣れ」と、あとは自分の理解としての言葉とすべく準備は欠かせないもので、修学・修練を積み、一人で何度もプレゼンしてみるなどして、限られた時間内で最低限お伝えすべきことを紙面にまとめて推敲し、それを丁寧に分かり易く、少しでも相手の印象に残って、仏法への次の「縁」をお持ち頂けるようにと拙生は心掛けております。もちろん、まだまだの未熟者であり、いつも反省致すこと多いですが・・

修行のカリキュラムに人前で話すことなどの訓練は特にありませんでした。禅宗で「公案」という老師との禅問答はありましたが・・人前で話すのとは全く異なる空間でしたし・・拙生は、学生時代に政治に興味があり、マイクを握っての街頭演説を数百回していたことも人前で話すための良い経験であったかなとは振り返りますが・・

ビジネスで活かせるような、コツやノウハウ、伝わる話術・・やはり、自分より上手な人のやり方を良く観察して、参考となる教えを頂いたりしながら、修練し、できるだけ自分の言葉として伝えたいことを伝えられるように、時には興味の引きつけに様々なツールを用いて他と差をつけるための趣向を凝らすことも必要かと存じております。

COMPLEX様のビジネスのご成功を祈念申し上げます。

合掌

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おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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一生懸命に話す

ビジネスに活かす、とありましたので敢えて書かせていただくと「緊張しない」より「緊張しながら話す」方が良いのではないでしょうか。私個人は、立て板に水のセールスマンより、訥弁でも一生懸命に伝えようと努力していることが伝わってくるような方のほうが信用できるのです。

また、人前で話すコツは「相手をかけがえのない一人の人間」と思って話をすることではないでしょうか。「聴衆をカボチャと思って…」などはあってはならないことだと思います。汗をかいて顔を真っ赤にしながら一生懸命に話す人を蔑んだり呆れたりする人がもしいたら、それは話す人の一生懸命さがまだまだ足りないか、聴いている側の問題ではないかと。

特殊な例ですが、遺族の会葬御礼の挨拶などで、型にはまった挨拶を流暢に話すより、詰まりながらも一生懸命に自分の言葉でお礼を言う方のほうが、私は心に沁みます。

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有り難し
おきもち

住職のかたわら、大道芸人PRINCOちゃんとして幼稚園保育園など各種施設、...
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質問者からのお礼

様々なご視点からのご回答ありがとうございます。

ご回答から、緊張しないということはなく、むしろ緊張を自分のものにするという考え方のほうが、なるほど楽になりそうだと感じます。

また、繰り返し、堂々とした声や周りを見る事、意識してゆっくりと話すことというのはすぐ取り入れられそうです。

緊張しない、緊張しないというよりは、緊張を上手にコントロールするということが大事だなと思いました。

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