2023/03/28どのような研究者を目指すべきか
自分は研究者をしておりますが、どのような研究者を目指すべきなのか、正しい像を思い描けないで悩んでおります。
例えば、一般的には社会の問題を解決する方法や発明をすることが研究者の使命であり、それが仕事だと考えられています。ただ、そもそもそれらの問題は人間の尽きない欲望から生まれるもので、研究者の仕事がそれを増幅させてきた側面もあります。
世界の真理を探ること自体に価値を見出す方も多いですが、実際に自然を相手に研究をしていると、つくづく自分達は未知の世界に住んでいるだと実感させられます。とてもヒトの寿命と頭で知り尽くせるものではないということは明らかです。
一方で、現実の多くの研究者は日々競争に明け暮れています。他人より多くの成果を挙げなくては職を失う不安がある一方、成果を挙げる事で承認欲求や知的好奇心が満たされる快感の虜になっています。少し考えると、この状況の不健全さは分かりますが、一方で少子高齢化が進む社会状況や、本能的な知的好奇心や欲求の発露が肯定されて来た仕事であることを考えると、これらの制御は難しいものがあります。
私はいま、世間の人が持ち上げるほど、心血を注いで取り組む価値のない仕事なのではないかとは考えつつも、今はそれでも自分なりに出来る仕事はするべきだと考えてやっています。
ただ、ここまで書いて来て思ったのですが、結局多くの人も等しく、何が正しくて何が正しくないのかわからない中で頑張ってるのかもしれません。むしろ、自分として生きることの意味や価値、答えが得られないからこそ、他者の苦しみを知り得るのかもしれません。だとすると、この悩み自体にすでに得るべき答えはあるような、そんな気も少しして来ています。
有り難し 13
回答 2