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小説家になったことを後悔しています

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ずっと小説家になることが夢でした。
学生時代から新人賞投稿を繰り返し5年ほどで新人賞を獲得し、プロの小説家になり、書店にいけば自分の本が並んでいます。

それ自体はとても嬉しいです。
しかし、小説の内容を褒めてくれる人もいれば、もちろん貶す人もいます。先輩方はそんなことは気にしなくていい。素人の感想など見ないようにしろ、と言いますが、他人に楽しんでもらうための娯楽小説を書いているのに、読者の反応を全く見ないというのも、なんだか虚しい気がします。

加えて、もちろん出版社が出す小説ですから、商品として市場で売れなければいけません。売れなければ、そのうちどの出版社からも本が出せなくなります。

売れるものを書かなければいけない、読者に評価されるものを書かなければいけないと思うと、はっきり言って苦しいです。

プロになる前は、あんなに小説を書くのが楽しかったのに、プロになった瞬間、楽しさはどこかへ行ってしまったように思えます。

普通にサラリーマンとしても働いているので、その気になれば、小説家はいつでも辞めることはできますが、流石にそれは決心がつきません。

私はどうしたら、楽しく小説を書けるのでしょうか?

2024年5月30日 10:16

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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

一切は苦しみ

眼耳鼻舌身意のセンサーで受け取る一切の刺激は、実は苦しみです。
快楽でさえ、本質的には苦しみです。
美味しいものを食べる快楽も、「食べたい」というウズウズ(苦しみ)と表裏一体。
結局、生きている限り苦しみは無くならず、ただ、瞬間ごとに苦しみの形が変わっていくだけ。
苦しみの形に従って、その都度やるべき宿題も形を変えながら無くならない。
小説家になりたい人にはなりたい人の苦しみがあり、小説家には小説家の苦しみがあり、小説家を辞めた人には辞めた人の苦しみがある。
後悔や愚痴は苦しみと宿題の副産物ですが、後悔や愚痴はたいていはストレスの原因になりますから、過去や未来に関する妄想雑念を無闇矢鱈に繰り返すのはストップした方が楽になれるかもしれませんね。
小説家じゃなかった過去と比べても仕方ないので。

2024年5月30日 12:59
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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仏教にジャータカあり

ジャータカというブッダの前世物語集は、まあ、フィクションです。動物が人間と喋るし、そもそも、確認できない前世の話だし……
 そんなものを、ブッダの弟子たちが創作し、あろうことか、ブッダ釈尊の教えと同じく「聖典」として覚え、伝え続けてきました。どうして?
 創作物語の内容に、大いに意味があるからです。おそらくギリシャに伝わりイソップにもいくつも組み込まれたほど、その内容が、智慧と道徳に満ち、しかも面白おかしく語られているので、仏教を知らなかった人や子供たちに最初に説き聞かせるエンタメとしても抜群なのです。
 ジャータカについての研究では、512ものブッダの前世のどれ一つでも、ブッダは、嘘だけはまったく言っていないそうです。殺人や不倫さえあっても。
 主人公がウソを言えば、その物語すべてが疑わしい内容になり、捨てられるだけでしょう。ハリポタでも映画ドラえもんでも、相手がどんなに嘘や騙しや脅しをかけても、こちら側は智慧と道徳だけで乗り切ります。
 そういう、夢と希望と生きる指針を与えるようなものを書くよう頑張れば、趣味と実益が一致してやる気が出るのではないでしょうか。

2024年5月31日 12:21
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有り難し
おきもち

初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本...
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まつりと供養と自利&利他 そして真の理解者「知音」

たとえばロックのアーティストがロックとは言いながらも事務所の言いなりの飼い犬になって、事務所のための作品を出し続けていれば、それはもはやロックでもなくロック風、ロックっぽい一般人向けのPOPな作品ということになりましょう。ですが一般の聴衆はそれぐらいでちょうどいい現実もあります。実際、それで収益にはなるのですから。プロがプロの好む極上のサウンドを追求したとしてもシロートさんには意味不明。何がどう凄いのかもわからないもんです。
それでも、このアーティストと言えばあの曲だよね、という傑作がある。
それがなぜ売れたのか?なぜ浸透したのか。
そこには、いい「まつり」が行われたからということが言えるものです。
まつりとはなにか。
まつりという言霊に思いをはせてください。
お祭りの祭り、
神仏や亡き人をたてまつる祀り、
国や人々の生活をより良くするためのまつりごと、政。
お仕事をする、人を楽にさせる、社会や全体のために奉仕する「まつり」。奉。仕。
どのマツリにも共通することは心の通い合いです。コミュニケーション。意思疎通。一方的なピッチング、投げかけではない。相手と血の通った交流、よい関わり合い、通じ合い、共鳴、響き合いなのです。それをこそ供養という。
良い関わりのためには自分・わたくしというエゴは不要。それは自分がこうしたいという自分の欲求を満たそうとすることであり、周りが要求していることではありませんん。
自分は新しいことにチャレンジしたいといってもファンはついてこなかったり、離れてしまうこともあるでしょう。
世界一の野菜を山奥の農家の方が作ったとしても、それは知られることなく、購買者、ファンの手元にわたることなくその農作物が農作物として誰の為でもなく、成長を遂げるでしょう。
伝説のバンド、レーサーXのギタリスト、ポール・ギルバートの下には謎のファン「Snakebite🐍」から何年にもわたってメールが届きました。「お前はMr.BIG(日本でバカ売れ)なんてチャラいことやってんじゃねぇ。レーサーX時代のあのお前に帰るべきだ。」そのメッセージはある時、ついにポールに開眼。仏ッ刺さりました。結果生まれたSnakebiteはロック史上に残る最高の曲で仏ッ壊れたギターソロは息もできません。そういう作品を作れば本人もファンも後世の人も浮かばれる。そんな活きた真善美があるものです。🐍

2024年6月8日 22:19
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有り難し
おきもち

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ