2022/03/02生老病死
数年前、願誉浄史ご住職様から「阿含経典」を勧められましたが、驚いたことに此処にすべて仏教の真髄が集約されていました。
ご住職様には、深甚な感謝と共に厚く御礼申し上げます。
そこには、仏教の目的である「輪廻転生からの解脱」が唯一仏教の教えに尽きることが書かれていました。
般若心経に「照見五蘊皆空度一切苦厄」とありますが、「一切苦厄」の主体が生老病死の事でありましょう。
生老病死は仏教の専売であると思っていましたが、阿含経には仏教に関係なく「自然の摂理」で釈尊以前から定まったものであると述べられています。
「自然の摂理」に対しては、釈尊も手の施しようがなく只管死を待つほかありません。
即ち、生きている総ての生物には生老病死はつきもので、仏教の救いは何もないという事です。
従って仏教の救いは死後にあることになります。
しかし死ねば生老病死は消えますから何も問題はありませんので、仏教の救いは必要ない筈ですが、再び誕生することを釈尊は悟りで明らかにしました(過去世)。
それが輪廻転生です。そこから解脱することが仏教の救いであり、仏教の存在価値です。
そのことを阿含経は下記のように述べています。
城邑(南伝 相応部経典 12.65. 城邑)
前略
その時、世尊はかように仰せられた。
比丘たちよ、わたしは、まだ正覚をえなかった修行者であったころ、このように考えた。(この世間はまったく苦の中に陥っている。生まれては老い衰え、死してはまた再生する。しかもわたしどもは、この老いと死の苦しみを出離するすべを知らない。
まったく、どうしたならばこの老いと死の苦しみを出離することを知ることができようか)と。
後略
有り難し 19
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