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人前で話すときのコツを教えてください

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法事などでお坊さんのお話を聞いているときにふと思ったのですが、お坊さんは、大勢の前で落ち着いてゆっくりと、しかも心に響くような語り口調というか、心に残るような話し方とかそうした感じで人前で話ができる人が多いような気がします。

緊張しているお坊さんや、早口で何を言っているかわからないお坊さんはあまり会った事がありません。実はお坊さんはプレゼンのプロで、人前で話をするテクニックやノウハウを独自に知っているではないかと考えています。修行のカリキュラムに人前で話すことなども訓練しているかなぁと。

是非、ビジネスで活かせるような、人前で話すときのコツやノウハウ、伝わる話術などがあれば教えていただきたいです。


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お坊さんからの回答 6件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

回数・初心・開き直り

慣れです。
と言ってしまっては、元も子もないですね(笑)。

私は学生時代は人前で話すのは苦手でしたが、現在僧侶になって13年、人前で話すのは苦にならなくなりましたし、どちらかと言えば好きな方です。

とは言っても緊張しないわけではないですし、大舞台では頭が真っ白になります。
でも聞いていた人は「落ち着いて話していて、緊張しているように見えない」と言ってくれます。

妻が舞台女優をしていますが、何年経っても、何回舞台に上っても、緊張はなくならないと言っていました。
また以前テレビで俳優の市村正親さん(だったと記憶してます)の特集を見たのですが、あれだけの大俳優が舞台登場直前に「落ち着いて…ゆっくりと…」と自分に言い聞かせているのを見ました。どれだけ経験を積んでも、人前で話すのは緊張する事なんだと思います。

自分なりのコツは、過剰と思えるほどゆっくり話すこと(緊張すると大体早口になります)。
あと言葉が出てこなくても、堂々と思い出す。自分にとって長く感じても、実は2〜3秒です。
言うことを忘れたら「忘れちゃいました」と言ってアンチョコを見るぐらいで良いと思います。
あと、伝えたい大事なことは、何回も口にして下さい。繰り返すことで印象に強く残ると思います。

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おきもち

横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗の教えが好きで、それを人に伝えたいと思い、自宅で法話会を始めてご縁の輪が広がりました。
相談の日程や時間はご相談ください。

私もいつまでなっても緊張します…

ただ、いつの頃かそれがあまり気にならないようになりました。
どうも、ある一つの行為に理由があるのではないかと最近思います。

それは、必ずお話をする前に10回のお念仏を声に出してお称えすること。

プロゴルファーはショットを打つときに“プレショットルーティーン”というものを行うそうです。
日本語に訳すと、打つ前の一連の行為という感じでしょうか。

例えばグローブを締め直したり、クラブを地面にトントンと付けてみたりするそうです。
それも、毎回打つときに必ず同じ動作を繰り返すそうです。

これは緊張やプレッシャーを抑え、いつものように打てるようにするための一連の行為です。

他にも、メジャーリーガーのイチロー選手も打席に入るといつもおなじみのポーズをしますが、このポーズもプレショットルーティーンと考えられます。

人は、普段と違う環境に置かれると緊張してしまいます。
ましてや、周りの期待が大きい場合など、そこにさらなるプレッシャーがのし掛かります。

どんなときでも「いつもと同じ」という精神状態になれば本来のパフォーマンスを発揮できます。

ですから、私がお話をする前にいつも必ずお念仏をお称えするのは、このプレショットルーティーンと同じ効果をもたらしているのかもしれません。

COMPLEXさんも、自分自身のプレショットルーティーンを持ってみてはいかがでしょうか?

いつもと同じ気持ちになれたら、緊張も軽くなるはずです。

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おきもち

hasunoha共同代表 浄土宗光琳寺 副住職 佛教大学で浄土学を専攻したのち、東京学芸大学で臨床心理学を専攻しグリーフケアの観点から『遺族における法事の心理的役割の検討』を執筆。 科学的に心の仕組みを学んだ僧侶として活動し、東日本大震災を契機に「お坊さんが答えるQ&Aサービスhasunoha」を立ち上げる。 また心理学、特にポジティブ心理学の知見を参考にワークショップ「お坊さんのハピネストレーニング」を毎月開催している。 史上初のお坊さんバラエティ番組「ぶっちゃけ寺」の立ち上げにかかわるとともに同番組をはじめとした様々なテレビやラジオなどのメディアにも多数出演中。

今でも緊張します・・・

COMPLEX 様
はじめまして。私の回答をさせていただきます。

私も職業柄、いろいろな場所での発言をさせていただくことが多いです。
正直いつも緊張しています。
先日ある有名な落語家さんに「いつも話をされる際に気をつけていることはないか」と尋ねました。すると、「慣れるな」ということでした。
慣れてしまうと人間の進歩はそこで終わってしまいます。
常にその緊張感がいいのでしょう。

ちなみに私がいつも気にしていることは
①姿勢②声③しぐさ④周りを見る
話の内容は3つのポイントにしぼりそこから内容を考えています。
ぜひ参考にしてください。合掌

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おきもち

「人の一生に寄り添うことのできるお寺」を目指しております。さまざまな御縁を基とし、より多くの方々に御参拝いただき、御本尊様などから御利益を授かることを願っております。 また、本来お寺の持つ機能として、「学び」「癒し」「楽しみ」などがあったとお聞きします。 あらゆる可能性に対して、日々精進しながら日々模索しながら、多くの方々との御縁がつながっていくことを願っております。合掌

こんなお話をご存じでしょうか?σ(^_^;)

むかしむかし、あるところに、
はだかの王様ならぬ、はだしの王様がいたそうです。
はだしの王様は、いつも裸足なので石ころを踏んでは「痛タタタ!」大騒ぎ。
「よいか!ワシの行くところには、必ずジュータンをしくように!」と命令しました。
ところが、そんなことをしたらお金もかかるし、せっかくのジュータンも汚れてしまいます。
そこへ賢い大臣が王様に申し出ました。
「私に一枚だけジュータンをお与えください。世界中にジュータンを敷いてみせましょう」
「おう、そうか。一体どのようにするのか?」
「ははっ、失礼いたします。」
賢い大臣は王様の足にジュータンを巻きつけたのです。
「王様、これで世界中にジュータンを敷いたのと同じことになります」
話はここまで。
実はこのお話は、仏教とは何かについて説いています。
王様とは、あなたのこと。
足にジュータンを巻くとは、相手や世界を変えるのではなく、自分の心のあり方を変えなさいというお・話・で・し・た。
それでは自分の心を変える具体的なお話については…、また今度σ(^_^;)

いかがでしたでしょうか?(^O^)これで一分かかりません。
もっと聞いてみたいと思いませんか?
このような文章レベルでも伝えるべきことが伝わるのではないでしょうか?
これは弊師(師匠)の作ですが、私はこのお話が大好きでした。
知恵もありますし、子供にも通用するからです。

お話は“上手”であることは必要ありません。
相手に伝えたいことがはっきりしているかどうか。
それだけであると思います。

お話の目的は、お話を上手に魅せる、聴かせる、見せつけることが目的ではありません。
伝えること、これが最優先です。
何をお伝えしたいのか?
それさえ明確になれば、いらぬ言葉も語らず、ちゃんと伝わるのではないでしょうか?σ(^_^;)

「声もよし、話も良しとて高ぶるな、まごころ無きはヘタとこそ知れ」

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お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

COMPLEX 様

僧侶が法事やお通夜・お葬儀、法話会などの際に人前でお話することは、いかにして仏法をお伝えできるかどうか、僧侶としての真価が問われてくるところとなり、非常に大切な場と心得ております。一期一会の大切な機会、一つの法戦場でもあり、拙生も井上広法師と同様にいつも緊張して取り組みます。

法事における作法、読経や回向など形式的なことは専門家である僧侶にお任せ頂くとしても、僧侶としての義務と言える「法話」はないがしろにできないところであり、お聞きになられる方々にも心してその内容、僧侶の度量・器量もお図り頂きまして、疑問や質問を投げかけられることをお薦め致します。それが僧侶にとっても成長の糧になるかと存じております。

人前でお話するのは、始めはたどたどしくても、浦上哲也師のおっしゃられるように場を重ねての「慣れ」と、あとは自分の理解としての言葉とすべく準備は欠かせないもので、修学・修練を積み、一人で何度もプレゼンしてみるなどして、限られた時間内で最低限お伝えすべきことを紙面にまとめて推敲し、それを丁寧に分かり易く、少しでも相手の印象に残って、仏法への次の「縁」をお持ち頂けるようにと拙生は心掛けております。もちろん、まだまだの未熟者であり、いつも反省致すこと多いですが・・

修行のカリキュラムに人前で話すことなどの訓練は特にありませんでした。禅宗で「公案」という老師との禅問答はありましたが・・人前で話すのとは全く異なる空間でしたし・・拙生は、学生時代に政治に興味があり、マイクを握っての街頭演説を数百回していたことも人前で話すための良い経験であったかなとは振り返りますが・・

ビジネスで活かせるような、コツやノウハウ、伝わる話術・・やはり、自分より上手な人のやり方を良く観察して、参考となる教えを頂いたりしながら、修練し、できるだけ自分の言葉として伝えたいことを伝えられるように、時には興味の引きつけに様々なツールを用いて他と差をつけるための趣向を凝らすことも必要かと存じております。

COMPLEX様のビジネスのご成功を祈念申し上げます。

合掌

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おきもち

最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断しています。 https://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k

一生懸命に話す

ビジネスに活かす、とありましたので敢えて書かせていただくと「緊張しない」より「緊張しながら話す」方が良いのではないでしょうか。私個人は、立て板に水のセールスマンより、訥弁でも一生懸命に伝えようと努力していることが伝わってくるような方のほうが信用できるのです。

また、人前で話すコツは「相手をかけがえのない一人の人間」と思って話をすることではないでしょうか。「聴衆をカボチャと思って…」などはあってはならないことだと思います。汗をかいて顔を真っ赤にしながら一生懸命に話す人を蔑んだり呆れたりする人がもしいたら、それは話す人の一生懸命さがまだまだ足りないか、聴いている側の問題ではないかと。

特殊な例ですが、遺族の会葬御礼の挨拶などで、型にはまった挨拶を流暢に話すより、詰まりながらも一生懸命に自分の言葉でお礼を言う方のほうが、私は心に沁みます。

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住職のかたわら、大道芸人PRINCOちゃんとして幼稚園保育園など各種施設、お祭りなどのイベントに出演中です。 ◆大道芸人プリンコちゃんホームページ http://princo.fc2web.com/ 真言宗豊山派総合研究院 布教研究所常勤研究員 常任布教師 仏教伝道教材の「なむなむ」代表 流山市青少年環境浄化事業推進委員会 環境部会長 流山市青少年指導センター補導員 連絡協議会副会長 保護司(柏地区流山支部) 柏マジッククラブ会員 日本ジャグリング協会会員 流山ジャグリングクラブ顧問 日本ツイストバルーン協会会員 ◆PRINCOちゃんねる(法話動画など) https://www.youtube.com/channel/UC4gxIC4-oeR4ns3FpNr8vqA?view_as=subscriber
ただし、午前6時~午前0時まででお願いします

質問者からのお礼

様々なご視点からのご回答ありがとうございます。

ご回答から、緊張しないということはなく、むしろ緊張を自分のものにするという考え方のほうが、なるほど楽になりそうだと感じます。

また、繰り返し、堂々とした声や周りを見る事、意識してゆっくりと話すことというのはすぐ取り入れられそうです。

緊張しない、緊張しないというよりは、緊張を上手にコントロールするということが大事だなと思いました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ