裏切り
15年前、私は消防でバイトをしていました。死ぬ事しか考えていない私に生きる事を教えてくれました。
生きる事を隊員と約束しました。目の前に倒れている人がいたら第一次救命をする事を約束しました。いろんな訓練も見せてくれました。させてもくれました。
だけど私は、ひとりの隊員から大会に来るように言われました。必ず来るように…と。だけど、私は行きませんでした。当時、気になっていた男性に映画に誘われて、約束を破りました。来年でいいや…大会は来年もあるし、大勢のひとが見に行くんだから私ひとりいなくても分からないだろう、と。次に隊員と仕事で会ったとき、私がいなかった事を知っていました。来年は行くから…来年なんてありませんでした。隊員はその年に亡くなりました。
病気をおして訓練して、私に何かを教えるために無理して亡くなりました。私が殺したも同然です。
その後、他の隊員が不安で怖くてお酒におぼれるとSOSの電話がありました。何度か。だけど私は無視しました。
あの時の後悔が、特に夏になると私をおそいます。私は裏切りました。あれから私は、人を、自分の命を救う道具を持ち歩かなくなりました。それが一番の裏切りに思えます。
ただ、15年前にまだ執着している自分の弱さと、人の命を救う事をやめた自分の弱さ、ずるさに絶望します。こんな私は生きる価値がありません。だけど自殺をしたら、これ以上ない裏切りになってしまいます。それだけは避けたい。
毎年、夏がくるたびに葛藤と自問自答に苦しみます。
お釈迦様にも裏切り行為を許してもらおうとは思っていません。
どういう心持ちでいたら、また救命と向き合えるのでしょうか?
有り難し 8
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