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業について

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有り難し有り難し 85

今晩は、質問させていただきます。
仏教には悪因悪果、善因善果とありますが
世の中には嘘で人を陥れ、貧しい者から富を搾取し、
人種、民族を差別し、暴力を行い、戦争を扇動し
なんの生活に影響なく生きている人たちがいます。
彼、彼女らはむしろこの世では成功者、勝利者といわれているようです。
(無論、仏教でいう成功、勝利者はそんなものではないということは承知しています)

しかしそのような人々が現世で行っている数々の悪行為が何の報いもないということは甚だ疑問です。
それはつまり自らが行ったかもしれぬ過去世の善業によって現世の悪からある意味その人は守られているのでしょうか?

また、その逆も然りであり善行を励む人が無残な結末に遭うことも珍しくありません。
それも過去世の善業が切れてしまった証拠なのでしょうか?
いかんともしがたい不公平が生まれるのも業によるものでしょうか?

私は悪因悪果、善因善果について誤解をしている可能性があります。
それについて詳しく教えてください。
とりとめない乱文申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

一秒前は過去!一秒先が未来!一秒前が前世!一秒先が来世!

前世も来世も厳密にはそういうことです。
死後の世界云々の話ではなく、もっと現実的なことです。
あなたがここで業について質問する。
誰も応えてくれなかったとする。
納得のいく答えが得られなかったとする。
すると、あなたの心に結果的にモヤモヤが生ずる。
それがどう転ぶか。
仏教なんてつまらん、となるか、モヤモヤが晴れて健やかな気持ちになるか。
それを導く心こそ善であり、善導の働きなのです。
ぜひ、食らいついて真意を読み取ろうとしてください。
世間で言う因果応報とか善因善果・悪因悪果とは、いわゆる最後に裁きや報いを受けることを「期待する」ものでしょう。
世の中を不幸にする政策をした派遣社員システムなどを作った人間はみな当然、裁きを受けるべきだと思う人が多いでしょう。それも結果。
そういうシステムや法律を作れば、未来に暗い先しか見えなくなって派遣社員が秋葉原で無差別殺人を犯すという悪い結果が確実に表れるのです。
「そのようになせば、かならず結果としてそのようになる」ということが、仏法としての定めです。
人間が良かれと思ってやったとしても、実際は人間や生物、この世の法則が先にあるのですから、水の中で苦しんでいる魚を救ってやろうと、水の中から救い上げて陸地で生活させようとしても死んでしまうのです。
池の掃除をしきりにやっていた結果、魚が死んでしまったというケースもあります。
それも本人たちは魚にとって良かれと思ってやっても、結果的に魚は水道水、カルキで死んでしまうということがある。
で、大事なのがここからです。
あなたが、今の世の中の悪しきさまを見てどうか。
それをうけて、同じくMADに染まる人も居る。
私はそうであってはいけないと思う。
こういう世の中だからこそ、私は私のできる善玉菌を縁加えする活動をするんだっッッッッ!!!!っていう気持ちを足の裏から腰から背中から心臓から頭のてっぺんにかけてまで、僕が世間を救う!たすける!なんとかできることをするんだっ!!!!!っていう菩提心をおこすことが大事なのです。
誰も、世の中救っちゃくれんのです。
坊さんだって自分の範囲内しか救えない。アンパンマンだって濡れたら力が出ません。
あなたは傍観していてはいけない。
あなたが善因善果マン、悪因善果マンになるのです。
それはあなたの菩提心。
悪をうけては転じて吉祥となすべし。ご協力ヨロ。

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【現実】実際のところ

善い行いをすると「善い行いをしたという事実」が生まれる。
悪い行いをすると「悪い行いをしたという事実」が生まれる。
これを善因善果、悪因悪果つまり【因果応報】といいます。

【因果応報】は絶対的に平等でじつに有り難い思想ではありますが、一方では、まったく容赦のない怖ろしい摂理でもあります。これはちょっと見た目ではわからない。ましてや羽振りの良さではわからない。 地位、名誉、財産、、、人の世での成功者または落伍者を計るものさしでは到底尺度が合いません。

しかしながら、悪党風情が贅沢な生活をしていたり、チヤホヤされていたりすると、たしかにちょっと釈然としませんよね。でもそれは、奴らの問題でなく、ましてや世の中の問題でもなく、他ならぬ自分の腹の中に巣食う煩悩の問題かもしれませんね。

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【公認心理師】 【レンタルお坊さん】活動中。 とりあえず何でも相談して...
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鏡(因果応報思想)は自分に向けましょう

私は、因果応報、業報輪廻の思想が好きです。
自分の不幸や不運を「自分の過去の業のせいだな」と受け入れられれば、他人に八つ当たりする必要がなくなります。
業報輪廻の考え方が人類に広まれば争いも減るんじゃないでしょうか。
因果応報は、自分で自分を反省するための鏡です。
鏡は、自分の顔を見るのに使えばよいのです。
鏡で他人を覗き見する必要はありません。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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「一切悪趣清浄タントラ」

タッタ様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

業の問題につきましては、下記の問答にて「異熟」について少し述べさせて頂いております。

問い「因果応報」
https://hasunoha.jp/questions/29280

問い「自因自果と阿頼耶識について」
https://hasunoha.jp/questions/27478

さて、インド中後期密教経典の中に、「一切悪趣清浄タントラ」という経典がございますが、このお経が説かれた由来の教説の中において、帝釈天(天界の神様)が、天界で共に親しくあった天子無垢宝光という者が死んだ後のことを心配されて、世尊仏陀(ヴィルシャナ)に尋ねられるくだりが出て参ります。

その際、世尊は、天子無垢宝光は、過去世からの業の結果もあり、死後、地獄に落ちてしまっており、その後も六道輪廻の中を長らくに苦しみ彷徨い続けるとおっしゃられます。

まさか、天界で親しくあり、地獄に落ちるような所業が無かった天子無垢宝光が地獄に落ちてしまっていることに帝釈天たちは恐れおののき、悪い輪廻に落ちている者たちが、悪い輪廻から解脱して、悟りへ至るための方法をお示し下さいと懇願されて、世尊が、その具体的な方法を説示されておられるのが、このお経の全体的な内容となっています。

その説示されました方法に従って、帝釈天たちが、天子無垢宝光のために供養を実践することにより、天子無垢宝光は、何とか地獄、悪趣輪廻から逃れて、善き流れに乗ることができるようになるのですが、実は、天子無垢宝光が、帝釈天たちによって、そのように供養を行ってもらえたのは、天子無垢宝光には、その過去世における強い仏縁があったことによっての功徳を積んでいたが所以であると、後に補足して説明されます。

つまり、確かなる仏縁や功徳が、過去世、現世のどこかにおいてあったのであれば、その後の輪廻転生の中において、多少の紆余曲折があっても、必ずやその仏縁、功徳による果報により、仏の道を外れずに、善き流れを進められる場合があり得ることをこの例は示しています。

業の結果は、過去世、現世の様々な行いが混ぜこぜとなりながらに結果をもたらすところとなって参ります。悪い行いをなさずに、できるだけ善き行い、善き仏縁を積んでおきたいものでございます。

川口英俊 合掌

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おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

皆様ご回答ありがとうございました。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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