2023/06/16般若心経(2)
「舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減」
これが第二のキーフレーズです。
「諸法」について花山勝友先生は「この世の中のあらゆる存在や現象」と解釈されていますので「宇宙」と解釈するのが正しいと思います。
横道にそれますが、「空相」は「空の姿」ですから、それに対比する「実の姿」があっての「空相」です。
従って本来はその前に「是諸法実相 生滅 垢浄 増減」(諸行無常)があるべきです。
「如是我聞」は釈尊が弟子(比丘)に説教するのが大部分ですから、常識的な会話は無に近いです。だから重要な「輪廻転生」の話はほぼ皆無です。
ここでも「諸法実相」が省略されたのでしょう。
では「諸法空相」に戻って、ちっぽけな「色」(身体)の説明になぜ宇宙を持ち出さなければならないのか不思議です。ここがキーポイントです。
「空の姿」の宇宙は自然界で唯一「閉じた系」です。
「閉じた系」の有用性は、皆様も中学、高校時代に物理で教わったように、「エネルギー保存の法則」です。
同じ空相でも「閉じた系」でなければ、「不増不減」(一定量)とはなりません。だから「色空相」として説明できないから宇宙を持ち出したのです。
これで「空(空性)」が「エネルギー」であることが確定したのです。
「是故空中、無色、無受想行識 無眼耳鼻舌身意無色声香味触法 無眼界
乃至 無意識界、無無明 亦無無明尽 乃至、無老死、亦無老死尽、 無苦集滅道、
無智亦無得、以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃」
「是故空中」とあるので、諸法空相を受けて、宇宙全体をエネルギーと見做せば、総てが無になることを説明したに過ぎません。
以上が「色即是空 空即是色」に関する説明です。
明治時代以前迄は、釈尊が悟りを開いたとき「これは非常に高尚で誰も理解できないだろうと」と布教を諦め、「この喜びのうちに生涯を終えたい」と神通力を駆使して自殺をし、彼岸に渡って「梵天勧請」事件を経て、再び生き返り諸転法輪を回したほど、難解な内容でしたが、現代では教科書で学ぶほど、「般若心経」は科学的常識となったのです。
有り難し 4
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