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仏教を学ぶ初心者におすすめの書籍

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有り難し有り難し 48

いつも相談に乗っていただきありがとうございます。自分の相談へのご回答のみならず、他の方へのお坊様がたのご回答を拝見しては、納得、感心し、癒される日々を送っております。心より感謝と尊敬をお伝えさせてください。

自分もお坊さんになる、とまでは行かないのですが、日常を心健やかに過ごし、他者を元気づけるために、仏教の考えを学びたいと思っています。巷にはたくさんの書籍がありますが、初心者にも学びやすい本があれば教えていただけないでしょうか?

本屋さんで眺めてみたのですが、なかなかピンと来るものがなく。一朝一夕には身につかないものと承知しておりますが、もし何かおすすめの書籍や学びはじめの方法(お寺の法話に行ってみるとか?)がありましたら教えていただけると幸いです。


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お坊さんからの回答 5件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ちゃんと仏法の内容を明らかにされた人が説かれる本を求める

飯田欓隠
南天棒 
井上義衍
井上貫道
原田雪渓
禅宗であればこの方々の書が良いでしょう。
キチンと仏法の内容を明らかにされた人の本でなければ「意味がない」です。ズバリ
たとえ曹洞宗の禅師サマでもダメなものはダメ。有名力よりもきちんとあなたを救える内容であるかどうかが大事。実効性。薬効成分。
真実の仏法、正法とはキャリアや立場やブランドではない。
「意味がない」とは生老病死、四苦八苦、人生のあらゆる苦しみ・ストレス・迷いから救われないということ。救われない仏教や救われない教えだったら残りの寿命が短い人ほど読むだけ無駄でしょう。
たとえお話上手な池上彰氏が仏教書を書いたとします。実に分かりやすかったとしましょう。でもそれはご本人が悟っていないけれど単に説明が上手で「理解しやすい」というだけ。人を悟りに導くものではないのです。蕎麦が作れない人がそば打ちの本を書くようなものです。言うことはできるでしょう。アイドルが出せば「売れる」でしょう。
同じように、仏法の道理をきちんと弁えていない僧侶や仏教学者の本を掴まされても「仏教の知識GETだぜ」という程度なのです。それが人生の救いになるでしょうか?
いいえ。それは仏教知識というもの。学びではあっても救いにはならない。現代でも自己実現欲求を先んじて「仏法の内容」をきちんと修行と参学を通して明らかにされていないのにもかかわらず宗派の要職・高職を求めたり、メディアに取り上げられてヨイショされてちゃんとした方を差し置いて「われこそが」という気配をお持ちの僧もいます。ミーハー心理で有名僧侶ちゃんの本がイイのであれば別にいいでしょう。ですが、それは有名な僧侶の仲間入りになれたような錯覚心理に陥るだけでご自身の生老病死が救われたことにはならない。人生の「救い」になるとは言えないのではないでしょうか?
辛口に思われるかもしれませんが、これは当然の道理。当然の理屈。慈悲。
癒しは癒し。一時的。
救いは救い。一生もの。
禅宗の救いとは、自分が自分を苦しめている心の作用というモノが、みな自分が作り出した想念の作用であることをきちんと見きわめて、その出所とそれを取り扱う「人」という自己のエゴ作用を見抜き、そのやかましくシャシャり出てくるエゴを坐禅・禅定・仏道修行という無私・無我の「わたくしなき」行によって人畜無害にまで推し進めることです。合掌👏

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おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

浄土真宗ですと

「だれでもわかる ゆる仏教入門」
「『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教」
どちらも松﨑智海師の著書ですが
取っ付きやすいです。

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おきもち

 浄土真宗(大谷派)/広島県広島市/17世住職。  1967年京都市生まれ。山形大学理学部卒業後、証券会社で勤務。30歳で脱サラし、親戚筋の超覚寺に入寺、45歳で住職継職。  遺族の分かち合いやお悩み相談などグリーフサポート活動を続け、お寺の掲示板による法語伝道にも尽力している。カープ坊主の会会員。
こちらに法事が入っていなければ、ご希望の日時に相談させていただきます。 想いを吐き出しても、あなたの環境は変わりませんが、あなたの気持ちは変わっていきます。 どうぞ安心してお話しください。

私たち不満族

アルボムッレ・スマナサーラ長老の
「私たち不満族 満たされないのはなぜ?」
です。
ボリューム的にも読みやすく、それでいて必要な教えが詰まっている1冊です。
仏教用語を体系的に学べるような本ではありませんが、仏教的なものの見方を理解するには良い本だと思います。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

私もスマナサーラ長老のものをお勧めします

『死後はどうなるの?』角川文庫で、輪廻とそれを超える悟りの構造がざっと分かります。
『無常の見方』、『苦の見方』、『無我の見方』という三部作が、もしサンガからなら今は新刊では入手しにくいですが、仏教の悟りがちょっとむつかしいですが書かれています。
釈尊に触れるなら、写真満載の『ブッダの聖地』があります。これもサンガなので入手しにくいですが、図書館にでも入っていればいいですね。

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初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本仏教、浄土真宗ということで活動しております。 先祖供養とか功徳回向とか、みんなお釈迦様が最初からおっしゃっていたって、ご存知でしたか。私たちも謙虚に堂々と日本仏教しましょう。

ティク・ナット・ハン著『愛する』

てんこ 様 

お寺の法話もおすすめですが、
私の超入門的仏教書は
ティク・ナット・ハン著『愛する』(河出書房新社)税別定価1200円
です。
仏教入門というより、自己啓発に近いですが
充分にエッセンスは、入っています。
なんせ読みやすい。解りやすい。優しさが育める。
そんな本です。

ちなみに、ティク・ナット・ハン師は、ベトナム出身の僧侶ですが、
マインドフルネスの瞑想法で有名でした。
でした。と述べたのは、先日お亡くなりになられたからです。
宜しければ、本を手に取ってみてください。
参考までに。一礼

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おきもち

個別相談可能
お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリング、コーチングなどで活動しています。 メールでの相談も受け付けています。hasunohaの回答後のフォローアップはメールで致しておりますので、メールでお問い合わせください。また面接でのカウンセリングセラピーをご希望の方もメールで連絡をお願いします。 honsyoji.sk@ddknet.ne.jp へどうぞ。
昼間は、ほとんど法務に出ておりますので、夜の応対になります。 できれば、事前にメールで相談内容を教えていただければ、スムーズなセッションになるように思います。 プライバシー、相談内容の守秘義務は遵守いたします。

質問者からのお礼

願誉浄史様、藤本様
早速お返事くださりありがとうございます。スマナサーラ長老の御本がおすすめなのですね。以前、「怒らないこと」を読んで非常に感銘を受けたのですが、お二人にお薦めいただいて納得しました。他の著作もぜひ読んでみます。
お忙しい中ご教示くださり本当にありがとうございました。

丹下様、

ご教示ありがとうございます。なんのために学ぶのか、と痛いところを突かれたようで、納得しました。自分自身、今は処方箋のように仏教の教えを活用してしまっている気がしますが、これも入口の一つと思って、自ら仏教を修められた方々の著書に触れるようにします。

和田様、
ご教示ありがとうございます。鬼滅は私も好きなので手に取ってみたいと思います。

釋様、
ありがとうございます。とても心惹かれるタイトルです。こちらでご回答されているお坊様がたのような優しさを、自分も育みたいです。ぜひ読んでみます。

皆様、たくさんのご回答本当にありがとうございました!

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