新潟県上越市、龍興山宗恩寺住職。
「懺悔」というとキリスト教のことを思い浮かべるかもしれませんが、仏教にも懺悔があります。
仏様にお祈りして「これまで犯してきた間違いを懺悔します。同時に、他の人が私にした間違いを許します。...
私は以前、社会学の研究者を目指して勉強していたことがあります。
子供の頃から本が好きで、大きくなるにつれて社会や文化の問題に触れたルポルタージュや紀行文を中心に読むようになりました。親が教員だ...
質問:お坊さん、好きなことができなくなったことってありますか?
作家の遠藤周作さんのエッセイに、次のような一節があったと思います。
「夜中に眠っていると、急に過去の失敗が思い出されて、うわーっと叫びそうになる。
そういう人こそ、私の本当の友だ。そう...
人は生きている限り、自分の回りから受け取る情報を自分の解釈のフィルターを通して受容することになります。
しかし、そのフィルターは突き詰めれば「自分はそう思う」という以上の妥当性を持ち得ません。...
法華経の観世音普門品の中には観世音菩薩が様々に姿を変えて仏の教えを説くと語られています。
バラモンに帰依して教えを聞く者にはバラモンの姿で、ヒンズー教の神様に帰依して教えを聞く者にはヒンズー教...
聞く気のない質問はしないのと同じ事です。
今、あなたを苦しめているのはあなた自身の妄想が産んだ幻の声です。
ご自身でも「折角頂いたお答えもあるのに…」と書かれているように、どうしたら良い...
心配ありません。だいたい皆んなそうです。
今、回答している私自身も半世紀生きて、何かに本気で取り組んだ、と胸を張って言えそうな記憶がありません。
平均寿命の半分以上すぎて、今頃ようや...
天上に何か特別な監視者がいて、その人が私たちの善悪に賞罰を与えるということはありません。
しかし、善因善果悪因悪果(善い行いには善い結果が、悪い行いには悪い結果がくる)は絶対の真理ですから、そ...
生まれて来なかったお子さんにも、本当は今生でお会いになりたかったことと、心痛お察しいたします。
ただ、悲しみに囚われいつまでも苦しんでいては誰の慰めにもなりません。申し訳ない、何か償いをし...
他人の言葉がショックなのは、他人の見方(自分へのイメージ)が自分が思っている自己イメージと違っていると思い知らされるからです。
「自分はこういう人間だ」と思って安定しているイメージが部分的...
戒律は極楽とも地獄とも直結しているわけではありません。
戒律は仏弟子となって仏の教えを自分の生活の中で実践していくためのいましめとルールです。
プロ野球でたとえるなら、戒律は野球憲章とル...
よく「前世の因果でこうなった」という言い方をしますが、これは厳密には正しくありません。
生命は日々時々刻々に生滅を繰り返しています。そのあり方を決めるのが因果です。
この世にこのような姿かた...
昔、東京オリンピックとメキシコシティオリンピックで素晴らしい成績をおさめ「五輪の名花」と呼ばれた女子体操選手のベラ・チャスラフスカさんという人がいました。
彼女はインタビューで「あなたはなぜあ...
お子さんのお名前を拝見しましたが、とくにおこがましくもないし、キラキラネームとも思えません。
男性で同じようなお名前の方もたくさんいらっしゃると思います。
どのようなお名前であれ、他...
私自身、不思議な体験をしたことがあります。
父の死後ほどなくして、飼っていた犬も亡くなりました。
しばらくたったある日、掛かってきた電話に出ると、父親の声が「○○(犬の名前)が、□□□□(聞...
「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」という有名な川柳があります。
ドイツの詩人ゲーテが綴りのGoetheを邦訳される時に、十種類以上の様々な翻訳のされ方をした事をよんだものです。直接的には翻...
嫉妬や蔑みの感情は、いつでも誰でも否応なく生まれてしまうものです。
人は自分自身や環境との関係の中で自分を支えていますから、自分を安定させている枠組みから外れた出来事や事物に出会うと、それを認...
信頼していた人に裏切られることは、自分の体が割かれるように辛いです。
しかし、その辛さに過剰に意味づけして、自分で自分を貶めてはいけません。
「自分だけが」という思いは、自分自身を貶めて周囲...
20代の男性であれば普通ではないでしょうか。
それで「心が穢れた」と過剰に悩まれる必要はないと思います。
「見ないぞ、見ないぞ」と心に念じ続けるのも、かえってそれに捉われていることになってし...